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神殺し召喚  作者: ビターグラス
10 エルフの国 マギアル
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マギアル入国

 エルフの国、マギアル、その国にはアニマナイズにあるような四角い家はなかった。樹の根の近くの部分をくりぬいて家にしていたり、木の上の方に屋根と壁を用意して、ツリーハウスを作っていたりするようだった。また、そこで暮らす住民の顔立ちは基本的にはスタイルが良かったり、顔が良かったりする。秘境で自然を一体になって暮らす美男美女。日の光や、ぼんやりと光る草花が光源だが、それがむしろその場所を神秘的に感じさせた。


「ここがマギアルだ。世界の危機だが、ここだけは前とほとんど変わらない。外にでなけりゃ、快適に暮らせる国だな。ってことで、歓迎するぜ。お二人さん」


 エルフの国には門はなかった。その代わりなのか、木に袋が大量にくくりつけられていた。トールはその袋に気が付き、それがパシューの作った魔獣避けなのだろうと予想が付いた。デンファレはその袋には気が付かない。


 オブストの後ろに付いて行って、マギアルの中を歩く。デンファレとトールは注目の的で、様々な人が彼女たちに視線を向けていた。その視線の中に、敵意のようなものはない。そのためかデンファレは、視線を送る人に話しかけようとしていたが、トールがそれを止めた。ここで一人一人に話しかけようものならどれだけ時間があっても足りないだろう。それどころか、いずれ迷子になって、オブストと探すことになりかねない。とにかく、この国での活動は、宿を取ってからにしたい、とトールは考えている。


 そんな彼女をコントロールしながら、オブストの家に着いた。彼の家は、他のエルフの家とは違い、アニマナイズのような見た目が四角く、木材で建てられた家だった。彼は二人を中へと入れる。家の中は、見た目通りで壁も床も天井も木でできていた。彼の体に合うようなデンファレとトールには少し大きいであろう椅子やテーブルがあった。彼の家には、部屋が一室だけしかないようで、玄関から入った部屋にベッドなどもあった。


「まぁ、何位もねぇところなんだがな。とりあえず、少し休んだら、王様のところに行くぜ」


 彼はそう言うと、キッチンらしき場所で、二人に紅茶を入れた。デンファレとトールもテーブルに座らされて、三人で紅茶を飲む。デンファレは出された物はすぐに手を出してしまう方なので、その紅茶を疑いもなく飲んでいた。トールはデンファレの様子を見てから、紅茶に口をつけた。


「毒なんかいれやしねぇよ」


 トールが紅茶に口をつけたあと、笑いながらオブストはトールにそう言った。警戒していたのがばれてしまったが、トールは彼の言葉に対して関心がなかった。


 そうして、しばらく彼の家で休憩してから、王様のところに移動した。




「なるほど。それは無謀な目標ですね」


 マギアルの王は男性ではなく、女性だった。王女は光を反射するほど艶やかな黄緑色の髪を持ち、高い鼻に小さな唇。衣服の上からでもわかる豊かな胸。しかし、それが太っているわけではないのが、腰にくびれのあるドレスが証明していた。どのドレスも彼女の髪と同じ色で、そのドレスには草花の刺繍があしらわれていた。自然と共存しているエルフの王らしい服装だろう。そして、誰もが憧れるような美貌の持ち主だった。


「しかし、世界を救うことが出来るのなら、それを支援したいと思います。この国にある魔法の訓練所や魔導書図書館はご自由にお使いください。それ以外の部分ではあまり手助けできることはありません。食料は国民が困らない程度にしか生産しておりませんし、武具などは金属の交易が出来ない状況ですので、大したものはないのです」


 デンファレもトールも食料、武具共に今は必要ない。二人は王女に礼を述べた。そして、オブストが礼儀として言うべきとを王女に告げて、三人は王女の前から去った。




「さて、この国には宿はないが、どうするつもりだ。ずっといるわけじゃないだろうし、俺の家にいても良いぜ」


 オブストと共に歩きながら、彼はそんなことを言った。宿屋が無いことにトールが驚いていたが、旅行者も訪れないのに宿屋をやる者はいない。そう聞けば、トールも納得した。そして、二人はオブストに世話になることにしたのだった。




 翌日、デンファレとトールは王女が話していた魔導書図書館に訪れていた。入る前に受付っぽい場所にいた人に身体検査のようなことをされたが、特に何も言われずに入ることが出来た。


 二人は図書館の中に入った。この図書館の見た目はかなり太い木の幹に扉がついていたものだったが、結局は樹の中である。縦には長いが、奥行きはあまりないようだった。しかし、その広さの中に、とにかく本が詰まった棚が並べられている。デンファレ二人分ほどの高さの天井ギリギリまで棚が設置されている。高いところに届くように、移動式の梯子も設置されていた。上階へと続く階段は部屋の螺旋階段で、それが部屋の中央にあった。そして、その螺旋階段から、誰かが下りてくる足音が聞こえてきた。

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