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第十三話「鏡剣と最下層」

「さて、50階層...... ここまでこれる者は限られるね」


「確かにモンスターの強さが格段に増してます」


(ここを一人で降りたのか、ミミックさんすごいな。 ぼくはこの体だから何とかなってるが、モンスターも強い。 今まであってきた探索者や騎士団ではとても進めないだろうな)


「さすがにこのクラスのモンスターは今の私ではきつい」


「そうなんですか」


「ああ、人間のときより魔力量がはるかに少ないからね。 扱える魔法に限界があるのさ」


「確かにぼくの武具もかなり破損していますね。 ほぼ素手で戦ってます」


 ボロボロになった剣、鎧やガントレットをみる。


「ふむ、いまはダンジョンさんの本体もただの重い球体だしね」


「ええ、何とか武具が手に入ればいいんですが」 


「いままで手に入れたものは、ポーションや指輪か。 かなりいいものが手に入るが、戦闘にはとても使えないな。 しかも階層を魔力で探知できないな」


「ええ、近くの範囲しか把握できないんです。 なにかこのダンジョンの魔力が邪魔してるのかも」


「そうか、まあゆっくりすすむしかないな」


「ええ、でも......」


「ああ、お客さんだな」


 奥から大きな魔力が近づくのを感じる。


 地響きがする。 向こうから、天をつくような青い肌の巨人が現れた


「【トロール】だね! 再生力が高い! 並みの攻撃では倒せないよ」


「行きます!」


 地面を跳ねてトロールの顔付近に飛びその顔を切りつける。


「ギオオオ!!」


 トロールは顔を押さえた。 だがその傷ついた顔はすぐ再生し、手にもった巨大なこん棒で殴りかかってきた。


「なっ!!」


 とっさに糸を出し、近くの木に張り付け回避し地面におりた。


「くっ! あんなに再生がはやいのか!」


「ああ! 私の魔法まで回避を......」


「すこし試してみます!」


「あっ!!」


(ミミックさんの魔力量はかつてのものじゃない! こんなところで大量の魔力を使っていると、100階層まではとても無理だ!)


「この糸をうまく使えば!」


 五指から糸を放つと、トロールの手足を糸が絡む。


「グオオォ!!」


 糸をはずそうとトロールが暴れている。


(ハードスパイダーの糸は伸縮性が強い、そんな簡単に切れない! このまま動きを止める)


 ぼくはトロールの背後に飛ぶと、両腕を糸で絡めとると、地面を跳ねてトロールに突進した。


「グオオォ!!! グアアア!!」


 トロールは地面に倒れ、地響きと共に土煙をあげる。


「この近距離ならやれる! エクスプロージョン!」


 ミミックさんは倒れたトロールの頭を爆発で吹き飛ばした。



「ふぅ、やったね」


「ええ、本当は自分だけで倒したかったんですが。 拳だけじゃ倒しきれないですね」


「さすがにトロールは素手だけでは倒せないよ...... ん? あれ」


 ミミックさんがなにかを見つけた。 よくみると奥に宝箱がある。


「宝箱だね。 試練の報酬か」


 ぼくたちは宝箱に近づく。


「このタイプの宝箱は、罠はないね。 ミミックでもない。 まあミミックだろうとしても一撃で倒せるよ」


「いや、さすがにミミックさんがいて、その姿のものを倒すのは気が引けるな」


「気にせず叩き潰しなよ」


 そういってミミックさんは笑いながら箱を開けた。 そこには一振の鞘に入った長剣がある。


「剣ですね」


「そうだね。 みたところ魔力を感じる【魔法剣】のようだ。 さあ」


 ミミックさんは取り出すと剣をぼくにさしだした。


「いいんですか?」


「もちろん。 ダンジョンさんがつかいたまえ」


 ぼくは緻密な細工の施された鞘から剣を抜いた。 そこには曇りもない鏡のような剣身が鎧姿のぼくを映している。


「鏡のようにピカピカですね」


「効果はわからないが、かなりレアな魔法剣のようだね。 まあ戦ってるうち効果はわかるだろう」


 うなずくと、ぼくたちは先を進んだ。



 そして100階にたどり着く。 神殿のような場所で、荘厳な雰囲気に包まれる。


「......ついに100階、最下層ですね」


「ああ、とはいえ魔力もかなりへった。 かなり厳しいな」


「ええ、ぼくもつかれてきました。 やはり本体からはなれてると魔力を失っていくようですね」


「その切れ味のいい剣のことはなにかわかったかい?」


「切れ味と強度はかなりあるので、刃こぼれもなくて助かっていますが、剣の効果はまだわかりませんね」


 ここにくる途中もモンスター退治には役立ってくれたが、その効果はわからなかった。


「そうか、調べたいが、もうすぐ奥へと続く最終地点だ」


「奥には魔核石があるんですよね」


「ああ、私も使うこともなく死んだから、今もあるかわからないがね。 ただ私が最後の魔力で封印した」


(もし手にはいれば、ぼくたちは大きな魔力を手に入れられるな)


 ぼくたちは奥へと進んだ。

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