002【私の仕事】
白と桃の色で構成された部屋で、物は散らかり放題で、そんな部屋で就寝している少女がいる。
その少女を起こさないと、私の一日が始まらない。それが私の中の勝手な約束。
「お嬢様起きてください。」
少女の体をゆさゆさと揺らす。それでも目の前にいる少女は起きない。私は少し呆れながら、
「早く起きないと今日の朝食もないですよ!」
と、目の前の少女に言うと、自慢のアホ毛を、ピンと伸ばしてゆっくりと体を起こして行く。
「おはよう、凰華。私は朝食が無くなると聞いて起きたのではないわ!それを言う前から起きていたの!」
と、顔を少し赤らめ気を張りながら言った。
あぁ、いつものお嬢様だ。
と、そう思いながら、私は今日も
お嬢様の従者としての仕事を始めた。
私はお嬢様の部屋の片付けから
掃除を始めた。
「このぬいぐるみ、昨日この棚に置いたはずです」「また壁に落書きしたんですか…」と、私はそう小声で言いながら片付けた。
隣で着替えながらゲームしていた少女は、その声に気付いたのか、むっ、とした顔でこちらを睨みつけてきた。
「な、なにがわるいのよ。そのぬいぐるみが元の場所に帰らなかっただけでしょう?」
そんな言い訳をする私のお嬢様。いつものように「可愛いなぁ」と思いながら、部屋を片付けていった。
お嬢様の部屋一通りの掃除を終えて、およそ10分。お嬢様は隣でまだ器用にゲームを続けていた。
朝食はいらないのかな、と思いながら私は部屋を退室。そして私は食事をする場所へ一歩、二歩、と進むと、お嬢様は慌てて部屋を退室してきた。
「ちょっと凰華!なに先に朝ごはん食べようとしてるのよ!私だってお腹すいているのよ!」
こちらに駆けてきながらお嬢様はそう言った。朝起きた時より怒っているような顔。
私はそんなお嬢様の頭をゆっくりと撫でた。
「そうですね。お嬢様だってお腹すいてますよね。今日も一緒に朝ごはん食べましょうか。今日はお嬢様の好きな苺のショートケーキもありますよ。」
私がそう言うと、撫でられたお嬢様は、笑顔で嬉しそうに、私の手を取って食事をする部屋へと駆けていった。
私はこの笑顔を絶対に守りたい。
と、そう思った。
あとがきです。
元々はこの話、前に使っていた携帯に
趣味(?)としてメモ帳に
書いていた話なのです。
一話からかなり改正しました。
二話もかなり改正…。なのであまり
話が進んでいないって感じです。
次の話も暇つぶし程度に見てね