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エッセイ集/『鬱』系集  作者: 東雲 流水
第一部(一回目の完結)
25/171

立っているのは。

台風すごかったですね。皆様は大丈夫でしたか?

あそこに立っているのは

本来なら僕のはずだった


周りに僕と君以外

誰もいなかったら

立ち上がって抗議しているが

今はそれはできない


立ち上がれない

抗議できない


知っていますか

その一人で抱え込んだ苦痛を


知っていますか

他人に理解されない感情を


知っていますか

他人に理解されない悩みを


知っていますか

たった一人の異端者を


たった一人抗議したところで

一対大人数なのだから

勝てるはずもない


歯を食い縛って

右手を握って

ただ耐え切る五十分


五十分が

五十時間にも感じられた

今日一日

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