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抽象。
抽象的なもやが
いつも心にある
抽象的なもやが
いつもわだかまっている
物心ついた時というより
それはもっと前から
心臓の辺りにもやがあった
そんな気がする
今では黒いもやは
体の一部と化してきている
心臓を中心に周りが
黒くなっている気がする
気がするだけの抽象
具体性を求めるが
それを知ったら僕は
多分生きたくなくなる
そんな抽象的な
感じがするんだ
抽象的な全体像の姿
それが見えても
具体的なミクロの姿は
見えないんだ
見てはいけない
そんな気がするんだ