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第八話「ヘルハウンド討伐戦」

「ここですか」


「ああ、大分動ける範囲が拡がってるからね」


 ミミックさんはそう笑顔でいう。 ぼくたちは町の外にまできていた。


「ああ、ほらあそこ」


 町からすこしはなれたそこには砦のようなものがあった。 その砦には兵士らしきものたちがいる。


(ぼくは念話でしか話せないから、ミミックさんに任せるしかないな)


「なんだ。 まさかここにはいるつもりか...... 二人だと危険だぞ」


 そう兵士はいぶかしげにいった。


「ああ、大丈夫。 すこしみるだけさ」


 そういってミミックさんは砦の兵士に答えた。



「ここって...... まさかダンジョン?」


 ぼくたちは砦をこえ、洞窟のような建物が目の前にきた。 そこにはモンスターとみられる生物の骨と、折れた剣や槍が乱雑に落ちている。


「そうだ。 ここは魔王のダンジョンだよ」


「えっ!? なんで」


「この間のものたちとの戦いはかなり危なかった。 ダンジョンさんは実戦経験がないからね。 だからここで訓練するんだ。 また奴らがきたときのためにね」


「......確かに、こんなに強い体をもっても、いざ戦いになったら簡単に攻略されましたね」


「ああ、君は強いが戦闘技能はない。 ダンジョンさんは本体がダンジョンにあるから、倒れても大丈夫だろう」


「そうですね。 でもミミックさんは後ろにいてください。 ぼくとは違い、他のダンジョンでリスポーンするかわかりませんから」


「確かに...... わかったそうさせてもらおう」


 ぼくたちは洞窟へと入った。


 でてきたモンスターは、ぼくたちのダンジョンよりすこし強いぐらいだが難なく倒せた。 ぼくたちは10階層ほど潜った。


「ここのモンスターは素体は強いけど、行動は単調ですね。 これなら戦える」


「ああ、君のようなゴーレムの体ならば容易いようだな。 魔法を使うまでもないよ。 訓練にはもってこいだ」


 それから毎日そこで訓練した。


「かなり体が動かせるようになったね」


「ええ、でもあのベテランに通用するかな」


「たしかに何年も戦っているものとは戦闘技術では勝てない。 私との連携を考えた方がいいかもな」


「それなんですが、この体、もっと強化できないかなって思ってるんです」


「うん? 強化...... 圧縮して密度をあげてるのだろう。 それ以上に強くすると重くなりすぎないか。 浮遊魔法だと軽くはできるが、浮いて自分だと動けないだろうし......」


「ええ、重くなると動きも遅くなりますから。 ただ、アイテムなんかは様々な素材で生成できるんです」


「確かアイテムは吸収したものが複製されるのだったか......」


「そうです。 そのなかには魔力がこもったものもあったので、多分いろいろな素材を生成はできるはず......」


「素材を変化させて体にする...... か。 ランダムとはいえ確かに可能かもしれないな」


「帰ったらすぐ、試してみます」


「おっと、なにかがいるよ」


 確かに魔力を探知すると奥に大きい魔力をもつものがいる。 進むと人より巨大な黒い犬が寝ている。


「でかっ! あの犬」


「【ヘルハウンド】だね。 ここの【マスター】のようだ」


「マスターってダンジョンのボスようなものですよね」


「ああ、こいつを倒せばこのまおうのダンジョンにはモンスターが現れなくなる」


「わかりました。 でも一人では無理そうなので援護お願いします」


「わかった」


 ぼくは奥へとすすむと、鼻をひくつかせていたヘルハウンドはゆっくりと立ち上がった。


「グルルルルゥ......」


 こちらを威嚇するように牙をむきだすと、地面を蹴り駆け出した。


「速い!!」


「ガァァアアアア!!」


 ガキッ!!


 腕で噛みついてきたその巨大な牙を受ける。


(鎧を貫通するのか! ただ石の体を貫くほどじゃない)


 そのまま殴り付けようとするも、後ろに飛ばれ距離を取られた。


(やはり、体が重さで遅い! なんとかとらえないと)


 攻撃はなんとか受けられるが、殴ろうとしても当たらない。


「離れて!!」


 ぼくが離れるとミミックさんが氷柱を放った。 


「グウウウ!」


 ヘルハウンドが怯む。


「いまだ!」


 ぼくはヘルハウンドに抱きついた。


「ガウウッ!!!!」


「ミミックさん! ぼくごとお願いします!!」


「わかった!!【エクスプロージョン】!」


 爆発がぼくごとヘルハウンドを包む。 爆発の衝撃で吹きとび地面に落ちた。


「ぐっ!!」


「ギャウウウ......」


 ヘルハウンドが倒れて動かなくなった。 


(どうやら倒したようだ......)


「大丈夫かい!」


 ミミックさんが走りよってきた。


「ええ...... なんとか。 腕ももげていて痛いですけど」


「ああ」


 ほっとしたようにミミックさんが笑顔になる。


 奥に緻密な細工が施された瓶がある。 なかには黄色の液体がはいっている。


「どうやら魔法薬、【ポーション】、いやまさか【ホーリーポーション】...... 強い魔力を感じるな......」


 ミミックさんがそういって瓶をみている。


(これでこのダンジョンからモンスターは生まれない)


 ぼくたちはダンジョンよりかえった。



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