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自分のふり

作者: 渋音符


 ここにいる僕は僕じゃないらしいから、自分らしく生きるのはやめた。


 気づいたら生まれていて、時計仕掛けの箱入りだった。

 成績がいいと「いい子」だから、ミミズをきれいに並べた。

 頑張ってできない時は、泣くまで怒られて、泣いても怒られて。

 ただ苦しくなって、ただしんどくなった。

 涙は抱き枕にしか、吐けなかった。


 白い紙の余白を埋め、たまに遊んだら怪我をして、余計に筆を握ることになった。

 そのうちに、人と話せなくなった。


 少し背が伸びた今も、昔とあんまり変わらない。

 誰かが望んだ通りになるよう、自分のふりをして生きている。

 喋れないのに喋らないといけないことばかり教わって。

 したくないのにしないといけない言葉狩りを教わった。


 いったいいつまでこのまま?


 誰かが言った。

「僕は僕じゃない」って。

 ……ああ、そっか。

 それなら「僕らしく」なんて、偽物を演じるだけだ。


 自分で人生棒に振って、今の人生のフリを用意して。

 自分のふりをしている。

 自分で追い詰められて、自分で苦しんで。

 自分の不利を自分に強制している。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] 『自分らしく』とよく突きつけられますよね 社会学で『役割期待』というものがあるそうです 大学生だけが『自分というものを自分らしく』いることができ、それ以前も以降も『組織にあった自分でいなけれ…
2022/11/03 21:43 退会済み
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