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第1話:二度目の人生の始まり

 なんだろうこの感じは俺の身体に何が起きたんだ?


 それに、周囲から悲鳴が聞こえてくるんだけど。


 俺は少し前に起きた事を思い出す。



「はぁ~。今日もだるいな~」


 そんな事を口走りながら毎日のように通っている通学路を歩いていた。


 いつも利用している通学路は人通りが多く俺の他にも学生やサラリーマンなどの人達が行き交っている。


 そんな中ふと立ち止まる。


 立ち止まったのに深い理由はなくただ何となくだ。


 そして、後ろを振り向くとフードを深く被り足取りが少しおかしな男と目が合う。


 すると、その男がニヤリと笑う。


 それを見た俺はなんかやばそうだなと思い前を向き歩き出す。


 歩き出し少しして横断歩道で止まる。


 俺は信号が変わるのを待っていると背中に衝撃を受け突き飛ばされる。


 俺はわけが分からなくなり思わず声が出てしまう。


「えっ?」


 そこえ、トラックが向かって来ているのが目に入った瞬間に身体に強い衝撃が走り吹き飛ばされる。



 そうだ、俺はトラックに引かれたんだ。


 まさか、こんなに早く死ぬ事になるなんて思わなかったな。


 少しずつ身体が冷えて来て意識が薄れていく。


 そんな中、最後に口走った事は。


「……死に…たく…ない…な」


 だった。


 この時を持ってある男の一度目の人生が幕を下ろした。




 とある世界のとある王国にある執務室での出来事。

 ――――――――――――――――――――――――


 扉がノックもなしに勢いよく開く。


「陛下! 大変です!!」


「騒々しいぞ。何があった」


 そう口にしたのはこの国の国王だ。


「落雷の森にて悪魔皇クラスの悪魔が生まれる兆しがあるとのことです!」


「なっ! 悪魔皇クラスの悪魔のだと! 至急騎士団を城壁前に集めろ! 冒険者ギルドに至急応援を要請しろ!」


「はっ!」


 報告をした男は敬礼をして急ぎ足に執務室を出て行く。


「はぁー」


 国王は溜息をつき机の端に置いてある鈴を鳴らす。


 チリンチリン


 鈴を鳴らすとすぐさま執事服を着た初老の男が入ってくる。


「お呼びでございましょうか?」


「先程の話聞いていたな」


「勿論でございます」


「話が早くて助かる。詳しい情報を集めてくれ」


「御意に」


 そう言い初老の男が執務室を出て行く。


 一人になっまた執務室で国王がポツリと口にする。


「またこの国に災厄が起きるのか」


 そう口にし自分がまだ幼かった頃から聞かされていた話を思い出す。


 その話とは。


 数百年前に悪魔が生まれた。


 その悪魔は近くに存在した小国を滅ぼし隣国であった王国に攻め入った。


 王国は戦えるものを掻き集め悪魔に挑んだ。


 その悪魔を討伐する事に成功した王国であったが、悪魔討伐に参加した者の約八割を犠牲にし、やっとの思いで討伐したという。


 周辺国も含めこの話は幅広く知られており、今では悪さをすると悪魔が来るぞと、駄々をこねる子供達に大人が言っているほどだ。


 そして、その災厄がこの国にまた起ころうとしているのだ。


 悪魔が生まれた事は問題ではあるがさほど問題ではない。


 それに、ただ悪魔が生まれたのであればここまで取り乱すこともなかった。


 では、何故ここまで取り乱しているのかと言うと今回生まれようとしている悪魔が問題なのだ。


 ここで、悪魔について少し説明する。


 悪魔には大きく三種類存在する。


 一つ目は魔素溜りから生まれてくる悪魔。


 二つ目は怨念などの負の感情から生まれてくる悪魔。


 三つ目は人為的に作られた悪魔。


 魔素溜りから生まれてくる悪魔はほとんど居らず数百年に一度、生まれてくるか来ないかと言う程度の確率でしか生まれてこない。


 怨念などの負の感情から生まれてくる悪魔はそこそこの数存在する。


 人為的に作られた悪魔は魔素溜りから生まれた悪魔によって悪魔にされた悪魔のことを言う。



 今回現れようとしている悪魔は魔素溜りから生まれてくる悪魔だ。


 これまで、魔素溜りから生まれてきた悪魔は両手で数えられる程しか現れていない。


 そして、魔素溜りから生まれてくる悪魔は今のところ例外なくほかの悪魔よりも圧倒的に強いのだ。


 数百年前に生まれてきた悪魔もこの魔素溜りから生まれてきた悪魔だった。



 国王がこれからについて思考を巡らせていると扉がノックされる。


 それに気が付いた国王は口を開く。


「入れ」


「失礼致します」


「オーギュストか」


「陛下。間もなく城壁前に集合致します」


「そうか、冒険者ギルドの方はどうなっている?」


 申し訳なさそうなオーギュストが答える。


「芳しくありません」


 国王がため息を吐くかのように言う。


「やはりか」


「如何なさいますか陛下」


「オーギュスト。済まないが精鋭百人程を選別し一足先に落雷の森に向かってくれ。残りの者達は物資を運びながら向かわせる」


「はっ!」


「済まないな。オーギュスト」


「何を言いますか陛下。俺はまだ死ぬつもりはありませんよ」


 弱々しく呟く。


「……そう…だな」


「それでは」


 そう言いオーギュストは執務室を出て行く。


 それから、少しして国王の執務室には宰相が訪れ落雷の森周辺にある村や都市などの人々を避難させている事などを報告して来た。


 その際にこれからの事について話し合う為に貴族を集め会議をする事になった。


 王都から落雷の森までは馬を使っても、五日~六日はかかる距離にある。


 ――――――――――――――――――――――――




 俺は意識を取り戻し困惑する。


 なぜなら、意識はあるのに身体の感覚が全くなくそれどころか身体が本当にあるのかすら疑わしいのだ。


 そして、俺はひとつの可能性に思い当たる。


 それは、死後の世界だ。


 何故そう思ったのかと言われれば身体の感覚がなくそれどころか身体が本当にあるのかすら疑わしいからとしか言えない。


 そして、それは唐突に起きた。


 急に立っている感覚がし始めたのだ。


 それだけではなく身体の感覚もだ。


 だが、身体を動かそうとしてもピクリとも動く気配がない。


 その事に困惑していると今まで何も聞こえていなかったのに急に色々な音や声が聞こえて来る。


 聞こえて来る音は雷が落ちる時になるゴロゴロと言う音。


 聞こえてくる声は雷の音がうるさく内容までは聞き取れない。


 それから、しばらくすると身体が動かせるようになった。


 そして、俺は目を開ける。


 最初はボヤけていたが、徐々にハッキリと見え始める。


 ハッキリと見えるようになると周りは木々に囲まれており雷が色んなところに降り注いでいる光景が目に入り驚く。


「……どこ…だよ…ここは」


 驚きながらも、周りを見渡していると俺を中心とする半径六十メートル程を囲むようにして統一された騎士鎧を着た集団が盾を構え、俺を囲んでいた事に気が付く。


「はっ?」


 俺は訳が分からないくなり困惑する。


 俺が困惑していると一人だけ違う騎士鎧を着た者が盾を構えたままゆっくりと近ずいてくる。


 それを見て逃げなきゃと思ったが、囲まれているので逃げられないことに気が付きあたふたしているとゆっくりと近ずいてきていた人が三十メートル程の距離で足を止める。


 近ずいてきていた人が足を止めて盾を構えたまま口を開く。


「交渉がしたい」


 そう言われまたもや困惑するのだった。



最後まで読んでいただきありがと御座います。


「いずれ魔王になりその先へ」も投稿しております。


面白い、次も読みたいなど思っていただけたらブックマークと評価お願いします。

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