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君は。
君は僕を置いて
どこまで行くんだい
一緒に並んで進んだあの時は
幻想だったのかな
いつからだろう
君は僕の先へ行くようになった
君は僕が進むよりも早く
その先へ進んでしまう
どうしても追いつけない
君が立ち止まるところは
君にとってどう見えているのかな
僕にとっては
険しい崖のように見えるよ
君が駆け抜けるところは
君にとってどう見えているのかな
僕にとっては
不安定な足場に見えるよ
君には追いつけない
君と僕との差は
広がることはあっても
縮まることはない
僕の方が遅いんだ
僕は僕のペースで行くよ
だからほら
僕なんかに構ってないで
先にゴールしてくれよ
 




