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『第一話』

はい、大変お待たせいたしました。

三名の作者にてお送りいたします。

プロローグ→眼さん

第一話→Ark

第二話→阿さん


での順番で行きます。この学園リレー作品を、どうか宜しくお願いしますっ。


 



「お客さん、『冒険王』忘れてますですよ!」

「…」

「あのっ! 冒険…」


 なんとも突拍子も無い声を張り上げながら右手に持つライトノベルを振りかざすレジ係。

わざとらしくなのか、早朝で賑わいを見せるモック店内にこだまする店員の声に各々が集中する。



 元気よく本の持ち主を呼びまくる店員に対し「あーすみません」と、小声混じりに軽く会釈。


 僕は店内中が注目する中を、まるでどこぞやの表彰台の如く手渡された本を受け取る。

マジで目立ってやがる。



 同時に会計分の金額をレジテーブルに乱雑にで置き、「お釣りは…」と、レジでモタつく店員の声を他所に、そそくさと店を出る。


 背後からの少し笑いにも似た騒めきを気にしたら…うん。

でもこのこっぱずかしい事態を招いた張本人こと、『冒険王四巻』は、文字どおり、難しい哲学や専門書とはまるっきしかけ離れた中高生を中心に学生が親しむライトノベルだ。


 ソレを手に持ち、空いている手で愛車のキーを押す僕こと。嗚九亜(あくあ)純一(じゅんいち)は、無造作に助手席シートに置く、生物学資料や。ある学生にオススメにと渡された『冒険王』が意味するように。公江高校教師と言う職業かつ、何故かなり行き的に文芸部の顧問をさせられている。



 ま、このご時世、僕と同じ年の友達等は、未だ職に有り付けずバイト先を転々とする有様と比べればまだありがたい方だとは思う。


「あ、いけね」


 ふと、青信号なのか、バックミラー越しにクラクションを鳴らすサラリーマンを横目にスロットルを開く。

 小気味よいエキゾーストを耳に、このご時世趣味にもなる愛車いじりが出来る幸せを噛み締めながら、公江駅前から国道を抜けた市街。周りを取り囲む街並みの中じゃ、一際目立っている公江高等学校裏門に、ミニを滑らせた。






                    ◆◇





「アンタ又なんかやらかしたでしょ!」


「え? まさか”校内盗撮疑惑”が⁉︎つか僕じゃな」


「ナニを早とちりしてるのよ」と、すこし睨みを利かせている目の前の茶髪の女性こと、前回での僕がしでかした一件での解決に一躍お世話になった人物。


 現代文担当の、酒匂(さかわ)(らん)が「今回アタシはお手上げ」やらで困り果てている。


 まぁ前回同様。本来彼女が顧問になる筈の”文芸部”を無理やり押し付け逃げた張本人でもあり。多分、その部事態が何らかでお亡くなりになれば、当然色々と彼女に取りマイナスなんだろう。


    ―――で?


「あんの校長の企みだわ! しかも教頭直々に廃部関係書類を突きつけ」


「やだ」


「アンタがその顧問だろうが! 全く、アタシの立場も考えてよ!元はと言えば」


 とまぁ。その廃部書類を欄ちゃん経由で渡して来た教頭もしかり。多分、又うちの部の唯一現存する一名の生徒が何らかでのこの学校の闇?を目撃したのだろうか。

 ま、顧問とははなはだおかしいようなマジもんで真面に活動している生徒は部長ただ一人、その他は存在自体が怪しい幽霊さんと来たもんだからもう別にどうでもなんだけどね。



 僕は、少しクセのある髪をくしゃりとしながら、放課後の部室にて、真面目すぎる部長さんに今現在の廃部書類を含む新たな問題を聞きに行く予定だ。


 まぁ前回同様いつものことでもあるけどねっ。



     つづくっ!

てな訳でっ!


次回もお楽しみに?



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