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第十五話「神園、我が身となりて」

 つぶしたリッチから魔力が放たれ、それが球体となったぼくに流れ込んでくる。


「すごい魔力ですね」


「当然だ。 最強の魔法使いの私の魔力だからね」


 そうミミックさんは胸を張る。


「しかしこのあとどうするんだい。 また浮かせるのかい?」


 地面にめりこんだぼくにミミックさんはいった。


「いえ、このまま展開しようかと」


「展開...... このダンジョンで? それってまさか......」


「ええ、このダンジョンにぼくがなろうかと思っています」


「それはまた......」


 そう驚いてミミックさんはいった。


「多分、ダンジョンの表面をのばしていくのは可能です。 魔力量だけは足りないかと心配でしたけど、どうやらそれも大丈夫そうです」


「なるほど、私の魔力か...... たしかに、私のあの魔力を取りこんだのなら可能かもしれないな」


「でも ......この国に殺されたんですよね。 本当にここでいいんですか?」


「かまわないさ。 この国ではなく魔法使いたちだしね。 それにかつての私はかつての私、今の私とはちがう...... ダンジョンさんが憎しみにとらわれリッチとなった私を葬ってくれた。 それで十分さ」


 そうスッキリした顔でミミックさんはほほえんだ。


「わかりました! それなら」


「あっ! まってくれ、その前に魔核石を手にいれておく。 かつて奪われないように封印したからね」


 祭壇に向かうと落ちていた宝石に、なにかを唱えるとミミックさんは拾った。


「とりあえず、それはミミックさんが持っていてください」


「わかった」


「では、展開します」  


 ぼくは球体の体を壁にはわしていった。



「ふぅ、とりあえず半分ぐらいは取り込めました」


「すごいな祭壇も元通りか」  


 そうミミックさんはキョロキョロ辺りをみまわした。


「ええ、でもまだ人がいるみたいなので、深夜に進めましょう」


「ここに来ないようだから私はもとに戻るよ」


 そういうとミミックさんはミミックの姿になった。


「ふぁあ、やっと戻れた」


「人の姿は嫌なんですか?」


「そうだね。 かなり肩がこる。 もう死んだ身だからね。 こっちのが楽だよ...... はぁ、きょうはつかれた。 すこし寝るよ」


 そういってミミックさんは眠りについた。


(そんなものかな...... ぼくは動かしてるほうが楽だけど。 あっ! また糸をつくらないと天井に本体をくっつける為に、分散させたからな。 とはいえ...... ふぁぁ、ぼくも眠い)


 そうしてぼくは眠りに落ちた。



「ふぅ、やっとできた......」


「おお、ついに全て取り込んだんだね!」


 宝箱になったミミックさんは喜ぶように蓋をパカパカとあけしめしている。 ぼくは一週間かけて神園ダンジョンを自分の体をのばし包んだ。


「これでとりあえず、落ち着きました。 このまま探索してくるものたちを迎え撃ちましょう」


「そうだね。 私も魔力がさらにましたから、どんどん倒していくよ!」


 ぼくたちはダンジョンに入ってくるもの用に、アイテムや、モンスターたちを生み出しはじめた。


「おっと、ダンジョンを進行してくるパーティーがいるね」


「ええ、かなり強い人たちですね。 もう20階まできてます。 確認してみましょう」


 ぼくたちは確認する。


「どうなっている? いままでのモンスターより格段に強い。 連携してくる」


「ああ、だが戦えないほどではないな」


「ええ、それにアイテムが山のようにあるわ!」


「そうですね! 正直、前よりアイテムはかなりいいものばかりです!」


 四人はそういって話をしている。


「ふふっ、やはりアイテムの多さに驚いているな」


「ああ、かなり大盤振る舞いしているからね。 これで入ってくるものたちも多いだろう」


「では......」


「狩りへむかうとするか」


 ぼくたちは探検パーティーへとむかう。



「なんだこのミミック!! すごい魔法をつかってくる!」


「ゴーレムが硬い!」


「まずい! 一度撤退だ!」


(させないよ)


「くそっ! ゴーレムがまたくる!」


「先に退避しろ! うわぁぁ!!」


「逃げろ! 逃げろ!!」


 二人逃げていった。


「ふぅ、まあこんなものかな」


「そうだね。 全員倒してしまったら、また挑戦する気がなくなってしまうかもしれないしね」


 ぼくたちはそう笑いながら話した。


 それからも毎日押し寄せる探索者を次々、アイテムを与えたり倒したりして日々を過ごした。

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