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梨の実を落とす話

作者: 木之下 朔


 ごろんと、高いところから質量のある物が落ちる音がした。




ごん、ごとり。順番に確実に落ちていた。



ごとり。


それは重く、つやとみずみずしさを感じさせる梨の実だった。

見ただけで食べ頃だと分かるくらいに育ちきった梨。

なぜ、それが落ちているのか?



否、原因はすぐに分かった。



梨の木の上には子供が自分の手のひらより一回り大きなハサミを持って、丁寧に確実に梨の実を切り落としていた。なぜなのか?




どうしてこんなに美味しそうな梨の実を落とすのか?

今もせっせと実を落とし続ける子供に問いかけた。

子供は梨の実から視線を離さずに。


 「いらないから落とさなきゃならない」と答えた。


子供にこう訂正された。これは有りの実だから落とさなくてはならないのだと、梨ではなくて“有りの実”。一体どう違うのか?




重い音を立てて落とされ続ける有りの実をじっと見続けていた。




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