第五話「ダンジョンから、はじめての外出」
「ふぅ、今日もかなりきましたね!」
「ああ、百人はいたんじゃないかな」
探索に来たものたちを帰ったあと、二人で興奮気味にはなした。
「かなりの出費でしたが、それ以上の魔力をえたようですね」
「ああ、私もかなりの魔力をえたよ」
ミミックさんは嬉しそうだ。
「確かにミミックさんは噛みついて、後ろからポイズンスライムに毒を放たせてましたね」
「うむ、あれは効果が高い二十人は倒した」
「では、明日のためにアイテムの制作と補充をしましょうか」
「ああ、私も更なる戦術を考えよう」
二人で迎える体制を整える。
それから一ヶ月、探検にくるものは増えた。 ぼくたちはその対応で毎日のように忙しくしていた。
「ふぅ、やっと今日の分は終わりましたね」
「ああ、今日は二百人はいたんじゃないか。 最高記録だな」
「ええ、でもすこし休みを取りませんか」
「休み......」
ミミックさんは思案している。
「ミミックさんは毎日でずっぱりでしょう。 この間別のミミックを作れましたし、すこしぐらい休んでみては」
「......ふむ。 確かに休むという発想はなかったな。 じゃあ町までいってみるか」
「えっ? 町...... 宝箱に擬態してですか。 さすがにばれますよ」
「いやいや、そうではないよ。 私は昔、魔法使いでね。 姿を変える魔法を使えるのさ。 今までは魔力が足りなくて使えなかったのだが、最近魔力を得てつかえそうなんだ」
「姿を人に変えられるんですか?」
「ああ、【メタモルフォーゼ】だ」
ミミックさんはそういうと、呪文を唱えた。 その姿が変わる。
「ええっ!? 女の人!」
ミミックさんは赤い髪の綺麗な女性の姿に変化した。
「ああ、いってなかったかい? まあ今はモンスターだからね。 そんなことより町でほしいものはないかい。 私は本を手に入れようかと思っているんだ」
「本を...... じゃあぼくも、この世界のことを書いてあるものがあれば」
「ふむ、この世界か。 それなら私に聞いてくれればよかったのに、まあ私が死んでからどのぐらいたってるかわからないから、本の方がいいか」
そういいながら、ミミックさんはダンジョンをでていった。
「いいなミミックさん...... まあ、ぼくは人間を捨てた身だから、しかたないけど、動くのは壁ぐらいだしな......」
ぼくは壁を動かす。 色々な形に変えているのをみて考える。
「これ...... 形変えられるよな。 もしかして」
「ただいま。 驚いたもう数百年もたってたなんて」
そう本を山ほど持ち帰ってミミックさんは驚いている。
「そんなに、それで大分変わってました」
「そうだね。 国などが変わっているようだ。 文明はそれほどでもなかった。 どうやら、戦争やモンスターの襲来などで、文明は進んでいないようだった。 まあ戦闘用の魔法の開発は進んでいるみたいだけど......」
そう本を触る。
「じゃあこれ、積んどくから読みたいのがあったら...... ってどうやって読むんだい? 私は姿を変えられるけど」
「それなら多分大丈夫です。 魔力で表紙の文字を認識できてますし、それに......」
地面から、石の手が生えて本を使えたんだ。
「そんな風に動かせたのか!」
「ええ、壁だけじゃなくて、体のように使えることがわかったんです」
そして地面から人型の石の像をつくった。
「ふむ、【ゴーレム】といったところか...... まさかそんな力まであるなんて興味深いな。 それは自分の体のようにつかえるのだね」
「ええ、目も見えます。 魔力でですけど」
「ならば外にいけるのではないかな」
「外に...... でもこの石の体では」
「この間、全身鎧の鎧を手に入れ作っただろう。 あれを身にまとえば、わからないはずさ」
「あっ! すぐきてみます」
ぼくはゴーレムに鎧を着せてみた。
「おお! 動ける!」
「ふむ。 それならば人間にもみえるな」
「魔力が届けば外にでられるかも!」
「明日にでも、外にでてみないか」
「はい!」
次の日ダンジョンから外におそるおそるでてみる。
「ふぁ! 出られた」
「魔力の届く範囲ならばでられるのだね」
「みたいです...... どこまでかはわからないですが」
「それを調べてもおこう」
「ですね。 取りあえず、町までいきましょう」
周囲に目をやると、ここは森の奥のようで、生えている木々や草花は前の世界とそれほどは違わない。
(これが異世界なのか、まあ人がそれほど違わないんだから、あるものも違いはないだろうな)
そう思いながらも、久しぶりに見る自然にみいっていた。




