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第十四話「リッチ、過去との邂逅」

「ここが最深部」


 そこは巨大な部屋のようになっており、多くの柱がたっていた。 そして奥が祭壇のようになっている。 祭壇の上に仄かに輝くものがみえる。


「あの光になにかを感じる」 


「ああそこに魔核石があるんだ...... しかしこれは」


 そうミミックさんが祭壇をみる。 そこには大勢の死体があった。


「死体なんて...... ここは神のダンジョンですよね。 なぜ」


「ここでモンスターや罠にはまってもスタートに戻させるだけだが、人に殺されたりした場合はそのまま死ぬ.......」


 ミミックさんがいつになく真剣な顔をしている。


(なんだ!?)


 ぼくは糸を放ちミミックさんを手前に引き寄せ後ろにとぶ。


「えっ?」


 ミミックさんのいた場所に影のようなフードを被った人の姿が浮かび上がる。


「こいつは......」


「ここにはモンスターはいないはず...... まさか」


 その黒い影のようなものははっきりとその姿を現す。 金の杖をもつ禍々しい圧力を放つ骸骨の眼の窪みに赤い光がみえる。


「ニンゲン...... シネ...... エクス...... プロージョン」


 その杖から赤い球体が放たれた。


「くっ!」


 ぼくは地面を蹴り後方までとんで柱に隠れる。 閃光が部屋を照らし、爆発した。 爆発の衝撃が空気に伝わる。 


「大丈夫ですか!」


「あ、ああ...... だが、厄介だな」


「あれは【ゴースト】ですか?」


「ちがう、死者となった高位の魔法使い【リッチ】だ。 そしてこれはかつての私だ」


「えっ!? あれがミミックさん!?」


 ぼくたちは柱の影からのぞく。 リッチはうろうろとぼくらを探しているようだった。


「ああ、死んだからわからなかったが、どうやらここで殺されたあと、リッチとなったらしい」


 そう祭壇をみる。


「転生したのに、あそこにもミミックさんがいる?」


「多分魂の残滓...... 憎しみにとらわれた私の想いなのだろう。 達観したようでも、憎しみから逃れられなかったようだ」


「......倒してもいいんですか」


「ああ、倒して過去に決着をつけよう」


 ぼくたちはかまえた。



「ミミックさん、ご自身の弱点は!」


「自慢じゃないがほとんどの攻撃魔法、防御魔法を華麗につかいこなし、かつ見目麗しき容姿をもつよ」


 そうミミックさんは胸を張る。


「いや、そんなこと言ってる場合じゃ......」


 柱に火球が放たれ炎に包まれる。


「うおっ!?」


 他の柱へ糸を放ちミミックさんを肩にのせ移動する。


 リッチは氷や風などさまざまな魔法を次々繰り出してくる。 ぼくは柱を飛び逃げ回る。


「わわわわわわ!」


「さすが私だね。 ここまで連続で高位魔法をつかうとはね」


 ぼくの肩でミミックさんがそうはなした。


「感心してる場合ですか! なにか対策を!」


「やってみるからそのまま走って、【ストーンバレット】」


 ミミックさんは相手の魔法の隙をみて、石の魔法を放った。 その魔法はリッチにあたる。


「......【バーストロンド】」


 リッチには効果がないように、爆発がこちらを襲う。


「正直、そこまで戦いかたに戦略性はないね。 たぶんそこまで緻密には考えられないんだろう。 ただやみくもに撃ちまくってるだけだ」


「とはいえ、この威力の魔法を連打されたただけで脅威ですよ。 わっ!」


「だね。 ただ物理攻撃はきく。 さっきの氷のつぶてがあたったからね。 ただ威力が足りない。 魔力で防御している。 かなりの物理威力がないと、あの防壁は割れない」


「考えていたことをひとつ試すか......」


 左腕を上下二方向にさいて、弓のように剣をつがえ放った。


「いけ!」


 高速で放たれた剣はリッチの頭蓋を貫通した。 ぼくは剣につけた糸を引っ張り剣を回収した。


「おお! 腕を弓として使うとは!」


「いや、だめだ!」


 リッチの壊れた頭蓋がもとへと戻る。


「何度でも再生する! これじゃ倒せませんよ!!」


「このダンジョンの魔力を吸収して再生しているね。 回復が追い付かないぐらい魔力で破壊しないと...... とはいえ、私の残り魔力であの体を粉砕するのは難しい」


「粉々...... ぼくも剣でいくら破壊しても、粉砕まではいかないですね......」


(ぼくも魔法が使えたら...... いや)


「ミミックさんこれならどうでしょうか?」


「ふむ、なるほど...... 確かに可能だな。 よし、やってみるか」


 うなづくとぼくは前にでる。 


 真っ正面からリッチに向かう。 


「......イグニストデトネーション......」


 リッチの杖から巨大な白い球体が放たれた。


(くっ! まさか、あの魔法か! これをなんとか回避)


 ぼくは最大で糸を放った。


 一瞬の光が部屋にきらめくと、つんざくような轟音が響き、衝撃が伝わる。 土煙が巻き上がり部屋をつつんだ。


 土煙がおさまると、リッチがそこにいた。 周囲には破壊された柱の残骸がある。


「ギ...... 高い...... 魔力......」


 リッチが上を向く。


(ミミックさん、いまです!)


「レビテイド解除!」


 その時、リッチの頭上から天井に浮いていた黒い球体ーーぼくは落ちていく。


(このまま大きく!!)


「ガアアアアアッ!!」


 巨大になったぼくはリッチをつぶした。


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