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無人島サバイバル★漂流日誌(略)  作者: 名久井悟朗


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スネェーーークッ!!

 ナイフ等の鉄器が出来てから、日々の作業効率がグンっと上昇した。

 山登りの為の道具を作る為に樹皮やら竹やらを採取したり加工するスピードは段違いに上がり、藪を切り開くのなんか山刀の一振りで簡単に道が開く。

 魚や野草の調理もガラスのナイフなんかとは比べ物にならない程によく切れる。

 木材の加工なんて、今までアンやエリちゃんが力ずくで圧し折っていたのが、今では山刀で叩き斬る事が出来た。

 それらの時短により出来た空いた時間が出来れば、土器や保存食の作成にも時間がさけた。

 そう、山登りの為の準備はまさにとんとん拍子で進んだ。

「というわけで明日山に登ります」

「どういう事よ」 

 ッチ、ノリの悪い奴め。

「なんだ、山に登るのが嫌なら一人待ってるか?」

 ヤレヤレとわざとらしくオーバーリアクションをしてやると奏が凄くイラついた顔になった。

「山に登る事は反対しないわよ。でも、準備がこれだけで大丈夫なのか心配なのよ。あと、そのヤレヤレって止めなさい。本当にムカつくから」

 なるほど。

「ヤレヤレ、気難しいお嬢さんだ」

 もう一回やってやった。

 今度はセリフ付きだ。

「ムキーっ!止めなさいって言ってるじゃない!!」

 これ以上弄ると手が飛んできそうなので止めておこう。

 奏の平手打ちは日に日に速度が増してる気がするし……まったく、ヤレヤレだぜ。

「心配なのはわかるが、これ以上物資を用意しても荷物が増えるだけだし、一応近いから安全そうなルート予想して安全第一で行動するって決めただろ?」

 まぁ、アンやエリちゃんならもっと荷物を持っても大丈夫だろうが、いざという時助けてもらう速度が遅れても困るのであまり大荷物は持たせたくない。

 勿論俺や奏が大荷物を持つなんて論外、そんな状態で舗装されてない山道なんて絶対に登れない自信がある。

「そうじゃよ。無理は控え、必要なら暗くなる前に野営する準備もしておる」

「疲れたら僕がおんぶしてもいいっスよ!」

 俺だけでなくエリちゃんやアンからも説得、励まされているが、奏はどうにも納得できない。

 というか、何か不安があるようなのだが、どうにもはっきりしない。

「何か不安がるのか?」

 エリちゃんがドストレートに尋ねた。

 嫌われている俺や年下のアンでは無理だが、年上(?)のエリちゃんなら案外これもアリなのか?

「じ、実はね──」

 あ、アリっぽい。

 俺も機会があったら試そう。

「──私蛇ダメなのよ」

 蛇か。

 そういや、前に一度蛇が嫌いって感じの事を言ってたな。

「それなら一番後ろを歩くのはどうじゃ?ワシとアンで道を作って安全を確保してやろう」

 至れり尽くせりだな。

 だけど、エリちゃんの優し気な笑みもあり、奏は心配そうにしながら小さく頷いた。



読んでいただきありがとうございました。

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