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神殺し召喚  作者: ビターグラス
14 最終決戦
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VSデスブルド

「やっぱり、来てたみたいだな。デスブルド」


 デンファレとトールの後ろから誰かの声が聞こえた。このタイミングで、二人の近くまで来るのは一人しかない。デンファレが振り返るとそこにいたのはヴィクターだった。彼はそれぞれの国を守ると言っていたと思ったが、もう魔獣などは来なくなったのだろうか。デスブルドが食った偽邪神が死んだから、手下も消えたのかとトールは思った。


「ヴィクター。守りはもういいの?」


「俺じゃなくてもあれくらいはできる。いろんな奴がそれぞれの国を守ってるよ。まぁ、負けることはないとはないだろ。それより、あれの方がヤバいからな、加勢しに来たってわけだ」


 加勢と言っても、単純に攻撃を手伝う問う意味ではない。あの邪神と戦って勝つのはデンファレでなくてはいけない。信仰を取り戻すためにはそれしかないとヴィクターは思っていたが、彼女のから感じる神の力が信仰の力とは別のものになっているような感覚があった。ただの信仰ではなく、彼女の人となりを信じている。対等な相手を信じている。そう言うような印象を受ける。この旅の間に、友達や仲間と言ったものが沢山できた証拠だ。戦闘能力だけでなく、この旅は彼女にとっていいものになったのだなとヴィクターは彼女を見つめていた。


「な、何、よ?」


「いや、成長したなと思ってな。じゃ、最後の戦いと行こうぜ」


 デンファレは神にも効力を発揮する剣を握る。トールも最後の力を振り絞って、全ての鎧を装着して、全ての装備が彼の後ろに並んで浮く。ヴィクターはそんな二人の戦闘の始まりを見ていた。彼は本当にサポートに回ろうと考えている。




 先に邪神に近づいたのはトール。全身鎧時の身体能力はかなり高くなる。空を飛んでいる邪神にも届くジャンプだ。まずはバトルアックスを相手の体を目掛けて、振り上げる。体にかすり傷程度の傷はついたが、そこにダメージはない。トールは空中で再びジャンプして、斧を当てる。しかし、ダメージは通らない。


「無駄だ。そんな武器が俺に効くわけないだろ」


 相手が空中を飛んで移動している彼を羽虫を叩くかのような腕の動きで地面へと叩き落す。腕や手が大きいせいで、回避出来る範囲以上の攻撃範囲。つまりは回避できないため、防御することしかできない。腕に落とされた彼は地面に叩きつけられる。しかし、鎧がある分、ダメージは少ない。彼はすぐに立ち上がり、剣と盾を持ち、再び空中へと跳びあがる。


 トールが戦いを始めたところで、デンファレは女神の力を使おうとしていた。今、彼女の原動力となっている信仰の力があと、どれくらい残っているのかは彼女にもわからない。女神のカードを使って、邪神を倒して、そのあとも世界が豊かになっていくのを見守れるのかもわからない。だが、彼女はこの戦いの後も消滅しないだろうと考えていた。だから、彼女は躊躇なく、デンファレの絵が描かれたカードを手に取った。


 夜の闇を照らす光の柱が彼女を包み込む。体に力が流れこんでくるのを感じていた。マギアルで使った時よりも強い力だった。それを彼女は自身が少しでも成長できた証なのかもしれないと考えていた。全能感すらある力を持ちながら、光の柱の中を上がり、柱の中から飛び出る。闇を裂くように、相手に向かっていく。


 トールがデンファレが攻撃しやすいように、デスブルドの腕や意識を誘導していた。それでもデンファレの攻撃が相手に届くことはなかった。デンファレの剣でさえ、相手には大した傷を与えられない。トールの攻撃よりは傷ついているかもしれないが、相手が頑丈すぎるのだ。


「どうやっても、無駄だ。お前たちの攻撃は俺まで届かない。もう諦めた方がいいだろうな」


「嫌よ。貴方が、もうやめてって言うまで、しつこく攻撃してあげるっ!」


 デンファレが相手の攻撃をいなしながら、叫ぶ。目の前の化け物を倒せば終わり。それを思えば、諦めることなどできはしない。消滅するとしても、この邪神だけは倒しきる。彼女のその覚悟が大きくなっていく。


 彼女が勢い付いているときには、既にトールの超能力は限界が来ていた。そもそも、これで三連戦。誰が考えても、この戦闘の終わりまで鎧の力を使い続けることなどできないことは明らかだった。トールは歯を食いしばって、体にかかる負担を我慢する。彼女の師匠だという自覚がある彼は、彼女より先にダウンすることを、自分自身が許すことが出来なかった。


「動きが鈍いな」


 相手の大きな拳がトールに直撃した。彼が盾でガードしていたが、それ以上の抵抗が出来なかった。相手の拳をもろに受けたままの勢いで、再び地面に叩きつけられた。土煙が上がる。いつもの彼なら、土煙から飛び出せるはずだったが、彼はそこから出てこなかった。デンファレもすぐに彼が来るものだと思っていたから、彼が来ないことが不思議であり、心配になった。戦闘中で、よそ見して戦える相手ではないため、トールの方を見ることが出来ない。


「あの男なら、地面で居眠り中だ」


 相手の言葉が気になる。本当に居眠りしているわけではないだろう。彼女は為政ならが、彼が戦い続きであることに思い当たる。強い超能力と言っても、無限に使えるはずがない。それに赤いローブの男との戦いで、かなり消耗していたはずだ。彼がここまで戻ってこないことを考えると、きっともう超能力を使えなくなり、体力も使い果たしたということなのだろう。倒れたトールはヴィクターが運んでくれるだろうと勝手に信じて、彼女は自身の戦いに集中しなおした。

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