第八話ブラッククロイツ号
椛を連れてにとりの工房まで戻って来た斬夜達、
「にとり、戻って来たぞ」
「ありゃ、椛まで連れてきちゃったの!?」
「完敗でしたから」
「こりゃあマズイよ!!」
「ささっとここ妖怪の山から
動きたいんだが」
「仕方ないからさっそくしたに降りよう」
「やっぱり下が有るのか」
「それに見た方が早いしね」
「わかった行こう」
そう言ってにとりの先導で下に降りるエレベーターに乗る斬夜達。
「これは!!」
エレベーターを降りた斬夜達の前に漆黒の船が鎮座する。
「この船が君にあげたい船だよ」
「かなりカッコいいな」
その船は漆黒に船底に十字に成ると思われる白いラインがありマストには黒い布地に白で縁取られた十字架が描かれているかなりの大きさの船だった。
「この船はなんでこんなに黒く十字架を強調したデザインなんだ?」
「さぁー自分でもわからないんだ
その時はこのデザインにしようと思って作ったんだ、嫌だったかい?」
「いや、滅茶苦茶しっくりくる
デザインで気に入った」
「なら船の名前を決めてくれ
私だと良い名前が出ないんだ」
「ブラッククロイツ号」
「確かにこれだけ十字架を強調したデザインならそうなるよな」
「ブラックの意味は解るけど
クロイツって何?」
「ドイツ語で十字架だ」
「良いですね、なんかわかりませんがこの船にしっくりくる名前です」
「あややや、なかなかカッコいい名前の船になりましたね」
「さしずめ私等は十字軍だな」
「そうだな、、、」
「なら私達の海賊団名も十字軍海賊団で良いんじゃない?」
「、、、いや」
「なんか良い名前でも有るんですか?」
「ファンタジアクルセイダー海賊団だな」
「意味は?」
「幻想十字軍海賊団」
「良いわね、それ」
「良いな!」
「良いですね!!」
「あややや、良いですねその名前」
「私は従うだけです」
「決まりだね」
「なら俺達は今日からファンタジアクルセイダー海賊だな」
「それなら海賊旗を書くけど構図の注文は?」
「ドクロと交差する片刃剣、
その後ろに白いラインで十字架だな」
「了解、少し待っててね」
「ああ」
斬夜達が待ってるとにとりが黒い布地を持って来る。
「これだけどどう?」
そう言ってにとりが黒い布を広げる。
「ああ、悪くない
注文した通りの出来だ」
「良いわね」
「なんかしっくりくるな」
「違う世界に住んでた私達が交わる感じで滅茶苦茶合ってると思います
」
「あややや何なんでしょうね
このパズルがピッタリはまる感じは?」
「わかりませんが、その気持ちはわかります、文さん」
「とりあえず海賊旗も決まったし
出港準備だな」
『おー!!!!!』
こうして斬夜は海賊になり冒険を始める事にした。
この海賊団の結成が幻想郷全土を揺るがす大異変に繋がって行く。