プロローグ
どこかの魔法使いが「切れた手足を再結合する魔法」を編み出した。
危険を糧に生きる者たちに歓迎され、世界中に広まった。
その魔法は練り上げられ、他人の手足を結合することすら可能になった。
溶かされ、焼かれ、食われて失われた手足を戻すことができるようになった。
危険を糧に生きる者たちに歓迎され、世界中に広まった。
どこかの魔法使いが、さらに練り上げ「人間以外の生物の肉体を人間に結合する魔法」を編み出した。
オークやオーガ……亜人の強力な手足、牙や爪と交換し得られる力は危険を糧に生きる者たちに歓迎され、世界中に広まった。
どこかの魔法使いが「魂を書き換えて存在しなかった器官を使えるようになる魔法」を編み出した。
腕、指、目……。肉体を「増設」することで得られる力は危険を糧に生きる者たちに歓迎され、世界中に広まった。
どこかのだれかが思った。
「翼が欲しい」
「人間以外の生物の肉体を人間に結合する魔法」と「魂を書き換えて存在しなかった器官を使えるようになる魔法」と組み合わせれば可能だった。
魔物の尻尾、翼、鰓……それだけでなく、火炎放射、電撃などの器官も結合された。
強力な魔物を求めて冒険者たちはダンジョンの奥へ、未踏の地へと進んでいった。
どこかのだれかが思った。
「我々は人間を超えた」
魔物の肉体で強化された人々「フェアシュ」と自然のままの人々「ネイチャー」との対立が芽生えた。
きっかけは未だにわからない。ほんの些細なことだったのだろう。
互いの存在を否定する「ネイチャー」と「フェアシュ」の終わりなき戦いが始まった。




