【完結】魔術を禁じられた天才魔術師、婚約者を救うため本気出す

　この世界では魔術適性のある者は15歳となると成人の儀式を経て魔術師となり、魔術の技量によってランク付けされる。

　ダリア村のシオンは名門魔術師のエスタリオル家に産まれ、伝説の魔術師と呼ばれた曾祖父と瓜二つの外見から将来を嘱望されていた。

　しかし、シオンは成人の儀式で非常に珍しい魔術特性「サクリファイス」を持つと判定される。

　強力ながらマナの代わりにライフを消費して使う魔術であり、魔術の使用自体が命に関わるため、
魔術の使用にドクターストップがかかり、実用性がないため魔術師としての技量ゼロのランクEとされてしまった。

　魔術師の道を捨て、村で教師として働くことに。

　一方、シオンの幼馴染で婚約者のベアトリーチェは成人の儀式で強力な回復魔法を扱えるランクBと判定され、王国に招かれて優秀な王国魔術師として出世街道を順調に歩んでいた。ベアトリーチェが仕える第3王子の誕生日パーティに、王国魔術師の婚約者として招かれたシオン。

　ところがパーティの最中、会場は反王国テロリストに占拠され、ベアトリーチェや王子も人質となってしまう。婚約者の危機を前に、ついにシオンは魔術の封印を解いたのだった。

※ハッピーエンドの物語です