四十三話『酔った』
「ヒック!僕はぁ〜そこで言ってやった訳よぉ〜ヒック!"フライパンも食べようと思えば食べられるだろ!"ってね」
「大事なのは"気合いと覚悟"なんだよねぇ」
「ヒック!」
「ちょっとテイト、飲み過ぎっすよ…」
「それにその話何回目っすか…」
「おや?ミルフ君?どうしたのかね?」
「グラスが空いているようだが」
「どれ、貸してみなさい」
「もういいっすよー飲まないっす」
「テイトもそろそろ辞めといたほうがいいっすよ」
「なに?わしの酒が飲めんのかね?!」
「分かった、君がそう言った態度なら…」
「この前の昇進の話は考えさせてもらうよ!」
「何言ってるんっすか…」
「ヒック!」
魔素水を飲み過ぎた事で魔素酔いしたテイト。頬を赤く染め、酔っ払ってどこかに居そうな上司のようにミルフへウザ絡み。そんな二人の様子を見ながら"やれやれだな"と思っているアルフ。
ため息を吐くアルフにフォスが話しかける。
「アルフさん」
「だいぶ魔力は回復しましたか?」
「…気づいてたか」
「はい、その身体は"作り物"ですよね?」
「元の身体は…盗られましたか」
「けっ、何でもお見通しかよ」
「そうだ盗られた」
「アルフさんが魔界に向かう理由は盗られた身体を取り戻すためですか?」
「まぁそれもあるが、一番の理由は…ん?」
「うわ〜ん!アルフさ〜ん!」
「聞いてくださいよぉ!ヒック!」
「ミルフがひどいんだよぉ!」
泣き上戸になったテイト。アルフに抱きつく。引き剥がそうとするアルフ。
「おい酔っ払い!くっつくな!」
「しくしく、ヒック!」
「ミルフが"トウモロコシは野菜の仲間じゃない"って言うんですよぉ!」
「モロコシは…」
「モロコシは野菜ですよねぇ?!」
「知らねぇよ!」
「何言ってんだコイツは!」
「もういい!」
「フォス!この話はまた今度だ!」
フォスが住宅の方を指差す。
「お休みは好きな住居を使って下さい」
「外観は良くないですが室内はキレイにしてありますので」
「それと室内は暗いのでロウソクを持って行って下さいね」
「分かった」
「おい!さっさと立って歩け!」
「モロコシ…ヒック…」
「もう食べられないよぅ…」
スヤスヤ。
「寝るんじゃねぇ!」
引きずられて住居へと運ばれるテイトと引きずるアルフ。二人の背中を見つめる三人。
「姐さん、テイトには世話焼きっすね」
「多分オレなんて、雪山で寝ててもそのままっすよ」
「ホッホッホッ、じゃろうな」
「あの二人を見ていると、昔に戻ったような気がしてきますね」
「そうじゃな、懐かしいわい」
「フォスさん、トル爺」
「ルイボルさんの若い頃ってどんな感じだったんすか?」
「そうですね…あぁそう言えば」
「彼も魔素水を気に入りましてね」
「テイト君のように魔素酔いしてました」
「あの時は確か…」
…三人の夜はまだまだ続きそうだ。
朝の日差し。うっ!イテテ…頭が痛い。昨日は確か…ミルフの作ってくれた料理を食べて、乾杯して。そこからの記憶がない。
これが二日酔いか…イテテテ…。昨日飲み過ぎた。水だけれど。しかし昨日のミルフが作ってくれた料理も流石の出来だったな。
でっかいキノコは"モキュモキュ?"と弾力があって噛み応え十分!見た目からして大味だと思ってたけれど、傘と柄どちらも噛むとキノコの風味をしっかり感じられた!
小っちゃいキノコ達は濃厚なクリームソースとチーズのコクに負けないで、良い味を出していた!
やっぱり反則だよね。ニンニク・バター・チーズって。何に合わせても美味しくなっちゃうもん。はぁ〜どれも美味しかったな。
ところでここはどこだっけ?キョロキョロと辺りを見渡す。二度見。
「わっ?!アルフさん?!」
「居るなら言って下さいよぉ!」
暗い部屋の中。イスに座り、こちらをじっと見つめるアルフさんが居た。今も問いかけに何も答えずこちらを見つめ続けている。
「…」
「あのぉ〜アルフさん?」
「大丈夫ですか?どうかしました?」
「…今日から修行だ」
「朝飯を食ったら広場に来い」
それだけ言い残すとアルフさんはツカツカと部屋を後にした。アルフさんが座っていたイスの後ろに机。そこに朝ごはんのおにぎりが置いてあった。
何だったんだろうな?と疑問を持ちつつ、いただきます!もぐもぐ!うまうま!
だいぶ頭痛も治まった。広場に向かう。アルフさんとフォスさんそれにミルフが居た。小走りで三人に近づく。
「あれぇ?ミルフ?どうして居るのぉ?」
「あっ、おはようっす」
「いやぁーテイトの修行にオレも参加させてもらいたいってファスさんに頼んだんすよ」
「ミルフ君に頼まれました」
「魔界に行くんなら今よりも強くなって損はないかなって」
「あとはオレ、今まで修行っぽい修行をやった事がなかったんで」
「まぁ興味本位っすね」
「ふぅ〜ん」
「フォスさん良いんですか?」
あれだけ僕の修行をやるかやらないかで渋っていたのだからミルフも断られるんじゃ?
「構わないですよ」
「教える事が決まっているのなら一人でも二人でも変わりませんから」
「そう言うもんなんだなぁ」
「じゃあミルフ!一緒に頑張ろうねぇ!」
「はいっす!」
「では、みなさんそろいましたね」
「修行を始めましょうか」
よお〜し!頑張るぞ〜!
お読み頂きましてありがとうございました。
記憶が飛ぶまで飲んでみたい気もします。
「なんか面白かったよー!」
「続きが気になった!」
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