占星伝説ファナティック☆フォーチュン
世は乱れていた!
襲い来る天災に
一向に減る気配の無い人災!
各国の首脳は頭を抱え
そのストレスを解消すべく国費で
温泉とマッサージに通う日々をおくっていた!
国費で!
彼らは考えた!
先人の知恵を借りよう!
先人達は国政に占い師を重用したという!
占いの結果に依存すれば女子受けはもちろん
我々になんの責任も無い!
オールオーケーだと!
ならば探すしか無い、世界一の占い師を!
薄暗い路地で違法に店を構える生活に疲れきった占い師達にこれほどの朗報は無かった!
もしも生き残る事が出来たならば
国費を湯水のように使う事が出来るのだ!
ここに、
占い師達の老後をかけたサバイバルが始まる!
「ふふふ、感じる!感じるぞ!!
この公民館が面接会場だな!?
「ほほほ、笑止!
「だ、だれだ!?
「私は…新宿東口の母!
「し、新宿東口の母だと!?
「左様!
新宿東口は私が腹を痛めて産んだも同然!
ならばタモリも私が産んだようなもの!
「確かに!なんと筋が通った言い分か!!
「ここが面接会場など一目瞭然!
案内板の出ている場所をあたかも占いで辿ったかに見せるなど片腹痛くてよ!!
「ふふふ
「な、何が可笑しくて!?
「案内板を見てここに辿り着いているようでは
勝負は見えたと言っているのだ!
「な、なんですって!?
あなたは本当に占いでここを割り出したと言うの!?
「否!
今時の占い師は文明を使いこなしてこそだと
私はそう言いたいのだ!大きめの声で!!
なのに優しいトーンで!!
「文明だと!?
「そうだ!
私はこいつに導かれここに辿り着いたのだ!
mixiの…メッセにな!!
「mixi!?
今時mixiですって!?
まだサービスを続けていたと言うの!?
「書いてあったのさ!
占い師募集のお誘い…とな!!
mixiを笑うものはmixiに泣く…
勝負あったな!新宿東口の母!!
刹那!
新宿東口の母の衣服は弾け飛び、
なんかよくわからない小物が飛び散った!
息がない…彼女は…絶命している!!
「こうなる事は初めから知っていた…
俺の占いでな!!
「ひょっひょっひょ…
「な、何奴!?
「ワシは…西国分寺の祖父!!
「に、西国分寺の祖父だと!?
「そうよ!
中央線が遅延する事を、ワシは全て見通してきたのよ!
「ふざけるな!
中央線が時間通りに走る事など有りはしない!
お前の占いはインチキだ!!
「ひょっひょっひょ
怖いのか?ワシの占力が?
優れた占い師ほど相手の占力を感じ取ることが出来る。さあ、その虫眼鏡でワシの占力を見てみるがいい…
「占い師が虫眼鏡を持っているのは必然!
ならば見せてもらおう…
貴様の占力を!!
パァン!!
無惨!
砕け散る虫眼鏡!
パラパラと舞う破片は皮肉にも勝負の行く末を占うようであった!!
「む…虫眼鏡が!?
故障だ!虫眼鏡の故障だ!!
「だとするとおぬしはその虫眼鏡が故障する事を占えていなかった…違うかね?
「ぐうの音も出ないとはこの事!!
「ワシの勝ちじゃ…悪いな!
若き占い師よ!!
刹那!
東松山の兄の体を真紅の炎が包んだ!!
彼は悲鳴をあげる間も無く灰と化した!
無論、絶命している!!
「さてと…随分時間をとってしまったのう
面接に遅れてしまうわい。
「グハハハハハ!!
「そ、その声は!?
「随分久しぶりだなあ、ジジイ!!
俺の占いではあんたの命は尽きているというのに…
しぶといジジイだぜ!!
「貴様は…大山ハッピーロードの父!!
「いかにも!
俺は板橋区を代表する商店街の父!
であれば、とんねるずは俺が育てたも同然!
「なんと理にかなった論理!!
「老いたな!
昔はあんたの占力を浴びただけで数々の占い師が震え上がったもんだが、今は…何も感じねえぜ!!
「ええい!若造が無礼な物言いよ!!
しかし、先程の戦いで占力を消費し過ぎたのは確か!!
この状態で奴に勝てるのか…
西国分寺の祖父の脳裏によぎる敗北の二文字
大山ハッピーロードの父はそれを見逃さない、
見逃すはずもなかった!!
「見えた!
吠えろ嵐よ!
フォーチュンタイフーン!!
なんと恐ろしき技よ!
吹き荒れる嵐!
その風に紛れ、なんか占い師がジャラジャラする棒みたいな奴が西国分寺の祖父を襲う!!
「ぐああああああああああおお!?
身体中に棒っぽい奴の突き刺さった西国分寺の祖父はピクリとも動かない…あたかもガラス玉のようにその眼は輝きを失っていた!!
これはまさに絶命していると判断出来よう!!
「中央線は遅延し過ぎたのよ…
東武東上線は…人身事故以外じゃ止まらねえ!!
「ケーッケッケッ!
「な、なんだ!?この不気味な笑い声は!?
大山ハッピーロードの父を襲う新たな刺客!?
奴は一体誰なのか!?
この国の覇権と国費を巡る熾烈な占いバトルロイヤルはまだ始まったばかり…
否!
まだ始まってもいないのだ!!
面接官はもう随分待っているが…
まだ誰も来ないのだ!!
to be continued…