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無人島サバイバル★漂流日誌(略)  作者: 名久井悟朗


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アレは誰だ!誰だ!誰だ!アレは……

「とりあえず水を何とかしよう」

 水でなくても水分を補給できるなら西瓜でもいい。

 何でも人は飯を食わなくても二~三週間は生きれるが、水がないと四~五日で死ぬと聞いた事がある。

 まぁ、俺の根性じゃ飯なしでも二~三日で死ねるが、こんな(多分)南の島で水なしなんて一日で死ねる。

 雨風を防げて体温を維持できる家も大事だと聞いた覚えもあるが、そっちはよくわからんので後回しだ。

 とりあえず海岸沿いを使えそうなゴミを拾いながら川を探しながら歩く。

 一度椰子の木を見つけて実を採ろうともしたが、木に登れず断念した。

 別に全く登れなかったわけではない。

 途中まで登って怖くなって降りたのだ。

 一~二mまではよかったが、自身の身長の倍以上の高さとなると背筋が凍り、関節が硬直し、吹く風は大きく、僅かな揺れで落ちるかと思った。

 小さい頃ならいざ知らず、高校生にもなるとあの高さは恐怖を覚える。

 落ちたら骨折、下手をすれば死にかねない。

 臆病ではなく、危険を理解できるようになったのだ。

 決して臆病ではない。

 兎に角、医者もいないこんな所で怪我をしては死に繋がる。

 安全に飲み水を確保、溜める事ができるようペットボトルや容器等を探しながら歩く。

 我ながら賢い。

 労少なく功多しが理想だ。

 しかし、海岸に流れ着くゴミはペットボトルや包装紙などプラスチック製の小さなゴミも多いが、意外に漁師の使うような漁具方が圧倒的に多い。

 巨大なブイとか、数も多いが一個一個が大きいのだ。

 嵐で千切れたのか大きなフロート?とそれに繋がった大きな網なんて今は邪魔だが、そのうち何かに使えるかもしれない。

「~~~~っ」

 漂着物の利用方法を考えながら歩いていると一瞬何かが聞こえた。

 どちらの方角か警戒しつつ耳を澄ませる。

「~~~~~っ!」

 それはすぐに見つかった。

「……なんだぁアレ?」

 それは数十m先、木からぶら下がった何かが発していた。

「いや、マジでアレなんだ?」 

 ツタの絡まった丸くもぞもぞビクビク動くなんか気持ちの悪い物。

 恐怖SFマニアならば『外宇宙の冒涜的なナニか』と評しそうなソレに警戒しつつゆっくり近づくと以外にもソレは俺に気づいて言葉を発した。

「だ、誰っスか!?いや、誰でもいいから助けてほしいっス!!」

 うむ。なんか変な形だが日本語を話すなら多分人だろう。

 なんだかよくわからないが、俺は集めたごみを抱えてそれに向かって走っていくと、徐々にその正体が明らかになっていった。

「やった!?本当に人だったっス!助けてほしいっス!これ!これを解いて欲しいっス!!」

 それは大きな椰子の木からツタで中吊りになった少女だった。

 てか、本当に人だったって人以外の何かに声をかけた可能性があったのか?

「助けるのは良いけど……いいの?何かのプレイ中じゃないの?」

 嘗め回すようにびっちりと、その引き締まりながらも女性らしさを前面に押し出したはち切れんばかりの身体をツタで縛り上げた姿は非常に扇情的だった。

 しかもその少女は、体ばかりではなく顔も見目麗しく、凛々しい眉に筋の通った小ぶりな鼻、泣いた跡か活発そうな瞳は僅かに腫れぼったく赤くなっているがそれでいてもなお魅力に満ち、艶やか黒髪は全体的なスポーツ少女のイメージを底上げするだけでなく、うなじから健全なエロスを醸し出す。

 こんな非常時ですら辛抱たまらなくなりそうな痴態を解くなんて勿体ない!!

「好きでやってるわけじゃないっス!」

 助けを求めているのだからそれはそうだろう。

 だが、この光景を目に焼き付けるまではあまり下ろしたくない。

「じゃあ、何か悪さでもした?」

 そうだ。

 罰なら解いてはいけないよな。

 むしろ、俺からも罰を与えるのもやぶさかではない。

 一見純粋、純朴そうなスポーツ少女、その正体は性悪な雌猫!

 ムッフッフッフ。

 これはお仕置きが捗りますわ!

「お仕置きされてるわけでもないっス!椰子の実を採ろうとしたら、滑った拍子に命綱が絡んでこうなっただけっス!!」

 偶然後ろ手に絡まるなんて緊縛の神様にでも愛されてるのだろうか?

「斬新な命綱だったんだな」

 絡まり方が芸術的すぎる、ほぼほぼ亀甲縛りみたいになってるし、その長さの命綱では絡まらなければ命綱の役割は果たせなかったぞ。

「うぅ……全部蛇が悪いんス。驚いふり払おうとして色々アタフタしたらこうなったんス」

「いや、それでも普通そうはならんやろ」

「なってるじゃないっスか!てか、そろそろ本当に助けて欲しいっス。段々と手の感覚がなくなりかけてるっス」

「おおっと悪い。忘れてた」

 俺は慌てて少女を縛っているツタに手をかける。

 刃物でもあれば切れそうだが、如何せんカッターナイフの一つすらない。

 地道に解くしかないが、となると結び目は何処だ?

 ちょうどいい結び目を探し少女をじろじろ観察する。

 彼女が吊られているのはちょうど俺の目線より少し下。

 悲しいかな、パンツルックとツタが絡んでいるせいでどの角度から見ても下着は見えない。

 しかし、小さめの体を嬲る様に背徳的に飾り立てるツタが、身長こそ小さいもののメリハリの大きな体付きを更に際立たせ、特に大きな二つのお山はまさにエロティックっっ!!

「……解けそうっスか?」

 おおっと、芸術の干渉に意識が飛んでしまっていた。

 しっかし、結び目が複雑な上にこれは……。

「ぐぬぬぬぬぅ!」

 すごく固い!

「駄目そうっスか?」

 少女の心配そうな声。

 何か手は……

「ちょっと待ってくれ」

 俺は拾ったゴミの中から中身の入っていない瓶を選んだ。

 刃物はないが作ればいい。

「とうっ!」

 パリンッ!

 木に叩きつけると瓶は当然の様に無数のガラス片へと姿を変えた。

 そして、そのガラス片の中から手ごろな物を選ぶとそれを少女を吊っているツタへと押し当て引いた。

 最初こそ小さな傷がつく程度であったが、何度か繰り返しすとその傷が大きくなり……

 ブツッ

「あっ」

 ツタが切れるのは一瞬だった。

 墜ちる!

 そう思った瞬間、少女は猫のようなしなやかな動きで右膝と右手をつき、左手は横に広げて着地した。 

「おお、無事でなにy──」

「助かったっスーー!ありがとうっス!ホント助かったっス!!」

 少女は、纏わりついたツタを払う事すらせず、即座に俺に飛びついてきた。

 のおおおっ!?

 止めろ!苦しい!

 いきなり抱き着くな!お前はハイテンションな馬鹿犬か!いや、やっぱり抱き着くのは止めなくていい。

 少々苦しいが、大きなお胸が押し当てられるのは気持ちい……

「痛たたっ!痛いし苦しい!!」

 いや、力強すぎて苦しいだけだわ!!

 おっぱいの柔らかさとか香しい香りを堪能する余裕ないわ。てか、、生き吸う余裕すら怪しくなってきてるんですが!?

 止めろ!やっぱり離せ!!苦しい!!

「強い!力が強い!!離し……っ!」

「助かったっス!死ぬかと思ったっスぅ!!地獄に仏ッスぅぅ~~~っ!!」

 俺は今死ぬかと思ている。


読んでいただきありがとうございました。

ブクマ・評価してクレメンス


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