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四十話『スゴいぞ!完璧!』

完璧かんぺき】の内側は意外と快適。球体の中ではテイトのヒザ下ぐらいまで水の中に沈んでいるのだけれど、海水の冷たさは感じない。


「行くぞ」

球体は波に流されてどこかに転がって行ってしまう事はなく、その場に留まっていた。アルフが歩くのに合わせてテイトも歩く。


二人が前に進むと球体もそれに合わせて前に進む。自分達の立っている床?の水平は常に保たれているような不思議な感覚。


ジャイロセンサーみたいな。ウォーキングマシーンみたいな。ハムスターがクルクル遊ぶ回し車みたいな。そんな感じ?


大きな岩地帯へと近づく。"どうやって島まで行くのかなぁ?"などど考えていると、真っ黒な雲が二人の頭上を覆い尽くす。


ピシャーン!ゴロゴロゴロ!落雷が球体に直撃した!うわっ眩しっ!大きな音!驚くテイト。しかし【完璧かんぺき】には一切ダメージは無く、二人の所まで雷は届かない。


島に近付くと勝手に雷が落ちる。落雷がセキュリティになるって事ね。なるほど!これがあるからアルフさんは船を降りたのか!あのまま船で島に近付いていたら…怖っ。


ピシャーン!ゴロゴロゴロ!落雷は絶えず球体に直撃している。嫌そうな顔をするアルフ。

「…うるせぇな」 

「"音"を遮断」


一瞬球体が発光したかと思うと、今まで聞こえていた落雷が直撃する音が聞こえなくなった。一緒に波の音も聞こえなくなった。球体の外の音が聞こえなくなったようだ。


"スゴい!そんな事も出来るのか!"と関心していると岩場に到着した。船の上から見ていた時よりも周辺に転がる岩は大きく、とても歩いて乗り越えられそうには思えない。が、アルフは気にせず進む。後に続くテイト。


ほぼ垂直。切り立った岩壁に足をかけるアルフ。…えっ!アルフさん壁に立ってるよ?!テイトの眼前のアルフはまるで平地の地面を歩くかのように岩壁をテクテクと登って行く。


驚きを隠せないテイト。急かされる。

「おい、止まるんじゃねぇ」

「遅れずついて来い」


「はっ、はい!」


おそるおそる岩壁に片足をかける。勇気を出してもう片方も岩壁に!…立てた。何で?!分かんないけれど立てる!歩ける!アルフに続いて岩壁を登るテイト。ちなみにこの間も落雷は続いている。特に影響は無いけれど。


しばらく歩くと岩場を越えた。だが、まだ島までは遠い。次は崖が待っていた。先程までの岩壁など比べ物にならない高さ!上の方に何があるのか?雲に覆われ確認出来ない…。


"アルフさん?まさか次はここを?"聞く前に崖を登り始めたアルフ。覚悟を決めて後に続く。

下を見ないように。アルフさんの背中だけを見て。進む進む。だいぶ歩いて雲を越えた。


「だはぁ〜!やったぁ!頂上だ!」

「…おぉ〜?何だこれぇ?」


雲を越え崖の頂上に立つと、落雷が止んだ。崖の頂上から島の内部を確認出来た。遠くからビルのように見えた建造物。近くで見るととても長い数本の塔のようで、傾き崩れて荒廃している。塔の所々が植物に覆われており、長い月日が経っている事を想像させる。


全体をぐるっと囲んだ崖場、更にその周りを岩場が囲んでいる丸い形状の島。塔の他にも背の低い建造物がいくつか見えるが、塔と同じように荒廃し、緑に覆われている。こりゃ、住人が居るようには思えないな…。


「降りるぞ」


「おっ、ここからまた歩くんですかぁ?」


「いいや、今度は"落ちる"」


「…えっ?」


「ついて来い」

ピョンとアルフさんが飛び降りる!後に続き飛び降りる!景色をゆったりと楽しむ間もなく。心の準備をする暇もなく。


「うわぁぁ!あっ?あれ?」


球体はフワフワとゆっくり降下している。そうだった、そう言えば前もこんな事あったっけ。ネグナの町に向かう時も崖から落ちたな。同じようにフワフワと。忘れてた…なんかビビって損した気分よね。


テイトは気付いていないが、島から崖と上空に居る侵入者に向けて斥力(引力の反対。物体を遠ざけようとする力)が生じるようになっている。


崖から普通に飛び降りるだけでは島の外へとはじき飛ばされ、島まで到達出来ない。アルフは【完璧かんぺき】により"斥力を遮断"する事で影響を受けずに島へと入れた。


ゆっくりと地面が近くなる。落下の途中でアルフさんにこの島の事を聞く。この島は人工的に作られた島のようで昔、民間人のシェルターとして使用されたらしい。


「シェルター?何から避難したんですか?」


「…そんな事はいい」

「ほら、着いたぞ」


またはぐらかされた!まぁいいか。地面に着地し【完璧かんぺき】を解除する。地面は植物の緑で覆われている。


崖に囲まれているためだろう。島の内部は日影になっており、地面はひんやり。気温は暑くもないし寒くもなく過ごしやすそうかも。


「へぇ〜こんな感じなんですなぁ〜」

「夏場とか涼しそうですねぇ!」


「…」

何も答えず遠くに見える建造物を見つめる。ふ〜ん、あそこでも避難して来た民間人の方が生活してたのかな?などと考えていると、アルフさんが口を開いた。


「久しいなフォス」

えっ?誰も居ないぞ?アルフさん?どしたん?


「お久しぶりですアルフさん」

えっ!誰も居なかったはずなのに!


「おや?アルフさんアナタ…縮みました?」


「!」

「だあぁぁぁ!」

周りを壁に囲まれているからでしょうか。すっごい響いた。自分で驚くくらい。

お読み頂きましてありがとうございました。


雷が近くに落ちるとちょっと興奮しちゃう


「なんか面白かったよー!」

「続きが気になった!」

と思って頂いた親愛なる読者様へ…


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