表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/52

第五十一話「黒のダンジョン、師弟の決裂」

「ここが黒のダンジョン」


 近くにはモンスターの死体が山のようにある。 全て血を抜かれたようにミイラ化していた。


「これは......」


「おそらく魔力を奪われたのだろうね」


 その異様さにミミックさんも緊張しているようだ。 そのままダンジョンへとはいる。 黒い壁は魔力を吸収していた。


(禍々しい魔力だ...... だが他のところとはちがう)


「ミミックさん大丈夫ですか」


「ああ、確かに魔力の吸収はすさまじいようだね。 ただ魔力でフィールドをはっているからしばらくは平気だろう」


(ミミックさんは生前並みに魔力が回復したといっていた。 ぼくも各地のダンジョンをつくって、吸収してきたことで、魔力がかなり増えている)


 なにもいない黒い壁のダンジョンを闇に落ちるようにすすむ。



「ここは......」


 入り口からすぐのところに大きな部屋があり、中央には若い男がいて、こちらをみている。


「まさか、我らの邪魔をしているのがリステンドとはな」


「あなたはラファライアさま......」


 ミミックさんが一瞬、たじろぐようにいった。


「いや、やはりというべきか...... あのときも君は我らの忠告もきかず、神園の最下層を目指した」


「......そうですね。 私も若かった。 ですがその判断は間違っていなかった。 あなたたちの言うことを聞いていたら、あの時殺されずとも、この世界を終わらせていたのでしょうから」


「そうだな。 かもしれん...... しかし運命には誰も抗えん。 この世界は終わる」


「滅ぶならあなた方はなぜ管理者に手を貸すのです」


「我らはかつて管理者と対峙しそしてその力をみた......  そして次の世界に託すために協力を申し出たのだ」


 ラファライアは右腕で剣を抜いた。 その剣は黒い炎を纏う。 

 

「フリージングミスト!!」


 ミミックさんが周囲を凍結する冷気を放つ。 しかし黒い炎に冷気は焼き払われた。


「くっ......」


「まさかそんな魔法まで使えるようになっていたとは...... 我が弟子ながら恐ろしいな」


 ラファライアは剣を持たない左腕から黒い炎を放つ。


「させない!」


 ぼくはミミックさんの前にでて左腕を出した。


「それは暗黒の炎...... 消えない炎だ。 小手で防げるものではない」


「どうかな!」


 小手から刃がでると、黒い炎を跳ね返した。 


「なっ...... 跳ね返すだと......」


 黒い炎はラファライアに当たり燃え盛る。


(これはグルコフにつけてもらった鏡剣! 魔法を跳ね返す)


 黒い炎はその場で炎にのまれていった。


「倒したか......」


「いや、そんな簡単に倒せる人ではないよ」


「そのとおり......」


 後ろから声がすると、そこにはラファライアがいた。


「......かつて束縛をするものが何者であっても、それが理不尽に従うなといっていたあなたが、管理者とやらがこの世界を終わらせることに、抵抗せず従うのですか」


 ミミックさんが語気を強めた。


「......そうだな。 確かにそういった。 しかし世の中には無理なこともある。 人は空を飛べぬし、魚は陸を走れぬ。 道理とはそういうものだ」


 黒い炎を片手で何発も放ち、ラファライアは黒い炎剣をふるう。 


 ミミックさんとぼくが何度ラファライアを倒しても、再びその姿を現した。


「くっ...... これはグレンザと同じような実態のある分身か......」


「わからないね。 人形ではなさそうだ...... 魔力で調べられないかい」


 魔力を感知するが周囲から魔力が流れているため、うまくつかめない。


「無理ですね。 このままだとこのダンジョンに魔力を全て奪われてしまう」


「ああ、仕方ない...... ここは私が生み出した魔法を最後に放つ。 あとは頼めるかい」


「ミミックさん、最後って!」


「......止めないでくれないか。 これは師である彼との決着でもある...... 私はかつての師の教えのほうが正しいと信じる。 今の彼はその道を違えた......」


 ミミックさんは静かにそういった。


「わかりました...... あとは任せてください」


「ありがとう」


 ぼくが前にでてラファライアと戦っていると、ミミックさんが詠唱を始めると、ダンジョン内が震える。


「なんだ...... その魔法は私でも知らないものか」


「ああ、私が作ったものです。 あなたが曲げた信念を、私が紡ぐ」


「ヴォルテックスフラッド」


 ぼくがミミックさんの後ろに飛ぶと、ミミックさんの出した両手から輝く球体が放たれた。 それは魔力を飲み込みながら、渦を巻き前方へと大きくなっていく。


「これは......」


「それは私の魔力全てを込めた魔力球...... 魔力を飲み込みながら、収縮して一点にな......る」


 そういってミミックさんはゆっくりと倒れた。


(ミミックさん......)


 放たれ大きくなった球体は一瞬で小さくなり、その瞬間すさまじい閃光が起こった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ