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別れ。
永遠の別れ
もう会えないこと
それを知ったのは数年前
それを実感したのが数日前
言いようもない喪失感と
次々に溢れる涙
前が見えなくなって
視界が歪むようにぼやけて
目が痛くなった
左手を握りしめて
歯を割れそうなくらい軋ませて
声を殺した
泣くんじゃない
笑い飛ばしてやろうぜ
あの人のことだ
あっちでも馬鹿騒ぎするだろう
考えとは裏腹に
反比例するように涙は出る
一度崩れた壁は
容易には直せない
出会いと別れ
たった十四年の間だったけど
最後に少しだけ
言い忘れたことがある
手紙の最後の一文だ
見てくれなかっただろうから
代わりに言ってやるよ
『お疲れ様』
それと
『行ってらっしゃい』
 




