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苦痛。
痛みを叫んだ闇の中
光る星は夜空に消え
慟哭は反響していくが
誰にも気づかれぬまま
消えてゆく
大気が揺れて
視界がブレて
右手を顔に当ててみる
涙を流しているのだ
左手を顔に当ててみる
左の眼窩に指が入るんだ
痛いんだ
どうしようもなく
届けと言わずに願ってみる
憎い憎いあいつらが
この俺の苦しみ全部
肩代わりしてくれよ
左の眼窩に指を入れ
深く手を入れ更に腕
深く深く虚空の中へ
痛みなんてどうでもいい
脳髄を焼くような痛みが
むしろ心地いい
眼窩の温かみが
生を実感させる
俺は此処に居る
気が付かぬ間に
口角は歪んでいく