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新・暁星堂騒動記 相続したのは魔法物件でした  作者: 星乃まひる
とある錬金術工房の営業日記
14/41

ユニコーン 4


ワームは魔性植物には関心がないが実や花を食べた個体を襲う。魔力を吸収するためみたいだ。

ワーム対策は退治経験のあるジョルジュと騎士予備だった時代にワーム退治報告書を見たらしいジョルジュの2人におまかせだ。


ワームを退治するのはレミンティアに魔獣が集まる夜を狙うことにして交代で準備と休憩を取る。


ユニコーンもワームが活動するのは夜だと言っていた。やっぱり太陽は苦手みたいだ。



移動貯蔵庫を持ってきていたジョルジュの指揮で準備する。


「こんなん使う事態は想定してなかったけど備えあれば、ってのはほんとだな。」


移動貯蔵庫は簡易な転移陣と魔法かばんを組み合わせたみたいなものだ。ジョルジュは自分の倉庫と繋いだらしく素材や魔紙を出してきてくれた。


私はジョルジュが指定したとおりに自分の錬金術紋からレシピをピックアップしては杖を操って魔力をインク代わりに魔紙に出しながら書き上げた。

それを渡すとジョルジュは頷き、たまにどこかを書き換えては何かを錬成したり結合したりしていく。

魔法陣作成に魔力を消費したから魔力回復薬を飲んで休憩していると、ジョルジュも少し血の気が失せた顔になっていたので予備の一つを差し出した。


「だけどジョルジュもえげつないよね。中から高温で焼くとか、ネズミ花火みたいに炸裂するとかよく考えるよ、怖いね。」

私が言うとジョルジュはちょっと肩を竦めた。

「俺としてはエリックがなるべく安全にワーム退治できるように考えただけだよ。それにあればいいな、くらいの案をスラスラ実行できちゃうお前のレシピストックと応用力のが怖いよ。」


魔力ポーションをくいっと飲んだジョルジュがそう言う。ストックから一生懸命探してるのにひどくないだろうか?


「でも。やっぱり発想が凄いよなぁ。そこは羨ましいな、っつかあぁ!俺に腹立つわ!専門は俺のはずなのになんだか敵わないってなぁ。

最高に凄いワーム対抗武器にしてやるよ!ごっそーさん。」


そう一気に言うと作業を進めるのにまた移動貯蔵庫に姿を消した。


これは誉められた、と取っていいのかな?


準備が済む頃に日が暮れて、私はジョルジュに渡された探索の魔眼で周囲を見渡す。まだ大きな魔力の動きはない。

「ねぇ!なんで私は木の上待機なわけ?」

「お前戦えないだろうが。」

ジョルジュが加工した斧にアーマーを身につけたエリックは木の根元にいて周囲に気を配っているから返事は素っ気ない。



『シャンタル、気配はある?』

『今のところはないな。レミンティアの魔力が地中に感じないからではないか?』


地の精霊シャンタルは地中に潜ってワームの気配を探ってもらっている。滅多に使わないけど契約精霊ならではの便利技だ。


シャンタルと直接感覚を繋ぎ合う共鳴協調はなかなかに集中力を使うけどすごく便利だ。


魔法使いになるとこれを利用した遠隔魔法なんかもできるらしいけど精霊は魔法使いは好まないことが多いからあまり聞かない。


シャンタルたちに言わせると

『我らは従属などせぬしあくまで対等。魔法使いはそこを間違えやすい。』

だそうだ。まぁ魔法使いもクセがある人が多い人種だし、精霊は気ままだから仕方ないことだろう。


ちなみにごちゃごちゃ人がいると魔獣が警戒するからジョルジュとユニコーンは移動型倉庫内待機だ。

私が膝に抱えてるんだけど軽量化がありがたい。鞄本体の重さぐらいしか感覚がない。


角がないと不便だと戦闘に参加する気満々のユニコーンの要求から予備短剣を錬成した仮角を武器として装着しているはずだ。


「お!これ軽いな!角と変わんないぞ!」

「軽量化魔法陣を付けてるから、ここんとこな、傷ついたら一気に重くなるぞ。」

「わかった!!気を付ける!!」


楽しそうに話をしててなんだかものすごく懐いてるように感じるんだけど。


月が高く登るにつれてレミンティアの蕾が急激に丸みと艶を増す。それに連れて木の周りに小さな魔獣がじわじわ増えてきた。

「地中にも魔力が流れてきたな。」

じわじわとレミンティアに近づいてくる。

「じゃ、俺はこいつらの掃討かな。」

「狩りすぎは駄目だからね。花を食べないとワームは食いつかない。」

「じゃ、やばげなやつだけだな。」

そう言うとエリックは結構重い戦斧を軽々と振り回しながら猿の魔物を倒し始めた。


マントに施した魔力遮断のおかげか私の周りに栗鼠型の魔物は来るけれど私には見向きもせずに花を毟って口にする。


「あぁ。貴重な素材がぁ。いいなぁ。」

「レミンティアに魔力通して同期したら襲われるぞ!やめとけよ。」

いつの間にか移動型倉庫から出てきたジョルジュが隣に腰かけて軽く私の肩を叩く。


「ジョルジュ、てめえ、サボるな!!」

「俺はワームの時の秘密兵器。それに助っ人はいるし。」

そう言いながらジョルジュも木の周囲に視線を走らせる。


「俺様にかなうわけがないだろうが!おらおらおらぁ!!」

「こら!!ユニコーン!やたらと突っかかるな!デカめからやれ!!」

「うっせえ!俺はやりたいようにやる!」

「殴るぞ!てめぇ!!お前から退治してやっぞ!」


若干仲間割れしかかってるようだけど大丈夫かしら?





ワーム討伐は次回です。


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