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神殺し召喚  作者: ビターグラス
12 準備はできていないけれど
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VS偽の王三体

 デンファレは襲い来る偽の王からの攻撃を何とか回避していた。カウンターで剣を打ち込む前に、次の攻撃が来てしまうため、中々反撃はできていない。それでも、彼女の目には戦意があった。彼女の心はまだまだ限界は来ていない。そう言っている。


(でも、気を緩めることはできないわ。何とか隙を見つけたいわね)


 彼女は回避と同時に剣を動かすように意識する。今までは頭の中で、回避の動作が終わってから反撃するというビジョンが頭にあったのだが、それでは遅すぎるのだ。つまりは、回避と同時に少しでも攻撃が加えることが出来ればいい。だが、それがすぐにできるのなら、今頃、この偽の王との戦いに決着はついていただろう。回避と攻撃、同時に意識すると、どちらも中途半端になっていた。回避はしきれていないし、攻撃は掠っているだけ。大した傷ではない。


 そんな状態でも彼女は諦めず、回避に重点を置いて、攻撃を織り交ぜる。トールから見れば、それは子供の踊りのような下手さがあったかもしれない。それでも、彼女の剣が徐々に相手に目に見える傷をつけ始める。足元への攻撃を跳んで避けながら、足元に剣を刺す。地面に軽く固定された剣に相手の足が当たり、剣が抜ける。その勢いを利用して、相手の足を切ろうとしたところで、真横からの膝蹴り、剣を逆手に持ち替えて剣を回転させる。相手の膝と剣の面が当たる。宙にいた彼女はその勢いを受けて、着地のバランスを崩しそうになった。そこに三体目の攻撃が上からくる。彼女はわざと転んで剣を股と手で固定して剣先を上に向けた。いきなり、背が小さくなり、剣先が目の前に来たために相手は攻撃動作を取り消して地面に降りる。彼女は素早く立ち上がり、剣も順手に持ち替えて、剣先を相手に向ける。


 彼女がそんな準備をしている間に、偽の王たちはその場から跳んで移動していた。彼女は何度か攻撃を受け続けて理解したことがある。相手は三体連続で攻撃をしてくるということだ。一体目の攻撃を回避したところに二体目の攻撃が来て、最後に三体目の攻撃。三撃目をデンファレに当てるために、一撃目、二撃目が行動を制限するようにしてきていた。しかし、詰めが甘く、マギアルにいたベルのように躱せないというほどではない。そうでなければ、デンファレが回避に反撃を混ぜるなんてことできるはずもないのだが。


 デンファレの視界には偽の王が一体しかいなかった。意識を周囲に向けながら、目の前にいるそれが単純なパンチで攻撃してくる。彼女は身を屈めて、その場に留まり、一体目を体で押し上げる。二体目の攻撃が来る方向を音で判断して、その方向に持ち上げた体を投げた。二体目はその体を躱すように腕を動かして、拳を彼女に伸ばす。無理に伸ばした腕には素早さはなく、彼女が剣を構えていれば切れただろうが、相手の体を投げた後では体勢が悪かった。その拳に当たらないように体を動かすことはできたが、反撃には至らない。そして、体勢の悪い彼女の三撃目が迫る。


 相手の行動制限の戦術には、攻略法があった。それは行動制限の誘導だ。当たり前の戦術だが、デンファレはそれを考え付くほどの余裕はなかった。デンファレはそれを意識してやっていたわけではないが、相手のこの三撃目、デンファレの正面しかない。それ以外では、他の偽の王にも当たる可能性がある。だからこそ、彼女の後ろしかない。彼女は剣で目の前の腕を切ろうと剣を取る。その瞬間に後ろからの気配に気が付いて、振り返りざまに剣で凪いだ。その剣は相手の足を捕らえて、切り裂く。彼女はそのチャンスと逃すまいと、前に進んで再び剣を振るう。相手の足を斬り、片足を失ってバランスを崩した相手の胸に剣を突き立てる。相手が倒れる前に剣を抜いて、首と頭を狙って剣を突き立てる。偽の王の一体を倒し、残り二体。彼女が三体目に攻撃している間に、二体は彼女に肉薄する。彼女は俺に気が付いていても、体が反応についてこなかった。信仰の力を使えば、体もついてきただろうが、今の彼女の身体能力は人とあまり変わらない。彼女が意識の中で対処しようとしても体はそれについていかない。結果、彼女は背中に拳と叩き込まれて、前に転がる。その衝撃を利用して、反転して素早く体勢を立て直す。剣を強く握り、心が負けないように奮い立たせる。


 偽の王が二体になったところで、それらは一々離れることはなくなった。彼女に手が届く距離で二体がデンファレを休ませることなく、拳と足が飛び出てくる。官女は先読みするかのような速さでその攻撃を捌く。相手の連撃は確かに素早いが、誰かの姿が見えず、攻撃を警戒するよりは意識の分散が無く、相手がしやすかった。彼女は相手の攻撃と同じ軌道で剣先を向けて、相手の体にチクチクと剣を刺していく。できる限り、肩や二の腕を剣で刺す。まるで切り取り線を作るかのような動きだ。相手が抜け殻のような体だったためか、切り取り線が繋がって肩と二の腕の辺りがちぎれてぱっくりと開いた。その状態の腕の動きは鈍り、連携攻撃も意味の速度は遅い。デンファレは相手の攻撃を抑えて、ようやく偽の王二体の首を切り離した。


 さらに偽の王が出てくるかと考えて警戒したが、偽の王はそれ以上でてこないようだった。デンファレは最初に調べようとしていた王座の後ろを見ると、そこには人一人分の大きさの扉があった。そこから、王座のある部屋から進めるようだった。彼女はその扉を潜って先に進んでいく。

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