第5話:魔法について
「……見知らぬ天井だ」
俺は目が覚めてすぐそう口にした。まだ、頭が寝惚けていたこともあり、何ともテンプレ的な言葉を口にしていた。元々、朝にはとて弱い事もあり、そう口にして目を閉じ、二度寝しようとした時だった。扉がコンコンとノックされ「失礼致します」という声と共に扉がゆっくりと開かれる。
それによって頭が完全に覚醒した刀夜は体を起こし扉の方を見る。扉を開けて入って来たのはゼルバさんだった。ゼルバさんは扉を開けて入るとこちらを見て目が少しだけ見開かれた気がした。
「起きていらっしゃいましたか。着替えを持って参りましたので、机の上に置いておきます」
ゼルバさんが机の上に持ってきた着替えを机の上に置き、扉の近くまで戻ると何か思い出したかのか口を開く。
「朝食の準備が整っております。すぐ、お持ちいたしましょうか?」
そう言われ、少し考えた後返事を返す。
「……お願いします」
「分かりました。それと浴場の準備が出来ておりますがどう致しますか?」
「朝食の後に入らせて頂きます。着替えはあそこにあるのを着ますので大丈夫です」
「分かりました」
ゼルバさんはそう言い一礼して扉から出て行く。
ゼルバさんが部屋を出てすぐにベッドから降りて今日、読む書物を決める事にした。
昨日、読んだ書物はこの国と周辺国について書かれていた書物と種族について書かれていた書物だ。後、残っている書物は魔法について書いてある書物とステータスについて書かれている書物だ。
何故、書物の内容が分かったのかと言うと、魔法について書かれている書物の表紙に魔法についてと書かれており、ステータスについて書かれている書物の表紙にステータスについてと書かれていたからである。
正直に言うと、どちらの書物も四冊あった書物の中で特に興味の湧いた書物だったのだ。なので、どちらを読むか悩んでいる。
先に魔法について書かれてある、書物を先に読むのかステータスについて書かれてある、書物を先に読むのかに悩みに悩んだ結果、魔法について書いてある書物を先に読む事にした。
ちょうど次に読む書物を決め終わった時にコンコンと扉がノックされる。
「どうぞ」
「失礼致します。朝食を持って参りました」
ゼルバさんはそう言い朝食を運んで来て机の上に置いていく。
「ご食事がお済みになった頃に取りに来ますので」
ゼルバさんはそう言い一礼して扉から出て行く。
机の上に置かれた朝食はパン、スープ、サラダと至ってシンプルな朝食だ。パンをちぎって食べようとしたのだが、思いのほか硬かった。フランスパンほど硬くはないが、食パンと比べればかなり硬い。
まぁ、異世界だからという理由で気にせずにパンをちぎって食べるが、普通のパンよりも少し不味く感じた。
次は、パンをスープに付けて食べてみるとそこそこ美味しかったので、スープに付けて食べる事にした。その合間合間にサラダを食べる。食べている時に気がついたのだが、全然トイレに行きたくならないのだ。実は昨日から一度もトイレに行っていない。
それだけではなく、実はお腹も空かないのだ。でも、味覚があるので良かったと心の底から思う。
新たな発見もあったが、朝食を食べ終わり食休みをする事にした。
椅子に座ったまま、置かれていたお茶だと思われる飲み物をゆっくりと飲みながら、窓から見える景色を見る。食休みをし始めて5分ほどだった頃に扉がコンコンとノックされる。
「どうぞ」
「失礼致します」
ゼルバさんがそう言い部屋に入ってくる。
「朝食はお済みになったでしょうか?」
「はい」
「それでは、下げさせていただきます」
そう言い空になった食器をカートに乗せて部屋から出ていく。部屋から出ていく際に「こちらを片付けましたら、戻って参りますので、入浴の準備をお願いします」と言った後に一礼して扉から出て行った。
入浴の準備と言われても、特にこれと言ってする事がないので、ゼルバさんが来るのを待つ。
ゼルバさんが部屋を出て五分ほどで部屋がコンコンとノックされる。
「どうぞ」
すると「失礼致します」という声と共にゼルバさんが入ってくる。
「それでは、浴場までご案内致します」
「お願いします」
俺は着替えを持ちゼルバさんについて行く。数分歩くとゼルバさんが一つの扉の前で止まる。
「ここでございます」
「ありがとうございます」
「何かございましたら、お呼びください。こちらで、待機して起きますので」
「分かりました」
俺はそういい、扉を開け中に入る。そした、籠に着替えを置き、服を脱ぎ、奥に進み一つの扉があったので扉を開け中に入る。すると、そこらの銭湯の倍ほどの大きさのお風呂があった。
ここまで、大きいお風呂は初めて見た為、驚いてしばし動きが止まる。少しの間、呆然とお風呂を見ていたが、ハッとなり洗い場まで行き、身体を洗おうとしたがこの際なので翼と尻尾がどんなのかしっかりと見ながら洗う事にした。
翼と尻尾を出し、まずは、尻尾から見ていく。
尻尾はよくある先っぽが矢印のような悪魔の尻尾では無いが、それにかなり近い尻尾をしている。触ってみるとしっかりと触られている感覚があり、少し敏感な感じがする。
さわり心地はスベスベするみたいな感じだろうか。
次に翼を見てみる。見た目は竜の翼と蝙蝠の翼のいい所取りをしたような翼をしている。触ってみるとしっかりと触られている感覚がある。
さわり心地はなんと表現したらいいよか分からないが、触るのが癖になりそうになる感じだ。
翼の大きさはとても大きく片方の翼だけでも、1メートルは確実にあるり、下手すれば2メートル以上あってもおかしくない。それ程まで俺の翼は大きいのだ。
それから、少しの間、翼と尻尾を触り、それから、ようやく身体を洗う。勿論、翼と尻尾もだ。翼がとても洗いにくかった。
身体を洗い終え、ようやく湯船に肩まで浸かる。
「ふぅ~、気持ちいい~ 癒される~」
そんなことを呟きながらこれまでの疲れを癒す。
「……これから、どうなるのかな……俺」
これから、どうなるのかがとても心配になり、そんなことを呟いてしまう。
しばらくの間、思考したがのぼせない内に湯から出る事にした。翼をバタバタと羽ばたかせて翼を乾かせた後に、身体をタオルでふき着替える。
着替え終えて脱衣所から出て外でまっていたゼルバさんに部屋に連れて行かれた。
しばらく、ボーッとしていたが、書物を読む事にした。
「さてと、そろそろ、読むとするか」
そう口にして魔法について書いてある書物に手を伸ばす。
書物を開き目を走らせていく。
この世界には色々な属性が存在し、代表的な四つの属性の事を四大属性と呼ばれている。
四大属性には、火属性、水属性、土属性、風属性が存在する。
その他にも、光属性と闇属性があり、身体能力などを高める無属性魔法がある。
無属性は身体能力を強化する魔法や結界魔法、召喚魔法と言った魔法を凝縮して無属性魔法と呼ばれる。ただ、結界魔法や召喚魔法を使えるようになるかは生まれつきの才能に依存するらしい。
その他にも、希少属性と呼ばれる氷属性、雷属性、影属性、時空属性がある。氷属性、雷属性、影属性、時空属性は光属性、闇属性よりも珍しい。
精霊族だけが、使う事が出来る精霊魔法と言う魔法もあるが、精霊族と契約をする事で契約した精霊を通して精霊魔法を使う事が出来るようになる。
そもそも、あるのかですら、定かでは無いが、気象属性と呼ばれる伝説の属性が存在する。
気象属性はその名の通り、気象を操作する魔法と呼ばれている。
次に魔法には階級が存在する。
上から
神話級魔法
伝説級魔法
特級魔法
最上級魔法
上級魔法
中級魔法
下級魔法
と別けられる。
人族だけの基準で言うと
下級魔法は練習さえすれば基本的に誰にでも習得できる。(適性さえあれば)
中級魔法を使えるようにならば、魔法使い見習いを卒業したようなものだ。
魔法使いの七~八割程が中級魔法までしか使えない。
上級魔法は宮廷魔術師などが、使う事が出来る。
魔法使いの一割強程が上級魔法を使う事が出来る。
最上級魔法は宮廷魔術師長などの限られた才がある者しか使うことが出来ない。
特級魔法を使える人族は存在するが、ほぼ全てが伝説の人物である。
それ以上の階級の魔法を使える人族は居ないとされている。
魔法に長けている種族だった場合。例えばエルフではそのほとんどが、上級魔法が使えるらしい。
さも肝心な事だが魔法を使うには、その魔法の適性が必要である。人族のほとんどの者は1つの属性しか持たない者が多いい。
中には2属性以上の属性を持つ者もいる。
魔法が得意な種族でも多くて4から5属性の適性がある。勿論、例外もあるのだが。
適性とは、その者が生まれ持っての才能である。
だが魔人族や魔物などを含む、いくつかの種族は進化する事によって稀にではあるが適性が増える事がある。
適性が無ければその属性魔法は、使う事ができない。
魔法は、自分で新しく作り出す事ができる。
例えば、火属性魔法で剣の形をした火の塊を生み出したりと言った感じだ。
ある程度の実力がある魔法使いは、元々ある魔法を自分なりに作り変えて使っている者もいる。
魔法の使える者のほとんどが四大属性のどれかである。
再度説明する事もあるだろうが、説明する。
対の属性魔法と呼ばれる光属性魔法と闇属性魔法を使える者は、少ししかいない。
無属性魔法は、ほとんどの人族に適性があり、ほとんどの人族は無属性しか適性がない。
あるいは、無属性ではなく四大属性のどれかに適性があるかだ。
無属性魔法に分類それる召喚魔法や結界魔法などのいくつかの無属性魔法は才能がなくては使う事が出来ない、と言った魔法が多いい。
氷属性魔法、雷属性魔法、影属性魔法、時空属性魔法を使える者は、ほとんど存在しない。
この書物に書かれている魔法属性は全てではない可能性もあるが、現時点で確認されている魔法属性はこれだけだ。
最後に魔法の使い方は、身体に流れている魔力を操作し、自分自身が持つ適性の属性に魔力を変換して魔法を使うとされている。
だが、これは推測に過ぎない。
書物を読み終わり、書物から目を外し書物を閉じる。
「ふぅー」
書物を読み終わった書物の上に重ねて置く。
今日はこれ以上、読む気がしないのでラストの書物は明日読む事にした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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誤字脱字が多いいと思いますので誤字報告で教えて貰えれば嬉しいです。
アドバイスなど、してくれるととてもありがたいです。アドバイスよろしくお願いします。他にも何かあれば遠慮無くどうぞ。
この作品に良さそうな作品名があれば教えて下さい。
もしかすれば、その作品名にするかもしれませんご協力よろしくお願いします。
魔物の名前とかにあまり詳しくありません、なのでなんでもいいので教えて貰えれば嬉しいです。
スキルや武器などの特殊効果も教えていただければ嬉しいです。その際はどの様な能力かも教えていただければ助かります。
これからもこの作品をよろしくお願いします。