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不終。
終わらず続く紙
擦り切れた指皮と
インクの切れた万年筆
次で何本目だろう
次で何冊目だろう
あと何十本だろう
あと何十冊だろう
終わりが見えない
漠然とただ進んでいる
どうしても先が見えない
足をとめようとしてしまう
インクが切れる
カートリッジを交換して
新しいインクを出す
いつ終わるか分からない
ただ機械的にやっているだけ
最初の目的は忘れてしまった
万年筆は紙の上を走り
ただ見えぬ先へと走る
終わりがいつ来るのかと
訊く勇気もなく走る