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Repeated Vampire  作者: 比那名居 詩乃
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005【“暴走”】

凰華の午前中に終わらせる仕事が終わり、少女と一緒に、ショッピングモール内のゲームセンターへ向かう。

少女はさっきまでの服で、凰華はメイド服で歩いていた。

周囲の人からの目線は、初見の方からは「え?メイド…?」と驚かれ、顔見知りの方からは「凰華ちゃんも〇〇ちゃんもまた可愛くなったねぇ」と、褒められるくらい有名な人になっている。


凰華からすれば、これが当たり前の様に堂々と歩いているが、少女からすると吸血鬼だから恐れられてるのでは、と怯えて歩いていた。何せ、凰華が魔法で羽を消して居ることを知らないから。


「凰華ぁ〜、私ってそんなに怖そうに見える…?」


家では少し強気で喋る少女が、外に出るとこうなのだ。


「いえ、いつも通り可愛らしい、私の自慢のお嬢様です」


こういう姿は外の顔見知りの人達にとっては、「可愛いから飴玉あげようかな」と危ない目でくれる変な人も居れば、素直にあげてしまうご年配の方もいる。


少女にとって「これは毒かも」と思うものでも、いつも凰華が「ご親切な方ですから受け取りなさい」と言って、受け取る事がある。

結局素直に食べていれば美味しい飴玉なので、甘くて美味しそうに食べる少女の姿を見て、凰華やご年配の方は元気を貰っていた。


「凰華、着いたわね!閉店時間まで話しかけないでよね!」


さっきまでの動揺が嘘かのように、今まで通りの口調に戻して話す少女。


「わかりました」と、凰華が告げ、お腹がすいた用にお金も少し渡した。お金の入っているお財布の中に、なにか白い紙が入っていたのだが、凰華曰く「ピンチな時に見なさい。それまでは、見てはいけません」と言われた。

少し気になって見ようとしたが、隣から凰華の邪悪なオーラが感じて見るのを辞めた。


少女はゲームセンターへ、凰華は布地屋さんへ歩いて向かった。

少女は軽く3時間ほどゲームをやって、凰華は布地を買い終えたあと、優雅に休息をとっていた。


ショッピングモールの閉店時間が近ずき、凰華は少女を迎えに行った。すると、すぐに少女は凰華の元へ駆け寄った。

「いつもなら、1クレジット分待たせるのに、今日は早いですね」と凰華は言ったが、少女は目を輝かせながら、「行きたいところがあるの!」と私の手を引っ張りながら、その場所へ向かった。


引っ張られた先に向かうと、そこは宝石店だった。ひとつひとつの宝石の値段を見ると、馬鹿になるぐらい桁が多い。こんなの誰が買うんだ、って言うレベルで高かった。

お嬢様が「買って」なんて言い出したら、どうしようと、考えていた凰華であったが、少女はイラストが書いてある紙を持って定員さんに渡していた。

お嬢様曰く、ゲームしてる時にここの定員に話しかけられて今に至ると話していた。


「これ、集めたんだけど、これだけで宝石が貰えるって言うのは本当なの?」


あ、お嬢様が知らない人と話してる。凄い。

いやいやいや、その前に、あれってスタンプラリーか何かなのかな?いつの間に集めたんだろう…。


「本当ですよ〜!はい、可愛い君にはこの宝石をあげちゃうよ〜!ネックレスとか、ブレスレットにして欲しかったら言ってね?すぐに作れるからね〜!」


「じゃあ、凰華みたいにネックレス!!」


少女は凰華を指差して言った。定員は凰華の首にかけているペンダントをじっと見つめ、「わかりました〜」とネックレスにする作業に入った。


凰華は今、怯えていた。あの宝石に見覚えがあったから。凰華が今つけているペンダント、それと色は違うが、形が違う色の宝石だった。

凰華が持っているのは緑色の宝石。それは風属性を表している。

少女が欲しがって貰おうとしている宝石の色は赤。つまり、炎属性を表している。


吸血鬼が魔法少女には結界があるため、なれないから、ただ一部例外がいる。結界が弱い吸血鬼には、宝石を持った途端、力が暴走して強制的に無敵の魔法少女になってしまうのだ。


何もかも破壊してしまうような。たとえるなら、地球までも―。


目を輝かして宝石を待っている少女。「駄目」だと止めることがとても難しい。お嬢様の幸せを邪魔したくない。お嬢様にはずっと笑顔で居てもらいたい。

そう悩んでいる間にネックレスは出来てしまった。


「出来たよ〜!はい、これあげる!」


「ありがとう!」


少女は定員からネックレスを受け取って直ぐに首に掛けていた。

吸血鬼の例外、宝石に触れた瞬間の力の暴走。凰華は強い心構えをしていたが、その必要は無かったようだ。


「可愛いわね、凰華とお揃いね!」


笑顔でこちらにネックレスを自慢してきた。良かった、という気持ちが体全体から染み込んできた。

隣にあった少女の身長並みの大きさの鏡を見て、少女はずっとネックレスを見ていた。


「良かったですね。暴走しなくて」


そういったのは宝石店の定員だった。

定員は魔法少女についての宝石だと知っていて、お嬢様にさずけたのだろう、と思ったが、“暴走”という単語から、吸血鬼だと見抜いていることがわかる。


羽は消しているはずだと思っていたのだが、解けかけているのだろうと思ったが、そうでもなさそうだ。

さっきからニコニコと凰華を見ている。もしかしたら、凰華が魔法少女という事を知っているのかもしれない。


―もしくは、“女神”の関係者かもしれない。


女神、というのは魔法少女の敵である一番最高の序列にいるものである。他に、魔法少女の敵が吸血鬼であるように、魔法少女には敵という存在が多いかった。

吸血鬼は元々の力でも魔法少女に匹敵する。長年魔法少女をやっていても、勝てない魔法少女だっているのだ。

女神は魔法少女と吸血鬼を殺戮しようとする組織で、吸血鬼以上の力を有している。長年魔法少女をやっていても負けてしまうのが目に見えているだろう。


女神の一員だとしても、何故、魔法少女を増やすのか?


ずっと凰華にはそれが頭の中で引っかかっていた。

お嬢様はその宝石を見るのに満足したのか、凰華の服の裾を引っ張って「帰ろう?」という目で見ていた。

何もわからない状態であったが、その時はお嬢様に合わせて帰るとした。


ショッピングモールを出る数秒前、頭が少しくらっとした目眩にあった。それに気付いた少女は「凰華、大丈夫?」と心配してくれた。

凰華はこの目眩に見覚えがあった。


それは、寿命である。


ショッピングモールに来る前、少女に数L程、血と寿命を抜かれてある。元々、寿命が残り僅かなのは知っていたから、少女に分けたのも理由の一つである。

今来ている目眩の度数としてはそろそろ店内で倒れそうな具合。


でもそんな状態の中、不幸なことが起こった。

それは、ショッピングモールの出た先にある建物が凰華めがけて倒れていることであった。


今日の朝の嫌な予感はこの事だったのか。


と、凰華と少女は建物の転落やに巻き込まれた。

あとがきです。


眠いですね。


そして次の話か、その次の話ぐらいに、

吸血鬼の少女の名前が…!!!

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