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剣と盾


 一つたとえ話をします。


 あなたは勇者です。ある日お城に呼ばれたあなたは国王から「この世界を滅ぼさんとする魔王を倒してくれ」と命ぜられます。あなたはそれを快く引き受けました。

 これからあなたはまだ見ぬ世界を冒険していくことになります。あなたの前には数多くの困難が待ちかまえています。強大な敵があなたの前に立ちはだかります。その中であなたは数多くの人と出会い、心を通わせ、時には仲間を得て冒険していくのです。

 冒険への出発の前に国王はあなたの前に二つのアイテムを示して「どちらか一つを授けよう。きっと力になってくれる」と言います。

 一つは剣。どんな強大な敵をも切り伏せ、あなたの前に立ちはだかる困難と戦う為の力となります。

 一つは盾。どんな攻撃をも跳ね除け、あなたの前に立ちはだかる困難から自身を守る力となります。

 あなたはどちらかを選び、長く険しい冒険の旅に出発するのです。


 さて、あなたなら剣と盾のどちらを選びますか。これが本当にファンタジーの世界なら、きっと剣を選ぶ人が多いんだと思います。僕だってそうすると思います。剣で敵を倒して、経験値稼いで、自分を鍛えていく。普通ですよね。というより、そもそも盾だけ持っていてもらちが明きませんもんね。どれだけ高性能な盾だとしても守っているだけじゃ状況は打開しません。敵が飽きて帰ってくれない限りは。

 ファンタジーの世界ならきっとどちらか一つだなんてことはありませんよね。剣と盾を携えているのが王道の勇者だと思います。

 でも、現実世界ならどうでしょうか。剣と盾、両方を備えた人はいるでしょうか。

 困難なこと、辛い事から盾を構えて耐え、その手に持った剣で戦い状況を打開する。乗り越えていく。そんな王道の勇者はいるでしょうか。

 皆さんは両方を持っていますか。それともどちらか片方ですか。

 少なくとも僕たちはどちらかを持っています。なにも持っていない人はいないとおもいます。もしなにも持っていない人がいるとしたら、その人はとっくに死んでいることでしょう。丸腰で生きていける程、この世界は優しくないのです。

 

 前置きが長くなってしまいました。僕が皆さんにわかっておいてほしいことは「剣と盾両方を備えているか、どちらか片方のみを備えているか、ということが生き方を現している」ということです。

 この時点では僕の言っていることは分かりずらいと思います。でもこれから僕の幼少の頃の記憶を辿れば、なんとなくわかってもらえるかと思います。


 それで、僕は剣と盾、どちらを選んだかと言いますと(正確には選ぶ余地なんてなかったのですが)盾でした。それもとてつもなく優秀な盾です。何事からも僕を守ってくれる、どんなことも跳ね除けてくれる、そんな盾です。

 

 それだけだったら最高だったんですけどね、残念ながら僕には扱いきれなかったんですよ。その盾は。


 

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