新入部員現る!
短いです
「はぁ…」
さてどうもアンコです。紅色の女子高生です。こう書くとバトルものみたいだけどそんなことはない。相手の返り血を浴びすぎで紅に染まったぜとかじゃなく私の髪の色が生まれつき赤に染まっているのだ。多分外国人でも生まれつき赤色の髪を持つ人は少ないんじゃないかと思う。
そんな私がなぜため息をついているのかというと。
「おいおい部活動は元気にいかないと福とか逃げて行くぜ」
こいつだ。こいつのせいだ。この金髪ピアス不良のような変人のせいだ。
彼の名前は新生。私の人生を大きく変えるだろう人物だ。その変え方がいい方にいく気がしない今日この頃。
ちなみに私達がいるのは写真部の部室。部活棟の3階の端にある。
「私が元気がないのは全部あんたのせいよ」
「俺が何かしたかよ」
とぼける気のようだ。ならば言ってやろうこいつがなにをしたのかを!
「今日あった部活動紹介のことよ」
そうそれは今日の六時限目のことだった。その時間は部活動紹介の勧誘のために新入生を体育館に呼び、各部活動生が体育館のステージに上がって自分の部活の魅力を新入生に伝えるという催しがあった。
こういうのは基本上級生がするものだが、残念ながら私達の部活には上級生がいないため2人でステージに上がって紹介することになっていたのだ。
この紹介については俺に任せろと新生から聞かされていたので私は新生の横でにこやかにオーラを振りまいていたのだ。するとあいつは…
「えー、僕たちは写真部ではありません」
ええ!
「写真部を超越した部活『真・写真部』です」
えええ!
「なので超越者のみ入部を許可します」
ええええ!
「ちなみに俺たちはとっくに超越したぜ」
いつの間にか超越したことになっていた。
そのせいでクラスに帰るとなんか痛い人を見るような目で見られるわ、なんか納得したような顔になってるやついたな。納得すんなし。
またそれを思い出すとため息が出る。
「まあ、部活紹介のことは悪かったよ。でも、ああでもしないと中途半端な写真大好き野郎が寄っちまうだろ」
写真大好き野郎は写真部という居場所を取られて今頃ないているだろう。
「大体超越者なんて来るわけが…」
ガラッ
会話途中に写真部の扉が開いた。
え、まさか…。
「入部したいんだが」
「嘘ぉぉぉ!」
私は振り返って部室の出入り口を見る。そこに立っていたのは茶髪で長身の男。一番目を引くのはその容姿だ。
そう彼はイケメンすぎた。私の隣に立っても釣り合うくらいに。ごめん調子に乗った。私ですら霞むんじゃないかというくらいかっこいい。
だが、こんな奴が変人の巣窟に似合いそうにもない。みた感じ超越しているところなんてないからだ。いや、容姿は超越してるけどさ。
「やー、よく来てくれたね。さぁさ座って」
新生に席を勧められてそこに座る。この部室はこの部屋の中心あたりに2対の長いソファがあってその間にテーブルというかなりブルジョアなつくりになっている。その他は適当な棚とかなんやらだ。謎の新入部員は私の前のソファに座った。
…てか新生めちゃくちゃ新入部員に馴れ馴れしくない?いや、でも私の時もこんなものだったかな。
そんなことを考えてたら新生が隣に座って来た。
「じゃ、自己紹介よろしくぅ」
なんか新生かなり調子に乗ってるなぁ。
「修羅 シンジだ。これはそのまま『しゅら』と呼ぶ」
なんでこいつら読者にこんなに優しいの?読者目線に立ってるの?
「いやぁ、来てくれて嬉しいよ」
やっぱりこの二人面識ありそうだ。そこのところを私は新生に聞いてみる。
「ふふふ、聞いて驚け!俺はアンコだけじゃなくて俺みたいな日常に飽き飽きしてそうな奴らを片っ端から勧誘してたのさ。で、その勧誘した一人だよ」
だそうだ。つまり、私意外にも勧誘してたらしい。で、今日その勧誘していた一人である修羅君が来たということだ。
「へぇ、じゃあ、その修羅君もああ見えてあんたみたいな変態なの」
「俺変態じゃねえし。まあ、あいつの場合は変態かも」
いくらかっこいいからといって変態行為に及ぶ奴とは許せない。性犯罪はやっちゃダメ。
「まあ、きっといいやつだよ」
部活紹介で任せとけと言ってめちゃくちゃにした新生の言葉はもう信じられない。ということで私は修羅と名乗る男をかなり警戒して見る。
すると修羅ははぁ、とため息をついてこっちをみて来た。多分いきなり変態発言だ。おっぱいとかそこらのことをいいまくるに違いない。
「もしかして、惚れた?」
…む?
「無理もない。こんなかっこいい男が前にいるんだ。惚れるのは当たり前だ」
なにか盛大な勘違いをしてるような…。私はただ警戒して見つめてただけで。
「だが、すまんな。俺にはすでに彼女がいるんだ。お前の恋心を踏みにじって悪い」
なに私振られたみたいになってるんだけど。私なにも言ってないのに振られたみたいになってるけど!
「まあ、お前たちに紹介しておいた方がいいだろう。これが俺の彼女美々だ!」
と言って携帯ゲーム機の画面を見せて来た。
…あー、そっち系かぁ。
「はっはっはっ、アンコって二次元の女以下なんだな。くぅ、落ち込むなよアンコ」
黙ってなさいよ!あんたは!
「美々は二次元の女ではない。一緒にデートしてクレープ食べたりしたんだぞ。美々!美々ぃ!!」
こいつはこいつですこぶるやべえ!
はぁ…はぁ…。結果新入部員は変態でした。
美々逃げたのか自力で脱出をが頭をよぎりました。
さて、これはコメディなのでトントンと短く区切って話を展開した方がテンポがいいかと思い短いところで区切って投稿しました。