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『第四話』

さてさて、前回の続きになります今回はっ?


久しぶりの”Ark”こと自分パートですねっ!


てな訳でっ!


始まり始まりっ!




 淡いブルーの光がゆらゆらと揺れながら天井から差し込む。

 月明かりにも似た柔らかな光跡を辿る様に僕はゆっくりと天井を仰ぐ。



「オファニエルとは、まるで滑稽だね」



 役5〜6mはあろう高さの扇型の壁一面に貼り付けられたステンドグラス。


 そこには肩幅の三倍はあろうコバルトの両翼を広げ月を司ると言われのある堕天使が人々の頭上に降り立つ様が描かれている。



「それにしても、まさか公江市駅ビル内に、こんな穴場があるとはねっ…ははっ」



 どこぞの潰れた会館か映画館を再利用したのか。

 周りを取り囲むかのようにある旧世紀風の王都をイメージしたのか。



 まるでリアルにVRMMOを体験してるかのような酒場(バー)の、黒々とした木製の机に手をかけ、グラスを転がす。



「しっかし雰囲気はいいにしろ、客層と店内のギャップがねぇ。ま、かと言って仮装パーティしろとは言わないけどな…はは」




 この店のオーナーの趣味なのだろうか、店内を着飾るように並べられた。

 欧州貴族が愛用する白銀食器の数々。



 それ等を手に持ち賑わうサラリーマン筆頭の客層とのギャップ感に思わず苦笑する。



「あら? そんな三下を見るような台詞を吐く割には、嗚九亜くんの容姿は」


「そ、ソレも踏まえての事なんだから別に」


「へえ? 流石は、文芸部顧問ことジャージくんだわ? でもあたしも、まさかこんな大それた場所とは予想外だったかもね」



 と、まるで海外旅行初めてです的な仕草で、片手をデコに添えながらキョロリとする。

 こんな場所に待ち合わせをした言い出しっぺの人物こと蘭先生は、人の服装をとやかく言う以前に。


 僕の普段着にもなるジャージとあまり変わらないピンク色のパーカーに、ジーンズ姿なのである。





       ◆◇




「なるほど、夏目(なつめ)(そう)くんって言うんだ。又何時もの名前だけの幽霊くんなのかしらね」



 パサリと手渡された用紙に眼を通しては、うんうんとうなづく。



 「又何時もの」と、もう既に聴き慣れた事を言うのはまぁ、常日頃からの新入部員特有のパターンでもあり。

 ソレが当たり前にもなるのだが。



 裏側の人物ばかり増える日常を、見事にひっくり返えすような出来事を、蘭先生に告げ、


 僕は、あの真っ直ぐで真面目くんな、阿久津(あくつ)くんと同じ、珍しく表側の部員だと堂々と告げる。



「へ…え?」



 と、蘭先生は、飲みかけのグラスをテーブルに置き。少し驚きの表情と、

 今現在進行系の廃部関連を打破する希望にも似た複雑な表情なんだが。



「ならこんな場所で油売っている時間はないわね」


「へ?」


「へじゃないっ!明日の部活、ちゃんと顧問らしく顔を出す!」


「いや、でもあの廃部届け以来ちょっ」


「却下!」


「で、ですよね〜」



 とまぁ、顧問らしくと元気よく肩をバンバン叩かれながら。

 後押し所か、半強制にもなる蘭先生。


 今更あの部活に顔を出したとして、確実に、阿久津くん筆頭に、「何か用ですか? 私達忙しいのでw」と、追い出されるのは目に見えている。



 いや、僕自身が顧問らしい事をまるっきしやらず。あまりにも顔を出さすサボりすぎた鉢が当たるのは当然でもあり。



「でもまぁ、突っ込まれ覚悟で顔を見せてみるかな…はは」


 その次の日、部室のドアに立ち止まり、まるっきしダメ顧問のレッテルをお二人さんに貼られるマイナス思考に悩まされながら、

 つい又何時もの天パ気味の髪を搔きむしりもはやお約束な台詞を吐く…



「まいったなぁ」と?






つづくっ!



そんな訳でっ。続きましては、次回。


阿 夜潮さんパートを”お楽しみに”っ!

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