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XIV

 生成可能部位:人類種タイプM(脳)        

        人類種タイプM(眼)

        人類種タイプM(鼻)

        人類種タイプM(唇)

        人類種タイプM(舌)

        人類種タイプM(歯)

        人類種タイプM(頭)

        ・

        ・

        ・


 ふむ、進化したって話は本当らしい。いままで必要だった大量の消費血液が消えている、調べたら以前複製しなかった部位も複製可能になっている。つまりこれは、1度血を吸えばなんでも複製出来る様になった、という事か。ありがたい話だね。

 でも、人は複製できるのに鳥が複製出来ない理由はなんだろう? 吸うだけじゃダメなのか? それとも単純に複製出来る動物と出来ない動物がいるのか? まだまだ情報が足りないな、もっと色々吸ってみよう。

 それじゃあ考察はこれくらいにして、そろそろ目の前の問題を解決しようか。


 男の仲間が立ち去った後、僕は気絶した女の子と斬られた足を回収した。もちろんここに入ったという痕跡は残さない様にしてあるぞ。女の子を運ぶ時は持ち上げて運んだし、血が溢れない様に触手で傷口は全部塞いでおいたいしね。


『見た目は相当卑猥でしたけどね』


 それは言わないでくれ、もう少し何とか出来たかもと反省してるんだよこっちも。──ってコネクター!? 復活したの!?


『別に死んでいませんが』


 いや、そういう意味じゃないんだけど──まあいいか。じゃあ、どうして返事がなかったの?


『ナビゲーターの会合がありまして』


 なにそれ? コネクターが他にも居るみたいに聞こえるんだけど?


『いますよ、私達は転生者に1人につき1体ずつ存在します』


 マジで!?


『マジですよ。色々情報も得ましたが、まずはこの少女の対処です。いかがするつもりです? もしや繁殖用ですか?』


 そのちょいちょいエロネタ含むの止めてくれない? 物凄く不快なんだけど?


『お気に召しませんでしたか? ナビゲータージョーク、略してナビジョーク。会合では共感する個体が多かったのですが』


 それ、受けてないよね? と言うか共感ってどういう事?


『なんでも、転生者の方々の約3割が奴隷を購入して毎晩遊んでいるらしいです』


 ……少なくとも僕はその3割じゃないからそっち系の話は無しで。


『かしこまりました。それでどうするのですか、この少女』


 うん、とりあえず助けようと思っている。ほら、僕達ってこの世界の魔物とかの情報はコネクターが把握してるけど人類関連の物はほぼないでしょ? 僕がこれからどうするかを決めるためにも、天敵と言える人類の情報は出来る限り集めておきたい。その為には人に話を聞くのが一番だと思うんだ。それでどうせなら脅して無理矢理聞き出すより信頼関係を結んで話を聞いた方が色々便宜をはかってもらえるかなぁって。


『そう上手くいきますかね?』


 上手くいくかどうかこれからの頑張り次第だよ。まあ、なんとかなるでしょ、無理なら別の方法を考えるし。それでねコネクター、今の僕の力でこの子を助けるにはどうしたら良いと思う?


『そこはナビゲーター任せですか』


 だって頼りになりそうなブランとノワールはまだ眠ってるし、新しくなった僕の力もまだ把握出来てないからね。それで、どうにかなりそう?


『分かりました、少々お待ちください。……検索完了しました。結論としては可能です』


 本当!? で、どうするの?


『スキル【部位複合】が進化し【吸収生成】になったお陰で、取り込んだ部位を無制限に生成出来るようになっています。このスキルを使い斬られた少女の足を吸収、触手を少女の切断面に癒着、そして切断面に合わせて吸収した足を生成。最後に生成した足を自切する事で治療は完了です。刻まれた傷跡も取り込んだ少女の足から生成した肌を同様の方法で塞ぐ事が可能です』


 おお! 僕の能力もチートじみてきたじゃないか。──あれ? でもどうしてそれでくっつくんだ? そのままボトッて落ちない、足?


『生成時に足を構成している血管や神経等といった細かい部位も生成されるのですが、これを接着した状態で行うと同様の部位に繋がるように生成される様です。ただし、この繋がりは非常に弱いのでしばらくは安静にしておく必要があります』


 え~と、つまり? どゆこと?


『あなたの触手が軽い接着剤になる、程度に認識していれば問題ありません』


 オッケー。それじゃ早速──


『その前に少女の体の拘束を。この方法は神経等を無理矢理繋げるので非常に痛みを伴う可能性があります。暴れられたら繋げた足が外れる可能性が高いです』


 おおう!? それは不味いね。それじゃあグルグルグルっと。僕は少女を触手で簀巻き状態にした、とりあえずこんなもんでいいかな? それじゃやってみようか。

 少女の足を触手の中に取り込み消化。よし、生成リストに出てきた。よく見たらここのリストも複製可能リストから生成可能リストに変わってる、次からはもう少し注意深く見ないといけないな。さて、触手を少女の右足にくっ付けて、あっ、そういや焦げてるんだっけ。ならちょっとだけ溶かしてっと、よし血が出てきた。ここで生成──


「ああああああああああああああああ!!」


 うっさ!? えっ? 目を覚ます程痛いの!? これ本当に大丈夫?


『それより早く自切してください。魔物の体液は人体には毒、少量ならともかく大量に流入しますと危険ですよ』


 ちょっ!? そういう事は先に言ってよ! ええと生成は終わってるからこれを──どうやって切るんだろう? いままでは千切れたり噛まれたりで切れた経験はあるけど、自分で切った事なんて無いぞ。ええい、切れろ!! あっ切れた。なんだ強く念じるだけでいいのか、簡単じゃん。とりあえずこれでなんとか……


「あああああああ!! あぁ──」


 ちょっとぉ!? 突然悲鳴が止んで力が抜けたっぽいんだけどこれ大丈夫!? これ毒が回ったんじゃないのの!?


『問題ありません。一時的にあなたと少女が繋がったおかげか、こちらで少女の意識を操作出来る様になったので一時的に意識を切り離しただけです。数時間で元の状態に戻ります。毒の方も少量ですのでしばらくすれば自然に抜けるでしょう。心配でしたら後で目を覚ました天使のどちらかに頼んで魔法をかけさせれば良いと思います』


 そ、そうか、ならいいんだけど。しかし人も操作出来るんだなコネクターは。もしかしてコネクターの存在が一番ぶっ飛んでたりしない?


『そんな事より報告があります』


 そんな事? いやこれ結構重要な事だと思うんだけ──


『あなたのステータスの閲覧が可能になりました。こちらが新しいあなたのステータスです』


 僕の話を無視してステータスを頭の中に表示するコネクター。なんだ? チートと呼ばれるが嫌なのか? そうならそうと言えばいいのに。まあ、話したくないならもういいや。さて、ステータスはどうなった──んん?


 名前【 】

 種族:ダンジョンローパー

 Lv.12∕200

 技能:熱感知

    触手再生

    怪音波

    異常液

    吸収生成

    スライム

    眷族生成

    金属生成


 耐性:異常耐性

    寒熱耐性

    火耐性

    音波耐性

    スライム耐性

    斬撃耐性


 ダンジョンローパー? なにそれ? なんかスキルも増えてるし。吸収生成は今試したから良いとしてこの【眷族生成】と【金属生成】って何?


『分かりません』


 は? えっ!? コネクターが分からない? そんな事あるの?


『【眷族契約】と【眷族召喚】は閲覧リストにありますが、【眷族生成】はありません。【金属生成】も同様です。そもそもこの世界において眷族は増やすものであって作る物ではありません。金属も同様です。もし金属を自力で生み出せるなら、人類は同様のスキルを持つモンスターを捕獲し更なる発展を、そして戦争も頻発している筈。当然この星は更なるダメージを受け、ラグナログが起こっている筈です』


 へ~、じゃあ未発見のスキルなんだね、凄いなダンジョンローパー。


『しかしこのスキルの厄介なところは私の力が及ばない事。このままではこの2つのスキルに関して私はサポートが出来ません』


 なんと!? それじゃこの2つのスキルだけは、自分の力だけでなんとかしないといけないのか。……良いじゃないか! だってこの体だっていざとなったらコネクターが操作可能なわけだし、本当の意味で僕だけの力って事だろ? いいね、実にいい!


『良かったですね』


 どうしたコネクター? こころなしか声の感じが、


『お気になさらず。それでこれからどうしますか? 少女の左足でも探しますか?』


 えっ、どうして? 【吸収生成】で作ればいいんじゃない?


『【吸収生成】で生成出来るのは取り込んだ部位のみの様です。そして、あなたが持っているのは少女の右足のみ、これではが左足を作れません。少女の左足を生成するには左足そのものを手に入れる必要があります。それとも、先程取り込んだ男の左足で代用しますか?』


 うん、その選択肢は無いね。左足だけ別人なんて嫌だろうしね。それじゃあ仕方ない、探しに行ってみようか。問題は……ここで眠っている3人が目覚めた時にどう反応するか、だな。どう思うコネクター?


『恐らく問題ないでしょう。天使達が指示無しで動く可能性は低いですし、こちらの少女は少なくとも明日まで目を覚ます事はない筈です』


 そうか。それじゃ早速探しに行くとしますか。

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