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異世界ノ淫夢  作者: 限界まで足掻いた人生


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第2話:柔道家の威厳、瓦解

1. 置き去りにされた二人

鈴木が全速力で逃走し、森の奥へ姿を消した後、木村と三浦はゴブリンに囲まれていた。道着姿の三人を珍しそうに見つめていたゴブリンたちは、獲物が一人減ったことに不満を覚えたのか、奇声を上げて二人に詰め寄る。


「くそっ、鈴木の奴、マジで逃げやがった!俺は大先輩だぞ!なんだよ(今生)!」三浦は恐怖で顔を歪ませながらも、大先輩としてのプライドを無理やり維持しようとする。


「三浦先輩、嘆いている場合じゃないですよ!敵はすぐそこです!先輩!!なにやってんすか!まずいですよまずいですよ!」木村は、背筋を伸ばし、ゴブリンの動きを注意深く観察する。


「柔道技を使うしかないですよ!」木村は叫んだ。


「柔道!?こんな化け物に?」三浦は驚いた。


「僕たちの唯一の武器はこれしかない!柔道は武道です!きっと通じるはず!」木村は自分に言い聞かせるように力を込めた。


2. 三浦の自爆技

三浦が、ゴブリンの一匹が油断した隙を見逃さず、柔道着の袖を掴んだ。


「ようし、大先輩の技、みろよみろよ!ここが肝心だ!俺の得意技、大外刈りだ!」


三浦はゴブリンの足に自分の足を引っ掛け、勢いよく刈り込んだ。柔道場なら確実に一本を取れる体勢だ。


だが、ゴブリンの体躯は小さくとも、まるで岩のように固い上に、足の関節があり得ない方向に曲がった。三浦の足が滑り、バランスを崩したのはゴブリンではなく、三浦自身だった。


「ぐわっ!」


三浦は体勢を崩し、ゴブリンの集団の真ん前に、うつぶせに倒れ込んだ。


「あ、あれ!?技が効かねぇ!?なんだよ(理解不能)!」三浦はパニックになり、顔を上げようとする。


ゴブリンたちは、倒れた三浦を見て奇妙な笑い声を上げ、彼の柔道着を引っ張り、獲物を確認するように胴体に触れ始めた。


「ギャー!やめろ!触るな!みろよみろよ!...って、みてる場合じゃねえ!」三浦は完全にパニックに陥り、意味不明な叫びを上げた。


3. 木村の冷静な判断とツッコミ

「三浦先輩!!なにやってんすか!敵の体の構造を考えずに技をかけるなんて!まずいですよまずいですよ!」木村は冷静にツッコミを入れながら、倒れた三浦の袖を掴み、引き起こそうとする。


「先輩!彼らの重心は、人間とは違います!まず、崩しから入ります!」


木村は、正面から組み合ったゴブリンに対して、釣込腰の体勢に入ろうとした。礼儀正しい彼は、ゴブリンに対しても極めて丁寧な手順で技をかけようとする。


しかし、その「崩し」の段階で、ゴブリンは木村の道着の袖を噛みちぎり、逆に木村の体勢を乱した。


「くっ...袖が...!まずいですよ!僕の道着の袖を噛むなんて失礼ですよ!柔道ではご法度です!先輩!!」木村は、異世界の魔物に対しても柔道のルールを厳守しようとする生真面目さが仇となり、技を決めきれない。


ゴブリンたちは、木村の道着を破ろうと群がる。木村は組み合ったまま、道着を掴まれる度に「先輩!!なにやってんすか!やめてください!」と、ゴブリンに呼びかけるが、当然通じるはずがない。


4. 鈴木の変身と口癖

その頃、森の奥深く。必死に逃げていた鈴木は、背後から迫る異様な足音と気配を感じ、極度の恐怖で精神が限界に達していた。


(あ、あいつらが...俺を捕まえたらどうなるんだ!?)


「ファ!?」


その瞬間、彼の全身を青白い光が包み込んだ。それは転移時と同じ光だが、今回は鈴木自身の体から発せられていた。


光が収まると、道着姿で逃げていた鈴木の姿は消え、そこに立っていたのは、道着が体にぴったり合った薄い白衣に変わり、髪が長く伸びた超絶美少女だった。


「フ、ファ!?」


鈴木(美少女)は、自分の手のひらを見て、驚きのあまり新しく加わった口癖を漏らした。声は、先ほどまでのドスの効いたものとは比べ物にならないほど、可憐な声に変わっていた。


「な、なんだこれ...お前さ、俺(私)さ...女の子じゃねーか!」


その美少女の姿になった瞬間、彼女(彼)の体に、驚異的な加速力と回避能力が満ちた。


「お、おい...この体...すげぇ軽いぞ!これなら...誰にも捕まらねぇ!」


鈴木(美少女)は、一瞬で残された木村と三浦のことなど忘れ、完璧な逃走を再開した。その走りは、柔道場の猛練習で培った身体能力が、美少女の体というチート(チート能力)を得たことで、逃走特化の能力として覚醒した瞬間だった。

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