_堕ちる_
_家族って。中学校編_
翌朝。いつもどうりに、学校に行ったのだが、何故か、校門の前に、あいつが居た。そして何かぶつぶつ呟いている…なんか、怖い。
まぁいいかと、前を通り抜けようとそのまま、進んでいくと、俺の存在に気づいて、走ってこっちに来た。後ろに誰か居るのかと、後ろを振り向くが誰も居ない。何か叫びながら、こちらに来ている…。
「先に帰るなよーーーー!!!!この薄情者がぁ!!!!」
ようやく聞こえたが、うるさすぎて耳を塞ぐ。
「昨日待っててって言ったよね!!!?なんで帰ったの!!?」
面倒くさかったからと言うと、余計に、面倒くさいことになると思ったので、俺は敢えてこう言う。
「いや、昨日は、晩飯の当番だったんだ。すまなかったね。」と。
そうすれば、単純なこいつは、すぐに、
「そうだったんだ、それは知らなかったよ!無理言ってごめんね?」
ほら、すぐに信じる。
まぁ、そこから話が、進展していくこともなく、二人共無言で、教室に入った。
俺は、この時、何も話していない空間も、あいつと居れることにも、少しの嬉しさが存在することに気づいた。
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そこからまたいつものような日々が進み、一年が終わった。
二年になって、クラスは、またしてもA組、まぁ、二クラスしかないから、二択なんだよね。確かあいつも同じクラスだったはずだ。
しかし、あいつは、学年が上がってから、否、正確には、一年の時の後半くらいから学校に来なくなった。何かあったのだろうかと、少し心配はするが、特に行動には起こさなかった。でも、この時に、あいつに何があったかを知っていれば、こうはならなかったはずなのだ。
でも、結局のところ、それを知ったところで、何もできなかっただろうが、知らないよりかは、知っておきたかった___。
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気づいた時には、病院に居た。
病室のベッドには、あいつが、力なく横たわっていた。俺は、先ほど医者に説明してもらったことを、思い出していた。
・・・
「この子は、先ほど事故に遭い、搬送されてきたのだけど、頭の損傷が激しく完全に治すことはできないだろう、目覚めるとは思うがね、まず、記憶はほとんどないだろう___。」
・・・
あぁ、絶望だ。また数少ない大切な人が消えていく。頼む…お願いだよ、もう連れて行かないでくれよ。
大切な人…そうかあいつはもう、俺の中で大切な存在になっていたんだな。大切な人達を連れていくなら、俺も一緒に連れて行ってくれればいいのになぁ。
後から聞いた話では、あいつは、去年から、いじめられていたらしい。あいつは一人でそれに耐えていたんだ。俺にも相談しないで、母親にもしていなかったらしい。それでも先生に相談していたらしいが、個別に、いじめていた奴らに指導をして、余計に、いじめは、ヒートアップしたそうだ。まさに八方ふさがり。”悔しい”どうしてあいつが、なんて思ったが、原因には、心当たりがあった。”俺”だ。俺が、あいつと関わらなければ、あいつはいじめられずに済んだのではないか?
結局、悪いのは、すべて俺なのだ…。
俺は、その時のあいつの顔は、顔色が悪く、まるで死んでいるようにも見えた。悲しいなぁ。これほど悲しくなるのは、母以外居ないと思っていた。もう嫌だ、大切な人を無くすのは、もう嫌だ、この悲しみを感じるのが、もう、何も感じたくない。そう思うと、涙が止まらなくなった。この涙すらも出なくなってしまえばいいと、この、感情すらもなくなればいいと思った。
助けて、助けてよ、あの日のように、僕を、絶望から救い出してよ_____父さん___。