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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

魔女青年は忌み子の幼女を拾う

作者: せせり

少女は体が痛くて痛くて。とてもお腹が空いていた。


街をさまよっていたら、忌み子は目に入るなと言われて、寄ってたかって殴ったり蹴られたりして

脚をつぶされてしまった。


もうその場から動けない少女はただ灰色の空をみあげていた。


「おや、珍しい色彩の子供だ。」


上から言葉が降ってくる少女の目に写ったのは青空。

じゃなくて青空のように透き通るように青い瞳と、闇のような長く黒い髪をもつ美しい青年だった。


「お嬢さん、とても美しい色をしているね。」


「うつ……くしく……なんか……ない……。みんな……嫌う……。」


少女は生まれつき、白髪に赤い瞳をもつ忌み子という存在だった。

その色彩は実の親すら嫌い、遠ざけられた。

そのぬけるように白い肌は日に当たるとひりひりといたみ赤くなる。

生まれたときからいいことなんか少しもなかった。


「そんなことないよ。とても美しい色だ。ちょうどボクと対みたいじゃないか。」


そういって青年はニコニコと笑った。


そして、ボロ布に包まれた少女を両手で抱き上げ目線を合わせて。


人に抱き上げられたことなど少女にはなく、どうすればいいかわからずに固まった。

その後バタバタと唯一動く手を動かした。


「は、はなして……!」


その少女の行動を気にせずに青年は少女の軽さに目を見張った。


「おや、とても軽いね。この色彩にそのなりじゃあもったいなよ。ボクのとこにおいでよ。

忌まれし者同士なかよくしようよ」


「い……いま……れしもの……?」


少女にはとても青年がそういうふうには見えなかった。

この辺では確かに黒髪は珍しいかもしれないけれど、それも含めて美しい人だったから。


「きれい……なのに……?」


そう言うと青年は一瞬キョトンとして、再び微笑む。


「ふふ、うれしいなぁ。ボクをきれいって言ってくれるなんて。」


ボクのことをおしえてあげるね、と少女の汚れた額に青年は自分の額を合わせた。


「ボクはね、人間に忌まれし人食い魔女のなかでもさらに珍しい男の魔女なんだよ。」


そう言って青年は少女を抱き包んだ。


「忌み同士仲良くしようね、雪のように白くて血のように赤いお嬢さん。」


はじめて包まれるぬくもりに少女はめまいがした。










その森には不吉な噂がある。


白い魔女が忌み子の青年をはべらせてくらしているらしい。

その魔女に見つかったものは青年によって排除され食べられてしまう、と。


その話を青年から聞かされた白い魔女、いや、銀にも光る白い髪に、宝石の様ににつややかで赤い瞳、雪のように透き通る肌を持つ稀に見る美女がふふっと笑った。


「ふふ、魔女は貴方で、私が忌み子なのにね。あなたは私を守ってくれているだけだもの。」


「当たり前だよ。ボクの宝物を笑うんだもの。ちょうどおなかいっぱいになっていいよ。」

と青年は不快そうな顔をして、美女を抱き上げる。


彼女は青年に義足をもらったが青年は自分が一緒にいるときは彼女をあるかせようとしなかった。

その献身をたまたま見てしまった人の証言でその噂は確かなものになっていくのだろう。


自分を抱き上げてくれる青年を美女は愛おしげに見つめると、少し悲しげに微笑む。


「私が本当に魔女だったらいいのに…。」


「大丈夫だよ。ボクは男の魔女だ。君を魔女にするくらいわけないよ。」


そんなことを言って、彼は彼女に木の義足をくれて、魔法を教えてはくれるが魔女にはしてくれなかった。

魔女は人をたべるものだと昔聞いたが、彼は人間を食べるが彼女に食べさせてくれたことは一度もなかったから。


「そう…だね。」


本当はその木で出来た脚は青年の一部が埋まっていて青年の魔力を彼女に送り込み続けているため、もう彼女も魔女のようなものなのだと気づくのには、彼女が成長が止まっていることに気づく数年後のことになる。


めでたしめでたし。

こういうの好きです…。

設定しっかりとできたら魔女青年が魔女青年たる由来とか、ふたりのほのぼの森ライフとか書くかもしれません。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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