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エッセイ集/『鬱』系集  作者: 東雲 流水
第一部(一回目の完結)
6/171

蝉、一週間。

夏の蝉はうるさいですが、それなりに蝉はすごいですよね。

公園の大木で

蝉が鳴いていた


雌を呼ぶために

一生懸命鳴いていた


たった一週間の命だから

一生懸命鳴いていた


空気の汚れた都市の公園で

一生懸命鳴いていた


雌は一匹も見つからない

それでも蝉は鳴いている


残り一週間の命を

全て使って


休む暇はないのだろう

休んでいる暇はないのだろう


ふと足元を見たら

蝉が一匹

転がっていた


残り一週間の命を

燃やし尽くした蝉


僕はその蝉を

公園の踏まれにくい場所に

埋めてやった


雄の頑張りは

無駄になる時の方が多いのかもしれない


雌の数が

雄に対して少ないだけなのかもしれない


蝉の働く時間は

たった一週間だけ

それだけなのに


人間よりも働いている気がする

蝉や虫が嫌いな方でも、何か考えたでしょうか。


ちなみに、蝉の墓は踏まれた痕跡もないので無事だと思います。

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