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エピローグ
大概、命の巡りというものは不自然なものだ。
どれだけ人を愛したところで、いつかは忘れてしまうから。
どれだけ嘘をついたところで、その輪廻から外れることはできないから。
……仮に。
その人生に、意味があったとして。その存在に、理由があったとして。果たして、その意味を、その理由を見出すことは、そんなに難しいことなのだろうか。
……少なくとも。俺に限って言うならば、それらは最初からわかっていた。それが、自分自身が望んだものであると、ちゃんと刻まれていた。
……だから。
「えっと、こんにちは」
……今度こそは。きっと、あなたを――。




