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崖。
テスト前の気分。
崖を掴む手をもって
命綱なんてものはなく
片手ただ一本
馬鹿に重い自分と
馬鹿に背負いこんだ
人生の重さを支える
その手は既に離れそうで
今すぐにでも離したく思っている
登ろうとしていたんだと思う
何があるのかも知らないのに
知りたいという
人間の好奇心に負けて
今すぐにでも手を離してしまいそうだ
今すぐにでも死んでしまいそうだ
登るのは辛いが
落下するのは楽だ
何もしなければいいだけだ
何もしなくていいのだ
手を離したがっている
登るのを諦めている
未来を捨てようとしている
中途半端にぶら下がっていれば
まだ登れるかもしれないのに