変化
投稿遅れました。文化祭があったのでかけなかったんです。
さてと、私の所属する写真部と言う部活がある。その名のとおり毎日写真を撮って評価し合うみたいな部活…ではない。むしろ『真・写真部』などと名乗っている写真部じゃない振る舞いをやるような部活だ。その部活に新たな部員が入った。
「美々ぃ!美々ぃ!!」
そう、この謎の単語を連呼する人物こそが新入部員の修羅だ。長身でイケメンすぎる男の子だが美々という二次元の女の子が彼女という最高のいかれ野郎だ。
「じゃ、部員も増えたことだしこっちの自己紹介もした方がいいな。じゃあ、俺から。俺の名前は新生ワタル。非凡を求めるこの部活の部長だ」
パチパチ2人だけの虚しい拍手が響く。
「私は津田アンコ。無理やりこの部活に参加させられた哀れな女の子よ。非凡なところもないし…」
パチパチ拍手が起こる。『赤いぞアンコ!』とか『甘くて美味しいアンコ!』とか変な野次が飛んでくるが気にしない。
そして、その拍手が止んだ頃に突然新生が立ち上がる。
「よし、新入部員が一人増え賑やかになったところだが実は修羅の入部は交換条件なんだ。修羅の悩みを解決する代わりに入ってもらうというな」
あんな美々!としか叫んでない奴が悩みがあるとはこの世界もなかなかにいびつにできているものだ。
「そうだ俺には悩みがある…。生まれた時から俺につきまとう呪いといってもいい」
修羅は割と重たい感じでそう言った。この様子から感じられる真剣さはさっきまで美々関連でバカにしていた私を恥ずかしくするには十分だった。私も真剣に聞かなければ。
「見ての通り俺はかっこいい。それは知っているだろう。さっきそこの赤髪がみた瞬間に惚れたように俺はもてまくる。そのモテ戦闘力は常人の50倍だ」
惚れてないけどね!てか、モテ戦闘力ってなんやねん。
よし、適当に聞こう。
「だが、俺には美々という彼女がいるんだ。だが、もててしまう。もう敢えて言おう!俺にとって美々以外の女とは鼻くそ以下だと!鼻くそ以下に言い寄られる俺の気持ちを考えて欲しい!」
鼻くそ以下だと言われた私の気持ちを考えて欲しい!バカにしてんのか!
新生は横で必死に笑いをこらえている。こいつ修羅の悩みを知ってて私に聞かせたいから修羅を誘ったんじゃ…。
「よぅし、修羅の悩みはわかった。じゃあ、お前は一体どうしたいんだ。どういう風になりたいんだ?」
すると修羅は私の方を見てくる。
なに?鼻くそ見る趣味でもあるの?
「この部活には二次元のキャラクターのような奴がいると聞いた。まずはそいつの仲良くして三次元での免疫をつける」
「と、いうわけだアンコ」
ふむふむ、え?
「二次元みたいなやつってのはお前のことだよ。どうやったってお前みたいな赤髪の高校生はいないだろうからな。頼んだぞこれも部員を増やすためだ」
「別にやってもいいけど私なにすればいいの」
心優しい私は頼まれごとをされると断れないのだ。っていうのは冗談で新生が調子に乗っている今、何か言ったところで結局やらされるからどうせやるならスムーズにしたいというのが本音だ。
「具体的に今からどうするんだ修羅」
「まずは赤髪には二次元のキャラになりきって二次元のセリフを言ってもらう。そうやって徐々にリアルへの耐性をつけていこうと思ってる」
「だそうだ。頑張れ」
「頑張れって、他人事だと思って適当ね…」
「じゃあ、お前には俺の馴染みの役をしてもらうぞ」
修羅も修羅で独自の世界観を持っていて私達の会話を完璧に無視して我を貫き通して行く。
「幼馴染って…」
「名前は愛花だ」
「名前も変えちゃうの…」
「身長は152センチ体重は2キロスリーサイズは上から89-2-3」
「そんな簡単にトランスフォームできるわけないでしょ。てか、その設定だと私地球人じゃないし。死んでるし」
「じゃあ、学校の登校前に俺を起こすシーンからな」
そう言ってソファに寝転がる。こいつ人の話聞きゃしない。新生以上の曲者かもしれない。
「はい、寝た!寝たぞ!起こしてくれ!」
いや、めっちゃ起きてるじゃない。
「早く起こしてくれー!起きたいよー!」
「そんなに急かさないでよ。ちょっと待ってよね」
「早くー早くー早起きしたいよー」
クッソこいつうぜぇ。ものすごく腹が立って来たぞ。刺激的な起こし方をしてあげよう。
そう思い私は棚に置いてある一眼レフカメラを手に取る。
さて、それを大きく振りかぶって…、
「えい!」
修羅の股間にむかって思い切り投げた。
ごりゅっというちょっとグロテスクな音が響く。
「あぎゃあー!」
そのコンマ数秒後修羅の絶叫が響いた。
それに追い打ちをかける!
「修羅君。早く行かないと遅刻するから起きないと」
「カッハ…カッハ…」
まだ悶絶している。
「朝食は私が作ったから一緒に下に降りよう」
「カッハ…腕…カッハ…引っ張らなカッハ…カッハ…」
ふふふ、いい気味だ。もっとなんかしよう。
だが、それは新生に肩を掴まれて阻まれた。
「やめてやれ。あまりに…むごすぎる。あんまりだ」
泣きそうな顔でそう言われた。まさかいつもふざけた調子の新生がこんなに真面目な顔するなんてどんだけ痛いんだ。
さすがの私もあんな顔した新生にああ言われては追撃する意欲も萎えるというもの。私達はしばらく股間を押さえてカッハ…カッハ…言って転げ回る修羅を眺めるのだった。
〜数分後〜
「ヒッヒッフゥ〜ヒッヒッフゥ〜。フゥ〜。なんとか回復」
やっと修羅が回復した。神様は女に出産の痛みを男に股間の痛みをそれぞれ与えたのだろうか。実際ものすごく出産しそうな勢いだった。
「くくっ、愛花はこういうお茶目なところもあるから可愛いんだよなぁ」
愛花お茶目で数分間悶絶させるとか恐ろしすぎだろ。
「まあ、それはともかく赤髪、普通に起こしてくれ。こんな雑な起こし方するなんて愛花だと思ってたから耐えれたものの赤髪だと思ってたらスマホでお前の写真とってSNSでバカにしてたところだった」
地味かつ陰険かつ効果的の三拍子揃った方法で嫌がらせをするなんて。曲者だ。
「仕方が無い。俺がお前のセリフを考えてやろう。いいかよく聞くんだ。『修羅君。起きて。もう早く起きないと学校に遅刻しちゃうよ。もう、これでも起きない。もう起きないなら悪戯するよ』で悪戯してくれ」
悪戯するの!そこまでが一連の行動なのね。ギャルゲーのキャラというのはエブリデイハロウィンなんだろうか。
「じゃあ、行くわよ」
「うむ、早くしてくれ」
こうしてテイク2が始まった。
「修羅君。起きて。」
「うぅーん」
演技なんかうぜえ。
「…もう早く起きないと学校に遅刻しちゃうよ」
「うーん、むにゃむにゃ」
「…もうこれでも起きない。もう起きないなら悪戯しちゃうよ」
「ハァ…ハァ…悪戯…ハァ…」
「……………。」
ごりゅ…本日2度目の断末魔が響いた。
「というわけでだ、毎日とは言わないが一週間に一回くらい修羅のリハビリを頼むことになるからアンコよろしくな」
修羅の断末魔から数分たったころ新生はこうきりだした。
「いやよ。こんな変なやつの相手なんて」
「嫌なのはこっちのセリフだ。少しやっただけで俺の大事なところが二回もやられたのだぞ。使えなくなったらどうするんだ」
まあ、当然の反対意見である。
「じゃあ、アンコよ。今度から違うところやってくれ。顔はダメだぜセンコーにばれる。ボディをやるんだ」
「私が我慢する側なのね」
しかも殴るところ指定されたし。
「修羅もさ。こんな赤髪の二次元みたいな女の子いないだろ。人生妥協だぜ」
私がちゃっかり妥協点にされてるし。
「確かに今回はそれなりに興奮したな。股間を強打されなければ服をはいでいたところだ」
はぐの!はいじゃうの!強打しておいて正解だったじゃない。
「まあ、ぶっちゃけて言うとこの関係に納得してもらわないと部員増えないんでー。悩み解決することが条件だからな」
言ってることが黒い…。
「取り敢えず部員三人目ということで写真取ろうぜ。ちょうどカメラならたくさんあるしな」
新生は棚から適当にカメラをとって修羅に渡す。
「これを渡して俺にどうしろと?」
「普通に撮るんだよ。ほらアンコもこっちに来て。ヘイ!準備オッケーだぜ」
「いや、これだと三人目の部員が写らな…」
「ウェーイピース!ほらさっさと撮れよ」
「…くそぅ、いいんだ俺ば常に画面越しにキャラクターを見ているんだ。レンズ越しくらいどうってことないやい」
修羅君キャラぶれてますやん。さすがの修羅も新生の強引さには勝てないようだ。
「よっしゃアンコ2ショットだ。カメラ目線だ」
そう言って新生は肩に手を回してくる。ちょっと私女の子なんだけど。jkなんだけど!ブランドものにそんなに気安く触っていいんですか!
「なに顔赤くしてんだ」
「私高級品なんだからぁ〜…」
「はぁ?ほら取り敢えず、オラァカメラ目線だァ」
パシャリ
こうして部員が三人となった写真部が始動した。
私にとって非凡な生活はもはやいつも通りの平凡へと変化して行くのだ。
部員がとうとう三人になりましたね。四人に増やすか悩み中です。いいキャラが思い浮かばなくて…。増やさない場合は季節ネタを盛り込んで一年間を書いて行く感じになると思います。