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第三十七話「魔核石の謎と、神のダンジョンの記憶」

 異様な魔力を感じる方向に慎重に歩く。 木々の奥に巨大な木のモンスターと若い女性がいた。


「人...... ミミックさん」


「ああ、間違いない七賢者の一人、【バリグラ】だ。 しかしあの頃よりはるかに若いな。 すこし話を聞こう」


「このままマスターモンスターを増やして、この国をモンスターで埋め尽くしなさい」


「御意......」


「しかし、ロードモンスターがいくつかやられた。 リルガミンとも連絡もつかないわね...... やつが遅れをとるとは思えないけど......」


「バリグラさま...... なにかが私のテリトリーにはいっております......」


「なに...... アクアバースト!!」


 バリグラから水が放たれる。 それは刃物のように周囲の木々を横に切り裂きせまる。


「いけ!!」


 シルバーウイングが迫る水刃を防いだ。


「貴様ら...... 何者だ。 お前はリステンド!!」


「久しいですね。 バリグラ」


「やはり、リステンドか。 私をみて驚かないということは、リルガミンを倒したのね」


「あなた方はなにをしようとしている」


「知ってどうする? もはや変えられはしまい。 フォレストトレント!」


 周囲の木の根がうごめき、地面から鋭く尖った根の先がぼくたちに槍のようにつかれる。


「みんなこっちに」


 目の前にたったゲルウルフで、その体を液体のように変えて周囲に膜をはった。


 木の根は液体の膜に遮られて、その場にとどまる。


「なるほど、スライムの素体だね」


「ええ、それに液化の狼、【リキッドウルフ】を混合したものです」


「なんだ、あのモンスターは...... 闇魔法か、アクアレイバースト!!」


 バリグラがすごい水圧の水魔法を放った。 ゲルウルフの体が押されている。


「くっ! なんて威力の魔法! このままだと破られます! ぼくがでますので援護を!」


「いや、私がやろう。 一度水圧をはじいてくれるかい」


 ミミックさんが前にでる。


「わかりました」


 シルバーウイングを使い、放たれている水を横切り水を拡散させる。


「なめるなフォレストトレント!!」


 フォレストトレントの木の根も無数にこちらに迫る。


「いいや、なめてるのはあなたのほうだ。 【フリージングミスト】」


 ミミックさんから冷気がほとばしり、白い霧とともに向かってきていた木の根と水がものすごい勢いで凍りついていく。


「バカな! それは最上位氷魔法...... 人間にそんなものが......」


 フォレストトレントとバリグラはそのまま凍りついた。


「ひぁっ、ちめたい!」


 ユグナはぼくの鞄の中で震えている。 目の前が氷原のように凍りついていて、冷気が立ち上っている。


「すごいですね。 こんな魔法使えたんですね」


「......ああ、前から使えてはいたんだが、魔力消費がとてつもないんでね...... すまないが、すこし眠るよ......」


 そういうとミミックさんの姿が宝箱に戻り寝息をたてている。


「宝箱になって寝ちゃったね」


「ああ、それほどの魔力消費なんだろう。 連れて帰ろう」


 ぼくたちは帰路に着いた。



「やはり七賢者が関わっているようですね......」


 ぼくたちは宿に戻り、目覚めたミミックさんと話をする。


「ああ、間違いないね。 彼らは魔王のダンジョンでモンスターを産み出して、各国家を混乱させているようだ」


「でもなんでそんなことするの?」


 ユグナが首をかしげる。


「それがわからないな」


「七賢者とはどういうものたちなのですか?」


「ふむ、七人の魔法使いだ。 皆たぐいまれな魔法の才を有していて、さまざまな国の問題を解決した。 魔王の断じてもいくつも攻略した英雄だ」


「彼らがあなたを殺した。 邪魔になったからですか」


「......そうずっと思っていたが、必ずしもそうとは限らないかもしれない。 私の知識欲は強く、あらゆる魔法を極めようとしていた。 闇魔法もね...... そして魔核石を手に入れようとした」


「それなら本当の目的は魔核石なのかも、それを奪われることを阻止しようとした」


「あり得るね」


「でも、魔核石なんて何に使うの?」


 ユグナが空を寝っ転がりながら空を漂っている。


「ふむ、魔核石、神のダンジョンを構築する魔力を集積する宝石。 魔王のダンジョンはロード、マスターモンスターがダンジョンを作るが、神のダンジョンは魔核石でできているからね...... 何かのために魔力を集めている」


「やはり、モンスターへの対抗策を取られては困るからでしょうか。 神のダンジョンなら死なないですし、アイテムなども入手できる」


「他の国にダメージを与えるならそれもあるのかもしれないが...... ただ数百年も前からそんなことをしていたとは思えないんだがね......」


 ミミックさんは首をかしげる。


「やはりなにかよからぬことを企んでいるようですね。 魔王のダンジョンをとにかく破壊していきましょう。 七賢者もあと五人ですし」


「そうだね。 今はそれしかない......」


 ぼくたちは新たなる魔王のダンジョンを探し始めた。

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