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才能に見放された魔物使い  作者: あのときの饅頭
3/4

1-3 ライム隊、初戦闘

 投稿が遅れてしまい申し訳ありません、書置きも込みでまさか主人公含め4人しか名前が決まっていないとは。

 そのせいかはともかく、遅れてしまいました、本当にすいません…。

 それからこのような作品にブックマークをしてくださった方、まだ始めたばかりですがこれからもご期待にそえるよう、頑張らせていただきます。

{改}1/30に読みやすいように変更しました。

今日のケイタの朝は特に早い、何故ならばライム達に魔法を教えなければならないからである。それでもこの宿の主人はもっと早かったようだ。


「おはようございます」

「おはよう、今日はかなり早いね」


 それもそのはず、まだ日が昇ったのを確認できる位の時間だ。他の人間は大抵まだ眠っている、起きているのは下準備が必要な人位なものだ。


「朝早くから頼むのもアレですけど朝食の方はお願いできますかね」

「それなら問題ないよ、丁度準備が出来た頃だ、少し待ってな」


 少しして朝食が出てくる、今日は穀物を炊いたもののようだ、さながらご飯のようではある。まぁ玄米よりだが。


「へぇ、これもなかなかいいな」


 そうして朝食を食べ終わった頃には日が昇りきったあたりの時間だ。そろそろ動くことにする。



「すいませーん」

「随分お早いですね、もう開いてますよ」


 勿論来たのは図書館だ。今回は魔法についてなので時間もそれなりに掛かるだろうし早いところ済ませたい。


「魔法関係の本はどこにありますか」

「魔法は魔物関係の棚の奥です」

「わかりました」


 言われたように昨日見ていた魔物関係の棚の奥の棚、即ち魔法関係の棚を見る。魔物関係の本もそうだが随分と厚い本が並んでいる、これだけ揃うとなかなか壮観だ。

 早速本を手に取って見る。


 さて魔法をライム達に教える前に魔法について説明しよう。まず、魔法は火、水、土、風を中心として光、闇と続く、さらに、回復魔法、防御魔法、召喚魔法、空間魔法、妨害魔法となる。ライム達には妨害魔法以外を教えることにする、因みに何故妨害魔法を外したかというと、妨害魔法は対象の能力に干渉、低下させる魔法なので対象との能力差がありすぎると効果がないのだ。そんな訳なので妨害魔法以外をライム達に教えていく。また魔法というのは面白いもので同時に魔法を使用すると放たれた魔法同士が反応し相乗効果をもたらす、頭数の分、2も乗数ずつ威力が上がるということらしい。魔法ってすげえのな。まぁ先に魔法を教えてからだ。


「まず、そこに整列しろ」


 俺の掛け声とともにライム達が並んでいく。意外と素早く動いているので大所帯になっても問題ないかもしれない。


「よし、じゃあ早速教えていくぞ」



 それから昼になるまで講義は続いた。かなり時間をかけたので色々と教えることが出来た。まず魔法、とりあえず消費量のことも考えおおよそ初級魔法のみにとどめた。次に陣形、基本は俺を中心として十二時の方向に防御部隊、一時の方向と二時の方向、さらに十時の方向と十一時の方向に各属性魔法部隊、四時の方向に回復部隊、八時の方向に空間部隊、五時の方向と七時の方向に光魔法部隊と闇魔法部隊、六時の方向に召喚部隊とする。これで警戒、索敵を行う。さらに各部隊の名称を簡略化、また今いる10体を各部隊の隊長とする。それから俺の指示なしに溶解、吸収することを禁じた。



 図書館を出てかなりの手練のスライムとなったライム達に分裂の許可を出した、がこれがいけなかった。

 半日以上魔力を溜め込んだライム達はあっという間に分裂し瞬く間に百匹を越した。はっきり言って足の踏み場がない。よもやこれ程とは、恐るべし分裂スライム。

 気になってギルドカードを見てみるとやはりというべきか、かなり増えていた。具体的には10から160に増えていた。…あの一瞬で四回分裂したのか、驚きを通り越して呆れるがまぁ戦力は多い方が良い。しかしこの後分裂しないように言うことになった

 因みにこの後ギルドに行くのだがこの惨事に遭遇した人は皆、顔を青くしていたのは言うまでもない。



「すいませーん」

「はい何でしょうか…?…なにこれえぇぇぇ!!」


 リーナの叫びがギルドに木霊する、当たり前だがスライムとはいえ160匹もいれば十分脅威になりうる、それが目の前に迫ってくるのだからリーナの叫びも無理はない。


「あぁー、すまん、防御隊、悪いが道を開けてくれ」


 殆ど一糸乱れぬ動きで道を開ける。各部隊16匹で構成されているがこれだけいると何というか感心せざるを得ない。


「リーナー、おーい、帰ってこーい」

「…ハッ、わたしはなにを、あっケイタさんこんにちは、何か御用で…」


 リーナが再起動したようだが足元にいるライム達を見てまた青くなっていく、ダメだ、また失神した。これは何か考えた方がいいかもしれない。


「すいませーん、受付の人いませんかー」

「はーい、少し待ってくださーい」


 しっかりと返事があったが何やらリーナはどうしたとか聞こえてくる、とりあえず聞かなかったことにした。


「はい、お待たせしまし…た…」


 こっちの人もライム達を見るなり青くなっていったが何とか持ちこたえた、俺のせいだろうが偉いと思う。


「依頼を受けに来ました」

「は、はい、し、少々お待ちください」


 少しして受付の人が戻ってきた。心なしかライム達にも慣れたようだ。


「これが依頼になります、ギルドカードを提示してくだい」


 指示に従いギルドカードを渡す、途中で受付の人がスキルの部分を見たと思しきときに驚いていたがまぁいいだろう。


「確認致しました、ケイタさんはランクGですので受けられる依頼はこちらになります」


 そう言って依頼の紙と思しきものを見る、ランクGは採取、掃除、雑用等、冒険者じゃなくてアルバイトのようなものが多かったがランクFからゴブリン討伐等の依頼が受けられるようになるようだ。収集から地道にやっていくか。


「じゃあこの依頼をお願いします」

「わかりました、薬草を十束採取していただきます、因みにひと束このくらいです、大体で構いません」


 思いの外適当なようだ、測量する必要がないので楽ではある。


「わかりました、後依頼に来るときにこいつらを預けれる場所ってありませんかね、何分見栄えしないので」

「ギルド長に聞いてみます」

「お願いします、後リーナが失神してしまっているので後はお願いします」

 さて、依頼も受けたので早いところ終わらせてしまおう。



 何故かギルドを出てすぐにガラの悪い男に絡まれた、俺何かしたっけ?。


「おい、兄ちゃん、ランクGのくせに魔物を引き連れて自慢か何かかい?」


 確かライム達を見て青くなっていた男だと思うのだが俺のランクを聞いて自信が出たらしい、不思議な人間だ。


「せっかくランクEの俺が話してやってんだ、何か言ったらどうだ、ランクGの兄ちゃん」


 この手の人種は面倒だ、無視するに限る。


「おい、無視してんじゃねえよ」


 俺の進路を遮る、どうしても邪魔したいらしい。なんでこの人種というのは痛い目を見なければわからないのだろうか。


「何か用か」

「いやなに、持ってるもん置いてけば俺を無視したことは水に流してやるよ、分かったらさっさと置いていけ!」


 金目当てらしい、なんでギルドの前で堂々とやってんだ。アホだろ。


「あいつまたやってるぞ」

「またか、これで何回目だよ」


 どうやら目の前のこいつは常習犯らしい。


「断る、と言ったらどうする?」

「そうか、痛い目にあいたいらしいな、後悔しても知らねえぞ」

「そうか、ならば尚更断る」

「なら後悔するがいい!」


 そういうと同時に剣を抜いて俺に突っ込んでくる。言うだけあって殴り合いなら強そうだ。最も殴り合い以外できなさそうだが。


「おい、あいつランクGじゃなかったか、やべえぞ!」


 周りも騒いでいる、やはりライム達は目立つようだ、どうにかする必要があるな。まぁいい、今は目の前の馬鹿の処理だ。


「防御隊、前へ」


 防御隊が前にでる、それに合わせ男が剣を横薙ぎに振るう。野次馬はスライムが真っ二つになると予想していただろうがその予想は外れる。

ガンッ

 硬いもののぶつかり合う音と共に男の剣が折れる。野次馬も有り得ないものを見たような顔をしているものが大半だ、勿論剣を折られた本人も同様だ。

何をしたか、それは防御隊が防御魔法を唱え剣を迎え撃っただけだ、ただそれだけである。しかし、防御魔法を知らない、もしくは全く使わない者にすればスライムが剣を折ったように見えるのだろう。


「属性魔法隊、各属性ごとに順次一斉射、打ち方用意」


 俺の掛け声と同時に魔法が展開されていく、四十八匹を除く百十二匹が男に向けて魔法陣を展開していく。


「おいおい、あいつ本当にランクGなのか?、滅茶苦茶だろう」

「あんな数の魔法が向けられるなんて考えたくねえよ」


 俺のやり方は滅茶苦茶らしい、まぁ頭数がおかしいから無理もないか。


「さて、俺の合図でこれの魔法がお前目掛けて飛んでいく訳だがどうする?」

「ふざけるな!、こんなものぉおお!!」


 男は折れた剣を投げ捨て腰のナイフを抜いて特攻を仕掛けてくる。


「まず一度撃つ、残りの部隊は待機しろ、撃て!」


 火属性の魔法が一斉に射出される。

ズガアァァーン

 凄まじい爆発力をもってして男を巻き込みギルドから森の入口までの地面を抉っていく、その距離約七十メートル。十六体でこの威力か、相当だな。


「総員戦闘状態を解除、警戒態勢に入れ、…やりすぎたか?、これ」


 若干反省する、しかし後悔はしていない。


「なんだよ…これ」

「あれ上級魔法位の威力はあるぞ、なんでランクGで使えるんだ」


 野次馬が再起動したものから口々に呟く。

 問題の男は全身やけど、顔や手を中心に皮膚が焼けただれ死ぬ幾らか手前だった。胴は軽いとはいえ鎧を装備していた為にある程度で済んでいた


「ケイタ君かね、少しきたまえ」


 後ろから、もといギルドの方から声をかけられる、振り向くと三十歳を超えたあたりの年齢と思われる男がいた。

 …やっちまったかな。


「確かに俺はケイタですが、何か?」

「いや、これの事もあるが君と話したくてな」


 これと言いつつ絡んできた男を指差す。何故か話が合いそうな気がした。何故だろうか。


「わかりました、警戒態勢解除行くぞ」


 ライム達を引き連れ男についていく。ギルドの中に入って行くと扉があった、そこにはギルド長室と書いてあった。

 前回で明らかに桁数のおかしい数字が出てきたこともあり、今後、漢数字にすると見づらくなることがあるかもしれないので普通に表記することにしました。

今後もよろしくお願いします。


ライム達の数 160体

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