ネッ活!! プロローグ
夢を見るんだ。名前も顔も知らない人を、愛する夢を。
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ピピピピ!ピピピピ!!
「んーっっっ、あぁぁ!!・・・もう朝か。」
月時 奏翔。俺の名前だ。
「久しぶりだな、この夢・・・」
今は朝の10時。ちなみに金曜日だ。
そして俺は中学生。普通なら学校に行っている時間だ。しかし、俺は訳あって学校に行くことを拒否している。別に学校が嫌いなわけでも、いじめられているわけでもない。
俺には"やりたいこと"がある。
それだけだ。
そのやりたいことってのは・・・
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「・・・ーい、おーい・・・、起きろ!!」
「はっ!!」
「授業中に寝て、さらに変な事をペラペラ言うとは・・・ある意味すごいぞお前。ある意味。」
「えへへ。」
「えへへ。じゃない!月時は今日の放課後、教室にのこること!楽しい楽しい補習を用意しとくよぉ☆」
「・・・へーい。」
我ながらすごいと思う。夢の中で夢を見れるのだから。
そう。やりたいことのために学校休んでそれでもなお、かっこつけられるような俺ではない。
俺の名前は月時奏翔。夢の中でなぜ俺は自己紹介をしていたのだろう・・・(笑)
・・・いや、今もか。
そして、普通の世界に生きていて、ごく普通の中学生と同じような生活を送っている。
・・・一部を除いて。
「あー!異世界転生とかしないかなー!!」
「うるさーい!!」
「あ、ご、ごめんなさい・・・」
しまった。まだ授業中だったか。
(うぅ・・・眠い・・・)
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キーンコーンカーンコーン♪
「ありがとうございました・・・」
「今度は寝るなよー」
やっと補習が終わった。・・・っ、宿題増やされた。
「あーあ。もうこんな時間か・・・今日も"録れない"かな・・・いや、急いで帰ればまだ間に合う!!」
テニス部で鍛えた体は人並みに体力はある。
全力で俺は家まで走った。
「はぁ、はぁ!着・・・いた。」
急いで家の中に入り、自分の部屋へ向かう。
「ただいまー」
・・・
「そりゃ、そっか。」
自分の部屋に入った俺はカバンを置いて、手を洗いに行き、そして、
ヘッドホンを着け、マイクの前に立つ。
「wow、wow〜!」
そう、俺は【歌い手】なんだ!!