百合?
というわけで、今日は一日中粘土集め。
正確には粘土の採掘をしながら必要になる&今後使用できそうな穴掘りを一日中おこなうという拷問にも似た地味な作業に明け暮れる事となったのだが。
「いや~大量っスね!」
思いのほかあたらこちらで大量に見つかった粘土だが、最初見つかった粘土と同じように白っぽいものから黒っぽいものや茶色いもの、キラキラとした何かが入っている物までいろいろな種類が見つかった。
どうなってるんだこの島の地質?
しかし、問題はこの粘土が窯作りに使えるかどうかだが……
「エリちゃん。この粘土でいけそう?」
そう訊ねながらエリちゃんの方を向くと、彼女は幾つかの粘土を手に取り、握ったり、指と指で擦るように潰したり、やはりこの前の様にペロリと舐めその舌触りと味を確認してペット吐き出した。
「うむ。ワシも粘土に詳しいわけではないが多分いけるぞ。一つの粘土でダメでも何種類か組み合わせればまぁなんとかなるじゃろ。それより一ヵ所でこんなに見つかるのは異常さが気になるが……細かい事はまぁいいじゃろ!」
やはり、エリちゃんから見てもここの土壌は異常なようだ。
あと、多分とかなんとかなるとか気になる言葉も出てきたが、彼女に頼るしかないので聞かなかった事にしよう。
「それじゃあ、まず鉄を集めないといけないわね!」
そう言って奏は立ち上がると鼻息荒く腕まくりをする。
しかし、鉄作りね……
確か日本刀は砂鉄から作るんだっけ?
砂鉄ってどう集めるんだ?
砂場で磁石を使って集めるわけでもないだろうし。
「その前にまず炭づくりをせんといかんがのぅ」
立ち上がった俺と奏はスッと座りなおした。
さて炭ね。墨汁の方の炭じゃなくて燃やす方炭のだよな。
そう言えばあれってどうやって作るんだ?
普通に燃やしたら炭というか灰になるよな。
「エリちゃん俺は何をやったらいいんだ?」
わからないなら素直にエリちゃんの指示に従っておくにかぎる。
「そうじゃのぅ」
エリちゃんは腕を組んで俺達を眺め、少しだけ悩むそぶりを見せた。
「奏よ」
「何?」
キョトンとした幼い顔で奏は訊ねた。
「チョーヘイと──」
「嫌」
それはすぐに苦虫を嚙み潰したようなひしゃげた表情に変わった。
そこまで嫌うか?
エリちゃんも思わず頭を押さえて溜息を吐いている。
一番溜息を吐きたいのは俺だ。
俺はまだ何もしてないぞ。
手を繋ぐどころか、まともに会話が成立した事すら稀だぞ。
目の敵にされるような覚えなんざないぞ。
あれか、男自体が嫌いなのか?
百合なのか?
俺だって百合は好きだが、確かに自分が女の子にチヤホヤされる方が好きだ。
いや、百合の間に挟まりたいとかいうのではなく、いや、やっぱり挟まりたいわ!
過激派に殺されそうだけど挟まりたいと思うのはオスの本能だわ。
「――というわけで、炭焼き小屋作りはワシと奏、炭用の木材回収はチョーヘイとアン頼むぞ」
「了解ッス!センパイと一緒に頑張るッス!」
あ、いつの間にか決まってた?
「ま、任せておいてくれ!」
まったく聞いてなかったけど、まぁ何とかなるだろ。
「……チョーヘイ木材の選び方とか教えるからこっちに来るんじゃ」
聞いてなかったのバレテーラ。
読んでいただきありがとうございました。
ブクマ・評価してクレメンス。




