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おいらの名前は『クロ』だ

おいらの名前は『クロ』だ。

なんでクロなのかというと、パパや太郎や他の人間がおいらのことをクロって呼ぶからだ。

でもおいらの名前は『クロちゃん』の時もある。

なんでかっていうとママや人間のメスはたいてい『クロちゃん』って呼ぶからだ。

で、どっちで呼ばれるのが嬉しいかっていうと、…

『クロちゃん』はたいてい嬉しい。

でも『クロ』のほうがマックス嬉しかったりする。

『クロちゃん』はたいていママだし、だからたいてい『ごはん』なんだ。それにママはたいてい優しい。

『ごはん』は大事だ。

めっちゃ大事だ。


我々ワンコにとって生きがいを感じることは三つある。

『ごはん』と『かまってくれるん』と『散歩』だ。

それ以外にも生きがいを感じることはたまにあったりもするが、たいていはその三つだ。


『ごはん』は大事だ。

あの食感、あの美味しさ、そしてエネルギーがみなぎる感じ。

も~うなくてはならない、一日2回の日課だ。

なんなら一日5回あってもいい。

何故一日2回なんだ?


『かまってくれるん』は大事だ。

人間とワンコの絆を感じる行事だ。

愛情を感じる行事なんだ。

太古の昔から我々犬族と人間族は切っても切れない関係だった。

そこには愛情と使命が通っていたんだ。

我々犬族は人間族にとって必要な存在であり、逆も真なりだ。

我々は互いに素晴らしい関係だ。

『かまってくれるん』と『褒めてくれるん』があるからこそ我々犬族は狩りで役立つ存在として受け入れたし、生活を共にした。

我々の遺伝子の記憶の中には『人間=友』や『かまってくれるん=最高』が組み込まれている。

最近の犬族や人間族の中にはその遺伝子が薄れているようにも見受けられるが、遺伝子レベルの絆は今も廃れていないと思う。

『かまってくれるん』は『絆』の大本だ。

大事だ。


『散歩』は大事だ。

『散歩』は外の空気が吸える。

我々犬族が好きな空気だ。

『外』では走り回れる。

昔は外では狩りができて、『とっても褒めてくれるん』があったのだ。

外での匂いは重要だ。

様々な情報をもたらしてくれる。

色んな動物の情報、色んな植物の情報。

縄張りの情報、敵の情報、『!』な情報。

我々はそうやって情報を集めることができるし、そこには我々の存在意義があるのだ。

『散歩』=『外』だから大事なのだ。

ちなみにウンチも外の方が気持ちいい。


『クロ』の方が嬉しい理由は、もうお気づきの方もいるだろう。

『クロ』と呼ばれた場合の中には『かまってくれるん』が潜んでいるのだ。

特に太郎の『クロ』ってのはたいてい『かまってくれるん』なんだ。

中でも太郎⇒散歩⇒公園⇒ボール投げともなれば、そこには『とってもかまってくれるん』と『とっても褒めてくれるん』が内在する。

太郎は何度も何度も『クロ』って呼ぶんだ。

『とっても褒めてくれるん』があった日には本当に生きてて良かったって思える。


そういう訳だ。


おいらの名前は『クロ』だ。

いいだろ?

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