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妖怪探偵

作者: 偽形

貴方の身の回りで起きる怪事件を解決します。お悩みの方は以下の住所まで

街の掲示板の片隅に埋もれるように貼られた広告には達筆な字でそう書かれていた。文章に誘われるまま、チラシの下の方へすぅーと目線を下ろすと、住所の隣に建物の名前が書いてあった。

蠱毒(こどく)・・・・・・探偵事務所・・・・・・」

風変わりな名前に少し首を傾げると、書いてあった住所へと向かって歩き出した。街の郊外へと出てさらに歩くと、寂れた竹林に入った。竹林を歩いているとあちこちから色んな動物の鳴き声が聞こえてきた。中でも閑古鳥と雉鳩(きじばと)の鳴き声は、特段よく聞こえた。五分ほど歩みを進めると、やがて竹林を出た。人の気配がまるでない静か過ぎる田舎の風景の中に、ひっそりと一軒だけ建物が見えた。周囲の風情を壊さぬよう、素朴で飾り気のない外見をした小さめの木造家屋。そう、ちょうど「アルプスの少女ハイジ」に出てくる山小屋を、一回り小さくしたような見た目だ。物語の中に入り込んだような景観に、少し心を踊らせて、小屋の前へと進む。扉にはOPENと書かれた掛札がされてあった。喫茶店のような戸に、んふふと笑いをこぼすと、ノブに手をかけて押し開けた。

「ようこそ、蠱毒探偵事務所へ」

きぃという開閉音の後に、小さくもよく通る声がそっと耳に響いた。声のする方を見ると、カウンターテーブルの内側に一人の青年が立っていた。真っ白な詰襟シャツに藍色の袴を履いた青年は、生成色の長めの髪を後ろでまとめ、下ろしてある前髪の隙間から、左に琥珀を右からは水晶を覗かせている。静かに優しく光るその石は、尋ね人の目に一縷の光を差し入れた。その光を受けた瞳からは自然と金剛の雫が溢れていた。青年は暖かな笑みを浮かべながら、手前の席を手で指し示して座るように促した。涙をハンカチで拭いながら、青年が示した席へ座ると、青年が話しかけてきた。

「コーヒーはお嫌いですか?」

「いいえ」

「ミルクやお砂糖は?」

「では、両方」

青年のよく通る穏やかな声で、拭った涙がもう一度溢れてしまった。懸命に涙を拭いていると、コーヒー豆の良い香りがしてきた。深いコクのある芳醇な香りが心を落ち着かせてくれた。

「どうぞ」

そう言って差し出されたコーヒーには、ミルクも砂糖も添えられていなかった。

「最初の一口は、どうぞブラックのままで」

その言葉にあまり気は進まなかった。実は、コーヒー自体は嫌いではないのだが、ブラックは苦手なのだ。昔に飲んだブラックコーヒーがあまりに苦くて、ミルクと砂糖を沢山入れてようやく飲める程だったのだ。それ以来コーヒーはブラックでは飲めなくなってしまった。しかし、折角勧めてくれたものを無碍にする訳にもいかない。固唾を飲んで、いざコーヒーカップの持ち手をつまむ。ふぅふぅと息を吹きかけて、恐る恐る口に含む。

「美味しい・・・・・・」

思わず声が出ていた。苦味は少なく、酸味もない。飲み込んだ後には、今も漂っているあの良い香りが口と鼻腔いっぱいに広がった。ふと青年の顔を見ると、青年は満足そうに微笑んでいた。どうやら味には十分な自信があったらしい。

「お気に召されたようで良かったです」

「美味しいです、とても。実はこれまでブラックコーヒーは苦手だったんですけれど・・・・・・」

「そのようですね。飲まれる前に心の準備をしていらしたでしょう?」

「流石探偵さんですね。顔には出さないように気をつけているつもりだったんですけれど」

恥ずかしそうに下を向いてぼそぼそと答えた。

「それでは、依頼内容をお伺いしましょうか」

それまでの微笑み顔を改めて、真剣な面持ちでそう言うと、青年はカウンターの内側にある丸椅子に腰掛けた。

「私は、小山内洋子と申します。相談したいのは私の両親のことでして」

「ご両親?ですか」

「はい。実は私の両親、少し前から体調を崩して寝込んでしまっていまして・・・・・・」

「ご病気でしたら医師にご相談なさった方がよろしいのでは?」

青年はキョトンとした顔をして尋ねる。

「勿論、最初はお医者様に往診をお願いして、両親を診てもらいました。でも、原因が分からないから対症療法しか出来ないと言われてしまって・・・・・・。お薬も頂いて飲ませたのですが、体調は良くなるどころか、最近ではどんどん衰弱していってしまって。もう私どうしたらいいか分からなくて。そんな折に、買い物から帰る途中で掲示板に貼ってあったここの広告を見つけて」

洋子はまた溢れ出した涙をハンカチで必死に拭き、鼻をすすりながら懸命に話をした。

「なるほど。もしかしたら自分の両親を苦しめているのは病ではなく、怪異や呪いの類かもしれないと思われたわけですね」

「はい。お医者様も、流行病や感染症なら私に移っていないのはおかしいと仰っていましたから。もしかしたらと」

「洋子さん、正直に申し上げまして、その可能性は・・・・・・」

前置きをしてひと呼吸吐いてから、もう一度真剣な顔を作り直して青年は答える。

「あります。十分に」

青年の真剣な眼が洋子の瞳を真っ直ぐに捉える。

「本当ですか?」

「ええ。予想ですが、恐らく呪いをかけられたのではないかと」

「呪い・・・・・・ですか?」

「そうです。まだ予想の段階ですし、実際見て見ないと分かりませんが」

「それでは引き受けてくださるのですか?!」

驚きと期待で、洋子は思わずカウンターから身を乗り出すようにして立ち上がった。

「その可能性がある限り、調査はしますよ。先ずはご両親の状態を見ることから始めましょう」

青年も立ち上がり、ゆっくりと歩きながらカウンターを出て扉を開ける。

「あ、そういえば探偵さん、お名前は?」

その言葉に開けた扉から外へ出ようとする足を止め、振り返って答えた。

「私は蠱毒です。探偵事務所の名前と同じですよ」

ふっと優しく微笑むと外へと繰り出した。

洋子が歩いてきた道程を遡り、街へと出たところで、蠱毒が後ろを歩いている洋子に話し掛けた。

「ええと、洋子さんのご実家はどちらでしょう?」

「ああ、掲示板のある大通りを抜けた先の十字路を右に曲がって、それから・・・・・・」

そこまで言った辺りで、蠱毒が形容のしがたい表情を浮かべていることに気づいた。

「あぁ・・・・・・案内しますね」

「すみません。道に関してはどれだけ懇切丁寧に教えて頂いても、頭がついていかないんですよ」

「みたいですね」

今度は洋子が微笑み掛け、蠱毒が後頭部を撫でながら恥らう番になっていた。

掲示板のある大通りを抜け、十字路を右に曲がって少し進むと小さな商店街に入った。商店街の入口から七番目の店に当たる豆腐店の前で止まった。

「ここです」

それだけ言うと、洋子は閉まっているシャッターを開けて、蠱毒を中へと案内した。蠱毒と店内へ入ると、洋子は明かりをつけてシャッターを閉め直した。

「綺麗なお店ですね」

「曲がりなりにも食品店ですから」

蠱毒が店内のあちこちを見渡しながら言うと、洋子は静かに答えた。

「両親が寝ているのはこの奥です」

そう言いながら、洋子は店の奥の障子を開けた。障子の先は廊下になっており、扉や階段も見えた。そうして洋子に導かれるまま進んだ先で入った部屋は居間だった。テーブルを部屋の隅に片付け、真ん中に布団が二枚敷かれてあった。布団には、片方には女性が、もう片方には男性が並んで横たわっていた。蠱毒が二人の布団の間に座り、枕元の方から体の状態をよく見てみると、頬はやつれ、血の気が感じられない。腕や首も痩せ細り、血管どころか骨さえ浮き彫りになりそうな程である。じっと見ていて視線を感じたのだろうか、母親の方が重たく瞼を開けた。落窪んだ眼窩は光を反射しておらず、潤いがない。暫くすると乾いた唇を動かし、掠れた声で何かを言い始めた。

「洋子、お客様?」

口に耳を近づけなければ聞き取れない程の微かな声で途切れ途切れにようやくそれだけ言った。

「うん。お医者様でも原因が分からないって言われちゃったから、病気じゃなくて他に原因があるんじゃないかなって思って、探偵さんに来てもらったの」

「そう・・・・・・何だか探偵さんからは不思議な気配がするわ」

さっきより少し鮮明なその言葉に、蠱毒はピクリと一瞬背を震わせた。

「どうか、洋子の力になってあげてください」

母親はそれだけ言うと、もう一度眠りについた。力になって欲しいそう言った時の彼女の顔は、病床に伏している者とは思えない程力強かった。

蠱毒は部屋の空気を大きく吸い込んだ。そうして十数秒の間目を閉じ、ふぅと短く息を吐くと、やがて目を開けた。

「洋子さん、どうやら予想は当たっていたようです。原因は、呪詛です」

「呪詛・・・・・・ですか?」

「そうです。この部屋、と言うよりもこの家全体が高濃度の呪詛で満たされています。特に強いのがこの部屋です」

「えっと、呪詛というのは?呪いとはまた違うものなのでしょうか?」

「呪いと呪詛は深い関係にありますが、別物です。呪詛とは、呪いを作り出す要素のことです。例えるなら水を構成する水素と酸素のようなものですね。呪詛を特定の形に並べたり、何らかの形式に沿って呪詛を物などに込めることで、特定の影響を与える呪いとなります。ご両親を蝕んでいるのは呪詛が放つ毒気です。力はそれほど強くありませんが、濃度が高く範囲が広いので、恐らく何者かが直接この家に呪詛を流し込んでいるのかと」

「そんな、一体誰が・・・・・・」

「お心当たりは・・・・・・?」

「ありません。両親は二人とも温厚ですし、争いごとを嫌う性格なので、喧嘩だって滅多にしません」

「心当たりはなし・・・・・・と」

蠱毒は腕を組んで少し考え込んだ。

「この辺りで動物霊や稲荷神を祀っている場所はありませんか?」

蠱毒がそう尋ねると、洋子は頬に手を当てて目を瞑り記憶を辿っていく。そして、あっという表情を見せると、蠱毒に話し始めた。

「そういえば、この商店街の近くに小さな祠があります。そこは昔からこの商店街を守ってくださっているお稲荷様を祀っていると母から聞いたことがあります」

「気になりますね。場所は分かりますか?」

「小さい頃に何度か母に連れられて行ったことがあります」

「では、早速行ってみましょう」

蠱毒がそう言うと、二人は足早に外へと繰り出した。店から小走りで一分少々行くと、角を曲がって商店街を横道に逸れた。その先は細い一本の路地になっており、二百メートル程先に進んだ突き当たりに石造りの鳥居があった。

「ここです」

少し荒くなった息を整えながら洋子が言うと、蠱毒は鳥居の前で一礼し、石畳を避けて祠の元へと歩を進めると、目の前で止まった。

「君が、ここの主かい?」

蠱毒が言葉を掛けると、祠の中に一体だけ佇んでいた稲荷像がカタカタと音を立てて動き出した。

「・・・・・・!?」

その異様な光景に洋子は言葉を失くし、唯々驚嘆とした顔付きを見せている。稲荷像の動きは次第に激しくなり、遂には祠から飛び出した。飛び出した像は、祠の前の石段の上に着地すると、瞬く間に人の姿へと変わった。黒い道行の下に、白地に杜若の花の絵があしらわれた着物を着た美しい女性だ。

「妾は稲荷。そこの書生、妾のこの姿が見えておったな。貴様、一体何者じゃ?容姿や空気は人間そのものじゃが・・・・・・」

そこまで言ったところで、稲荷は顔を強ばらせ、言葉を途切れさせた。稲荷は暫く沈黙した後、はぁ、と溜息を吐きもう一度話し始めた。

「まあ良い。して、何用か」

「聞きたいことがあってね」

「ほう?」

蠱毒の前で斜めに立っている稲荷は、首を少し内側へと傾げてニヤリと笑う。妖艶な雰囲気が霧のように広がり、洋子は息を飲んだ。

「無駄だよ。僕に魅了は効かない」

陶酔しそうな空気の最中、蠱毒は涼しい顔をしてそう答える。稲荷と対角になるように立ち直り、稲荷の瞳孔にぴたりと目線の焦点を合わせる。稲荷と蠱毒はしばらくの間視線を繋ぎ合うと、やがて稲荷が目を閉じて、んふふと袖で口元を隠しながら笑った。

「愛いやつめ。よかろう、なんでも質問するがええ」

「じゃあ、三つだけ。先ず一つ目、この商店街にある豆腐店の家族のこと、知ってるかい?」

「知っておるよ。あの夫婦はよう妾に油揚げを供えに来るからのぅ。特別気に入っておる」

「じゃあ二つ目、君は呪術が使える?」

「そりゃあ使えるとも。獣の霊、こと妾のような狐は、昔から人を化かすなどして戯れるように、妖術に長けておるからのぅ」

「そっか。それじゃあ最後。少し前にさっき言った豆腐屋のご夫妻が呪いで倒れたんだけど・・・・・・何か知らない?」

蠱毒がこの質問を投げ掛けた時、稲荷の顔が幾ばくが険しくなった。

「妾が呪ったと、そう言いたいのか?」

「あくまで可能性の話だよ。呪に倒れた者の近くに、呪いに長けた存在が居た。話を聞きたいと思うのは当然だろう?勿論、別の可能性もあるけれど」

「なればその別の可能性とやらを当たるがいい。妾はいたずらに人を呪ったりなどせん。そこの娘から聞き及んでおるやもしれんが、妾は昔からあの店街を見守ってきた。厄を払い繁盛をもたらす代わりに、供物を捧げさせてな。契りを守る者には契り通りに、破るものには恩恵は与えん。唯それだけじゃ」

稲荷の答えに、蠱毒は納得した表情を見せた。

「そう。すまなかったね、疑うようなまねをして」

「甘味が食いたいのぅ。井里屋(いざとや)の饅頭が美味なのじゃが・・・・・・」

稲荷が横目にチラっと蠱毒の顔を見た。

「やれやれ。幾つ欲しいんだい?」

「買ってきてくれるのか。すまんのぅ〜」

語尾を強くして返す稲荷に、蠱毒は後ろからでも分かる程苛ついているようだ。はぁ、と大きな溜息を吐くと、蠱毒は稲荷に背を向けてとぼとぼと歩き出した。

「三つじゃ。三つ買ってきておくれ〜」

振り向くと、稲荷は満面の笑みで右手を振っていた。

祠からの帰り道、商店街の中へと入った辺りで、洋子が話し掛けた。

「よかったのですか?こんなに簡単に引き下がって」

洋子は心配そうな顔をしながら蠱毒を見た。

「大丈夫ですよ。家の中に蔓延っていた呪詛と、彼女の呪詛は別物でしたから」

「そんなこといつ調べたんですか!?」

「聞きたいことがあると言った際、私は、『魅了は効かない』と言ったのを覚えていらっしゃいますか?この『魅了』も呪いの一つで、呪詛で作られているのですよ」

「確かに、あの時どこか不思議な空気になっていましたね」

「そうです。あれが魅了という呪いの一種です。権能は、その者の発する『魅惑』に飲まれた者を、意のままに操ることができるというものです」

「そういえば先程、妖術という言葉も出ていましたけれど、それは?」

「妖術というのは、妖ものが使う術法の総称で、妖、要は妖怪が使用する呪術もこれに含まれます」

そうこう話しながら歩いているうちに、井里屋の店の前に着いた。二人が店先に並べられた和菓子を見ていると、店主に声を掛けられた。

「いらっしゃい。何差上げましょう」

にこやかでありながら豪快さのある、髭の似合いそうな主人だ。

「お饅頭三つ頂けますか?」

洋子が右手の人差し指と中指、それから薬指を上げて三のジェスチャーを作りながら言った。

「あいよ。饅頭三つね」

店主は目の前に並べてある饅頭を一つずつ丁寧に取って包んでくれた。

「お待ちどうさん」

「ありがとうございます」

小銭を渡して、交換に饅頭を受け取る。甘く美味しそうなとてもいい香りがする。二人は店主に軽くお辞儀をして店を後にした。

「まいど!」

背を向けて歩き始めていた二人に聞こえるように、大きな声で店主が言っていた。

来た道を戻り、祠の鳥居の前まで来ると、待っていましたと言わんばかりに、二人を見送った時の満面の笑みのまま稲荷が立っていた。

「ほら、買ってきたよ。これでいいんだろう?」

洋子から饅頭を受け取っていた蠱毒が、稲荷に包みを手渡した。

「おお。これじゃこれじゃ、この饅頭がほんに美味でのぅ」

しかし、稲荷はいきなり周囲をキョロキョロと見渡し始めた。何か探しているのかと二人が思った矢先、稲荷が言葉を発した。

「おろ、茶はないのかえ?和菓子には熱い緑茶が妾の中では定番なんじゃが」

「・・・・・・。」

三人の周りに沈黙が漂った。二人は目を丸くして、一人は口をぽかっと開けて首を傾げている。

「ず、図々しい!甚だ図々しい!饅頭でさえ三つも頼んだくせして、その上次は茶か!」

沈黙を吹き払う、蠱毒の大きな怒号がこだました。

「なんだい、いきなり大声を出しよって」

稲荷は両手が塞がっていたため、耳を塞ぐことができなかったが、そんな中でも饅頭はしっかりと腕で抱えていた。

「構いませんよ、蠱毒さん。私、家から茶葉と湯を持ってきます。急須と湯のみも人数分用意しますね」

洋子は苦笑しながらそう言って、さっと鳥居をくぐって商店街の方へと戻って行った。

「・・・・・・それで?僕一人にさせて何か話したいことでもあるのかな?」

「なんじゃ、分かっておったか」

「洋子さんが商店街に店を構えている家の人間だと知っていただろう。すぐ近くに家があるなら、戻って茶を淹れて持ってくるだろうということは想像できる。

よもやそんなことも意図していない程知性は低くないだろう?」

声に出さず静かに微笑むと稲荷は祠の前の石段に座り蠱毒に隣に座るように促す。

「実はな、さっき貴様の言っておった呪いで豆腐屋の夫婦(めおと)が倒れたという話、原因に心当たりがあるのじゃ」

「なんだって?」

意表を突く言葉に蠱毒は思わず声を上げて驚いた。

「妾の思い当たる原因というのがのぅ・・・・・・」


「すみません、お待たせしました」

「ああ、ありがとうございます、洋子さん」

「何かあったんですか?何となく空気が重いような」

「なんでもないですよ」

心配そうな洋子の目に、蠱毒は事務所で向けたような穏やかな笑みを見せて言った。

「そう、ですか。じゃあお茶淹れますね」

水筒を開けて急須の中に入れてきた茶葉に上から湯を注ぐと、緑茶のいい香りがふんわりと漂ってきた。

「少し甘い香りがします。良い茶葉なんですね」

「父と母のお気に入りで。食後やこういう間食の時によく飲んでいました」

口角を上げて目尻が下がった笑顔は、とても寂しげだった。

「どうぞ」

急須から湯のみに茶を落とし、奥にいる稲荷から順に緑茶を差し出した。饅頭は既に全員の目の前に置かれていた。

「頂こう」

稲荷が静かに両手を合わせ、饅頭を手に取った。パクりと稲荷が一口齧ると、限界まで口角を上げて目を瞑り、頬に手を当てて咀嚼した。

「美味よのぅ、ほんに美味よのぅ」

「確かに、とても美味しいですね」

洋子が口元を手で覆いながら言う。その時の顔は、茶を淹れていた時の笑顔よりも余程幸せそうだった。その表情を見て、蠱毒も安心した顔で饅頭を頬張った。

「うん、美味しい」


食べ終わり、緑茶を飲んで一心地着くと、洋子と蠱毒は徐に立ち上がり、帰り支度をした。空はすっかり茜色に染まり、焼け色の雲に黒い点線が重なっていた。

「夜にならない内にお暇するよ」

「そうか、また来るがええ。今度は団子がええのぅ」

「自分で用意しておきなよ」

蠱毒はどこまでも変わらない稲荷の様子に、ほとほと呆れている。

「お邪魔致しました」

そう言って、洋子は稲荷に深々と頭を下げた。そうして二人は鳥居へと向かって歩き出した。

「『お邪魔致しました』か」

次第に遠ざかっていく二人の後ろ姿を見送りながら、稲荷は小さく呟いた。

豆腐店の前に着いた時、蠱毒は洋子に話し掛けた。

「洋子さん、今日は私がご両親を看てますから、どこかでゆっくりしてきてください」

「え?どうしてそんなことを仰っるんですか?それに急にそんなことを言われましても、宿泊する宛もありませんし」

「では、事務所に泊まりませんか?」

「どうしたんですか?急に。私が家に居ると何か不都合でもあるのですか?」

不審感と若干の怒気を孕んだ口調で返答する。

「そうですね。本当は、呪詛が撒かれても平気なように結界を張ろうと思っていたんです。けれどその結界は、呪いを受けた本人以外が居ると、力が著しく弱まってしまうんです」

「だから私を家から遠ざけようと・・・・・・」

「ええ、迷惑でしたかね」

気まずい空気が流れる。三十秒ほどの沈黙の末、先に言葉を紡ぎ出したのは洋子だった。

「分かりました。では、今日は蠱毒さんの事務所にお邪魔させて頂けますか?」

「勿論ですよ。先に提案したのはこちらですし」

「では決まりですね」

洋子はそう言うと、表のシャッターを開けた。

「結界を張るのですよね?中へ入りましょう」

「そうですね」

店の商品棚の横を通り、再び家に上がる。二人はそのまま居間に入った。蠱毒は懐から四枚のお札を取り出すと、部屋の四隅に一枚ずつお札を置いて祝詞を上げた。

「これで大丈夫です。後はしっかり戸締りをしておきましょう」

「分かりました」

「・・・・・・ちょっと出掛けてくるね」

洋子は両親の眠る枕元に座って言った。窓や外と繋がっている扉の鍵を全て締めて、二人は外に出た。

商店街から街へ出て、竹林を歩き出す頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。人里から外れたこの辺りには灯りがなく、道先を照らすのは、微かな青い光だけだった。事務所に着いて灯りをつけると、蠱毒は真っ先にカウンターの奥へ向かった。

「すっかり遅くなりましたが、夕飯にしましょう。と言っても、有り合わせの食材で作るので、期待はしないでくださいね」

「手伝いますよ」

「大丈夫ですよ。羽を休めてもらうためにお呼びしたのですから、椅子にでも座って寛いでいてください」

優しい顔を見せると、急ぎ足で奥へと消えていった。

それから十分もすると、カウンターの奥から空腹を刺激する匂いがしてきた。玉ねぎやピーマンをケチャップと炒め合わせた、甘酸っぱい匂いだ。ぐぅーとお腹が鳴る。そういえば朝食を食べたきり、コーヒーと饅頭くらいしか食べていないなぁと洋子は思い出した。そんなことを思っていると、次は卵を焼く匂いがしてきた。涎が垂れそうになるのを必死に抑え、空腹の波に耐える。待ち切れない思いを胸に抱きながら出来上がりを待つ。

「お待たせしました!」

心から待ち望んだ言葉が聞こえると、洋子はパッと顔を上げる。奥から出てきた蠱毒の両手には、湯気が立ち上る黄色い楕円の宝石が飾られた皿が乗っていた。

洋子の座っている席の前に行くと、右手の皿からゆっくり置いた。

「すみません。鶏肉は無かったのですが、他と比べて一番時間が掛からなさそうでしたので。それと、ケチャップとデミグラス、どちらがいいかも分かりませんでしたから、お好きな方を掛けてください」

「全然大丈夫です」

今の洋子からすれば、正直鶏肉の有無や上から掛けるソースのことなどどうでも良かった。唯、この鳴り止まない欲望の音が止まるのならば、それだけで良かったのだ。

「早速頂いてもよろしいですか?」

そう言う洋子の右手には、既にスプーンが握られていた。早くどうぞと言って欲しい、そんな面持ちだ。

「どうぞ。遠慮なく召し上がってください」

言い終わるが早いか、洋子は目の前の宝石を真ん中から崩して一気に頬張る。

「美味しい〜!」

昼下がりに饅頭を食べた時よりも、遥かにいい顔をして、くぐもった声でそう言う。

「お口に合ったようで良かったです。沢山作ってあるので、おかわりもできますよ」

蠱毒がそう言っている間も、洋子はバクバクと食べ進めていた。

「頂きます」

蠱毒が静かに手を合わせて言うと、洋子はさっと自分の皿に目を下ろす。オムライスはもう半分以上無くなっていた。

「すみません。私、頂きますも言わずにがっついたりして・・・・・・」

「お気になさらないでください。自分の作った料理を気に入って頂けたようで嬉しいですよ。どうぞ食べ続けてください。さっきも言いましたが、おかわりもありますから」

蠱毒の温かな微笑みを見た洋子は涙を零していた。

「どうしました?何か気に触ることを言ってしまいましたか?」

「えっ?あれ?何ででしょう、すみません。何故か、急に、おかしいな、どうしたんだろう?」

拭っても拭っても涙が溢れてくる。悲しい訳ではない、苦しい訳でも痛い訳でもない、寂しさとも違う、自分でも上手く分からない感情が、次から次へと雫を落とさせる。蠱毒はスプーンを皿に置き、洋子の背中をさすった。優しさの温もりが、背中を通して心へと染み渡る。まだギリギリで保っていた悲しみの鍋の蓋が、その温もりで完全に噴き出した湯の勢いに負けて吹き飛んでしまった。

「泣いていい、泣いていいよ。涙で水を得て、笑顔が芽吹くまで、沢山泣いたらいい」

背中をさすって言葉を掛ける蠱毒の胸元を、洋子は手でしがみつくように握って、わんわん泣いた。それから五分程泣き腫らして、ようやく泣き止んだ時には、すっかりオムライスは冷めきってしまっていた。

「落ち着きましたか?」

「はい。すみません、お気を遣わせてしまって」

「オムライス、冷めてしまいましたから、温め直してきますね」

「ありがとうございます」

蠱毒は二枚の皿を片手に一枚ずつ持って、また奥へと引っ込んでいった。数分が経ち、奥から出てきた蠱毒は、若干駆け足気味で戻ってきた。

「お待たせ致しまあちち」

「え?な、何ですか?」

赤くなった目尻を細めて言う。

「いやぁ、少々温めすぎてしまいまして。お皿まで熱々になってしまったんですよ」

恥ずかしそうに、けれど包み隠さずに笑いながら返すと、洋子も声を上げて笑った。


次の日、洋子はコーヒーを淹れる深い香りで目が覚めた。そっと起き上がり、カウンターの方へと歩いていくと、テーブルの上には朝食が用意されていた。昨夜のケチャップライスの残りで作ったオムライスに目玉焼きを乗せ、野菜を盛り付けたプレートに、淹れたてのコーヒーを添える、贅沢なモーニングだ。

「おはようございます。何だかとっても良い匂いがしますね。すっかりお腹が空いてしまいました」

部屋中に広がる香りを大きく吸い込みながら、洋子は蠱毒に話し掛けた。

「おはようございます、洋子さん。ちょうど今コーヒーを落とせました。どうぞ席についてください」

促されるまま、洋子は朝食の置かれた席の椅子に腰掛けた。すると、直ぐにカウンターの向こうからカップに入ったコーヒーと冷水が置かれた。

「寝起きですから、一応お水を」

「ありがとうございます。ちょうど喉が渇いていたところだったんですよ」

蠱毒の顔を見て言いながら、洋子は水の入ったグラスに手を伸ばした。

「朝食を食べ終わったら、一度洋子さんのご実家へ行きましょうか」

洋子は水を飲みながら、うんうんと細かく頷いた。


朝が早いこともあって、どの店もまだ開いておらず、商店街は昨日の昼間よりずっと閑散としていた。そんな涼しい静寂の中、表のシャッターを開ける。障子を開け、廊下を進み居間に入る。

「ただいま」

二人の枕元に膝をついて右手で父親の右頬を、左手で母親の左頬を触りながらそう言うと、二人がゆっくり目を開けた。よく見ると、いつもよりも顔色が良い。

「おかえり」

やはり小さい、しかし愛のある二つの『おかえり』が、洋子をそっと包み込む。嬉しさの涙の雫で笑顔が咲いた。蠱毒はその様子を見て少し微笑むと、一転して険しい顔つきで部屋の四隅を見渡すと、目を瞑って鼻で溜息を吐いた。険しい顔が、心苦しそうな顔に変わった。

「洋子さん、早速ですが、ご両親を苦しめていた呪詛を撒いていた者の正体が判りました」

「本当ですか!?」

洋子が食い入るように、蠱毒の方を振り向いて訊く。

「誰ですか?一体誰が両親にこんなことを」

「・・・・・・」

一息置いて蠱毒は決心したように言った。

「ご両親を呪詛で倒れさせた犯人、それは、貴女ですよ、小山内洋子さん」

しばしの沈黙。予想もしていなかった答えに、蠱毒以外の誰もが固まった。

「・・・・・・どういうことですか?私が呪詛を撒いていただなんて!そもそも呪いや呪詛のことだって、今日初めて知ったというのに!」

悲鳴にも聞こえるような洋子の怒号が鳴り響いた。怒りの叫びは数秒の間残響し、やがて消えた。

「洋子さん、そもそも貴女は人間ではないのですよ」

突拍子のない言葉に、また洋子は少し固まってから、言葉を繋いだ。

「私が人間じゃないって、どういうことですか」

さっきより静かだが、より強い怒りが込められた声だ。

「根拠は二つ。先ず一つ目は、呪詛に侵されているのがご両親だけだということ。呪詛は呪いとは違い、害を加える相手を指定できません。なのに、"貴女だけ"何ともなかった。これは二つの可能性があります。一つは何らかの原因によって、貴女に呪詛に対する耐性が付いていた場合。二つ目が、貴女が呪詛を撒いていた場合。呪詛や呪いは、出した本人はその影響を受けませんから、辻褄が合います。二つ目の根拠が、彼女です」

そう言って蠱毒が視線を向けた先に居たのは、稲荷だった。

「洋子さん、貴女は、貴女を産んだのは、稲荷です」

「そんなはずない!私は、私はお父さんとお母さんの娘よ!現に生まれたばかりの頃の私の写真を見せてくれたこともあったもの!」

否定の叫びの後に話出したのは、洋子の母親だった。

「洋子、ごめんなさい。貴女は、私たちの血の繋がった親子ではないの」

「そんな・・・・・・」

体を辛そうにしながら言ったその言葉で、洋子は膝から崩れ落ちた。

「私たちの間に子供は恵まれなかった。そんな時に、お稲荷様から貴女を預かったの。洋子という名前は、預かった時に告げられた言葉を、私が勘違いして付けたものよ」

「勘違い・・・・・・?」

「そこから先は妾が話そう」

それまで立っているだけだった稲荷が口を開き、徐に話を始めた。

「妾がお前を産む前のことじゃ・・・・・・。

妾はとある人間の男に恋をした。恋愛はおろか、生殖本能すら無くなった妾たち稲荷狐にとって、その感情はほんに新鮮なものじゃった。その男は、これと言って秀でた才を持つ訳でもなく、容姿も端麗ではなかったが、妾の知らぬ愛に溢れておった。分け隔てなく誰にでも真摯で、優しい人間じゃった。妾はそれまでも幾度となく人間と出会ってきたが、あれ程までに一人の人間に夢中になったのは初めてのことじゃった。そうして、妾の方から交際を申し出て、やがて初夜を迎えたのじゃ。妾は子までは望んでおらなんだが、不思議なことにその夜のただ一度で、妾は孕んだ。日を追う毎に膨らみゆく胎が、妾には玉のように大切に思えた。妾は愛を知った。しかし、運命とは残酷なものでの、ある日突然、夫が病に倒れてしもうたのじゃ。流行病で、医者にもう半年ともたないと言われた。妾の腹が膨らむ度、夫は衰弱していった。そして、お前を産んだ日、夫は旅立った。生まれたばかりのお前を抱え、夫の葬式に出た時、夫の親族たちは妾のことを挙って責め立てた。生まれたてのお前の頭には耳が、そして腰の下から尾が生えておったからじゃ。それで妾が狐であると知られてしまったのじゃ。親族たちは、呪いやら化け物やらと、酷く妾たちのことを罵った。しかも、お前のことを忌み子と呼んで殺そうと言い出したのじゃ。妾は怖くなった。夫の忘れ形見であるお前を失うことだけは、どうしても嫌じゃった。逃げ出した。大雨の降る中を唯ひたすらに走り抜けた。そうして逃げ延びた先がこの店街じゃった。そこには、子宝に恵まれず、嘆いておる夫婦がおった。お前を育ててくれた両親じゃ。妾はお前の耳と尾を術で隠し、力も封じて、その夫婦にお前を託すことにした。奴らに見つかれば、今度こそお前を殺されてしまうと思ったからじゃ。許されるならば、妾がお前を育てたかったが、妾と居るのを見られれば、お前の容姿がどれだけ変わろうとも、必ず判ってしまう。じゃから妾は、お前を預けた後あの祠に隠れ住むことにした。さっき言っておった名前と勘違いした言葉というのは、妾がお前を託した時に言った言葉じゃろう。隠したままにしておくのは、騙すようで忍びなくなったから、妾はお前が妖狐であると伝えた。その解釈を違えて付けられたのが、洋子という名前だったのじゃろう」

一通り話し終えた稲荷の目には、涙が滲んでいた。

「これが、二つ目の根拠です」

「で、でも、さっきの話だと、私の力は封印されたって」

「妾の力が遺伝したのじゃろうな、自分で思っていたよりも、遥かに強い力に目覚めてしまって、妾の封印が解かれてしもうたのじゃ」

「私はこれを、昨日洋子さんがお茶を取りに戻っている間に聞いたんです」

「私だけ、私だけが知らなかったの?私は、お父さんとお母さんの本当の子供じゃなかったの?私が、お父さんとお母さんを苦しめてたの?それじゃあ私は、一体何のために生まれてきたっていうの?」

洋子は座り込んだまま泣き始めた。泣き声を次第に大きくしていく洋子を、母親は手を何度も突きながら寄り添い、抱きしめた。

「確かに私たちは血は繋がってないわ。貴女だけ真実を知らなかったのも事実。でもね、私たちは洋子を本気で愛しているわ。命を懸けても守りたいと、そう思っている」

父親も遅れながら洋子たちを抱きしめる。

「お前を預かってから過ごしてきた日々も、掛けてきた言葉も、分かちあってきた感情も、その何もかもに嘘偽りはなかった。洋子、お前は紛れもなく、うちの子だ」

「何のために生まれてきた訳じゃなくていいの。貴女が生きている、唯それだけで私たちは幸せなのよ」

「苦しんだだなんで思っていない。お前が人間だろうがそうでなかろうが関係ない。俺たちの娘であることに変わりはない」

「「洋子、生まれてきてくれて、ありがとう」」

「お父さん、お母さん・・・・・・」

「この子を託して良かった。こんなにも幸せな気持ちは初めてじゃ」

稲荷は抱き合う三人の家族を見ながら、蠱毒の隣で小さく言うと、顔を袖で覆った。

三人の泣き声が穏やかな波紋となり、朝日が差し込んで明るくなった部屋中に響く。商店街は少しずつ喧騒を鳴らし始めていた。朝の訪れである。





















それから数日後、洋子は家を出た。蠱毒の事務所に住み込みで働くことに決めたのだ。洋子が事務所で働き始めて暫く経った日、洋子は蠱毒に一つの質問をした。

「力の封じ直すことができなかったのに、どうして蠱毒さんは、私の呪詛の影響を受けないのですか?」

「ああ、私も妖怪ですから」

「随分とあっさり答えるではないか。妾が言おうとした時は、恐ろしい形相で睨み付けてきたくせに」

洋子が働き出してから、稲荷も頻繁に事務所を訪ねるようになった。今ではほとんど住人である。

「自分からしか言わないことに決めているだけさ」

「・・・・・・ずっと思っておったのじゃが、妾と洋子とで扱いが違いすぎはせんか?」

「当たり前だろう?謙虚で誰かのために動ける洋子さんと、図々しくて自分勝手な誰かさんとでは、扱いの差が出ても仕方ないだろう」

「なんじゃと〜!!」

静かな街の郊外の小さな喫茶店のような探偵事務所は、あっという間に騒がしい程賑やかな場所になった。


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