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赤毛のアンコ!  作者: @
4/15

家!山!私!

投稿のペースが遅いですね。高校の時はなぜあんなに投稿ペースが良かったのだろうか。

前回私は新生に山に登ろうと言われてしまった。運動は嫌いじゃないし今日は昼終わりで軽い山ならそれなりの時間に帰れるのではと思い了承したのだが、えっと登るのは夜でした。



「はぁ〜」


私はまだ元気高校一年生なはずなのにもうおっさんのようなため息をつく。ちょうど私は今日の学校のスケジュールが終わり帰路についていたところだ。帰路と言っても帰るのに3時間来るのに3時間。合計6時間だ。今日は19時30分から登るらしくて今が13時くらいだからやろうと思えば家に帰れるけど常識的に考えれば家に帰るわけがない。親にこのことを伝えれば怒った口調で帰って来なさいと言われると思ったが、むしろ友達と一緒に何かをするということに感激されてしまった。あんたが必死で止めれば新生も納得するのになんで止めないのか。てか、どんだけ私友達いないと思われてんのよ。


「はぁ〜」


またため息が出る。

さて、私が今やるべきは山登りまでの時間稼ぎだ。これから私が通う学校。その学校の周りにあるものくらい覚えておかないと女子の会話についていけなくなってしまう。ガールズトークは大切だ。したことないけど。

私は校門を出てからそれなりに歩くと商店街にたどり着いた。

ほほぉ、商店街。この店に挟まれている道は学生がわんさか通るメインストリート。これはチェックしておくべきだと私の本能が告げている。

そうやって私は即メインストリートの中に入る。うん、うちの田舎と違って活気があって、いるだけでとても楽しい。

ちょうど右に八百屋が見えた。うちよりも都会の街にも一応八百屋があるらしい。どんなものが売ってあるか見ようかなと思ったその時、八百屋の奥から金色の少年が出てきた。

しょうがない八百屋はまた今度にしよう。そう思い周りの人間に隠れるようにその場を去ろうとした。


「お、アンコ。お前こんなところでなにやってんだ?」


一瞬でばれた。なぜだ。


「いやぁ、お前赤いから余裕で見つけられるのな。ちょうど雑踏の中に赤色の少女が見えたとかそんなかんじで」


私はこの髪の毛を今すぐ引き裂きたい。金色の少年とは新生のことだ。髪の毛を来んに染めて耳にはピアス制服は大きく着崩している彼はこの頃私の髪の毛が赤いというだけでやたらとちょっかいをかけて来るのだ。


「ところでアンコはここでなにしてんだ?」


新生はそんなことを聞いて来る。まあ、確かに普通なら自宅待機していればいいわけだし謎だろう。私だって自宅待機したい。


「私、登校時間3時間もかかるのよ。だから一旦帰るのも面倒だから学校の周りを少しみてたってわけ」


てか、新生が山に行こうなんて言わなかったら今頃喜んで帰っていたのになんていう嫌味なことは言わない。


「なんだよ。そんなに遠いなら先に言えばいいのに。じゃあ一旦うちに来るか?」


驚いた。彼がこんなに親切な言葉をかけて来るなんて。しかし出会って数日どころか入学式と今日だ。まだまだ私の知らない新生があるのかもしれない。いや、むしろ知らないことの方が多いだろう。


「そうねぇ、そうできるなら嬉しいんだけどやっぱ親とかに迷惑かからない?」


「いや、それはない。だって俺一人暮らしだし」


「え、高校生でしょ。なんかやばいんじゃないの?」


それなりに大人になったと言っても私達は社会から見ればまだまだ子供。一人暮らしというのはダメなんじゃないだろうか。


「んー、そこはゴリ押しでさ。なんか一人暮らしって非凡な感じがするじゃん。だからわざわざ遠い学校選んで無理やり一人暮らしに持ち込んだんだ。まあ、寮暮しっていう手もあったけど残念ながらうちの学校寮がないからな。取り敢えず親離れしたかったのさ」


あんたは一人暮らしがしたいからって理由だけで学校選びしたのか。いや、私も髪が染めれるという理由で学校選んだんだった。


「じゃあ、ちょっとここで買い物した後に帰るからアンコも行こうぜ」


「ずっと外でぶらぶらするのも退屈だしお邪魔しようかな。その前にちょっとこの街案内してくれない?私ここらへんわからなくて困ってるの」


「別にいいけど実際のところ俺もここ来て最近だからあんまり詳しくないぞ」


新生はそう言うと案外すらすらと前へ進み始めた。それにしても新生が野菜を持って歩いているのはなかなかにシュールだ。さらに言うとマイバッグを持って。とても環境にいい。

そのあとは軽く買い物した後に学校付近の主な学生の遊ぶ場所を教えてもらった。なんで新生とかいうイレギュラーな存在が一般的な学生の行くようなお店を知っているのかという疑問はあったが随分と有益な情報を得ることができた。これで友達ができて一緒に行ったりできれば最高だ。


「まあ、学校の周りはこんな感じだな。じゃ、予定通り案内も終わったことだし俺の家まで行きますか」


そう言って新生は歩き出す。私はそれについて行った。

学校がある場所はスーパーや住宅街などが揃っているので一人暮らしするところを見つけるのは苦じゃなかっただろうなぁと思う。

だからやはりと言うべきか数分で立ち止まった。

いろいろな場所を歩いて回ったため学校からはかなり離れてしまっているが多分この場所ならば学校まで徒歩15分くらいの場所だ。私の3時間とは大違い。ちなみにこの3時間という数字に電車の待ち時間は入ってない。

で、まあ立ち止まったわけなんだけど…。


「ねえ、新生。目の前に高層マンションが見えるんだけど。もしかしてこれじゃないわよね」


すると新生はげんなりした顔になる。私変なこと言っただろうか。


「はぁ、アンコ全然わかってねえのな。『もしかしてこれじゃないわよね』ってセリフ間違ってるぞ。そこは普通『まさか』を使うだろ。そしたら俺はドヤ顔しながら『そのまさかだ』って言えたのによ」


「そんなこと知らないわよ」


バカなことを言っている新生を一蹴する。それにしてもこれは噂に聞く高層マンションというやつではないだろうか。私の田舎ではまずお目にかかれないような建造物だ。何階まであるんだろう。


「もたもたしないでさっさと行くぞ」


慣れた手つきで正面玄関を抜けエレベーターのボタンを押しその場で待つ。


「ところでこのマンションって何階建てなの?」


そのわずかな時間に素朴な疑問を投げかけてみた。


「おお、そーだな。確か24階建てぐらいだったぞ」


24階!私の人生の最高がまだ5階までしかいってないのに楽々超えて行ってしまった。いつの間にこんなにも文明が進んだんだろうか。人類は今も進化し続けているということだ。


チンという音がしてエレベーターの扉が開く。しかし高層マンションともなるとエレベーターで高いところまで行くのだろう。私はこうやって新鮮な気分で乗ることができるが毎日乗るとなると面倒になったりするのだろうか。そんなことを考えながらエレベーターに乗る。

ふと新生の手元を見る。その指先は真っ直ぐに2のボタンに迫っていた。


「しょぼい…」


「なにがだよ」


「あんた高層マンション住んでるって見せびらかしといてそれはないんじゃない。うちだって二階建てだし大差ないじゃない」


「うるせえな!上の方は景色がいいとかで高さに比例してお値段の方も高くなるんだよ」


「うまく言ってんじゃないわよ。ほら、2階だからすぐついたじゃない。そもそもかっこつけてエレベーターなんて乗るんじゃないわよ」


「別にかっこつけてねえよ。荷物が重いから乗っただけだっつの」


実はあまり乗ったことがないので少し興奮して乗ったエレベーターはたかが数秒で終わってしまった。


気を取り直して、私は新生について行き廊下の一番奥のところまで来た。


「ここがあんたの部屋なの?」


「それはどうかな?」


「いや、もったいぶらなくていいから」


新生と話すとなぜか余計な茶番が入る。あいつはこの無駄なものこそ非凡と言ってこよなく愛しているのだろうが私はべつに愛してないのでとても疲れる。


「そうだ。ここが俺の部屋。207号室だ」


新生は手元の鍵を鍵穴に刺してドアを開けた。


「ほら入れよ」


言われたままに玄関に入る。

そこにはダンボールが乱立してまだ片付いてない部屋の中が…って思っていたんだけど。ものすごく片付いてる。


「あんた潔癖性なの?」


「まあ、そういうところもあるかもな」


意外なところを垣間見た。そのままリビングまで行って各々適当な感じで楽な体制になる。


「ところでアンコよ。お前うちに来なかったら夜までどうしてたんだよ。野宿か?」


「本当はお母さんに事情を話してNOっていう返事を待ってたんだけどまさかのOKが来ちゃったから割とノープランだったわ」


「うわ、まじかよ。で、宿はどうするんだ?」


「それもノープランだけどせっかく新生が一人暮らしなんだし今日泊めてくれない?お母さんも一緒に遊ぶ人の家に泊めてもらいなさいって言ってた気がするし」


「いや、別にいいけどさ。お前着替えとかどうするんだよ。明日も学校あるぞ」


「そうねぇ。山に登る時はここのジャージを貸してもらうとして後はなあなあでいいんじゃない」


「下着とかどうすんだよ」


「そういうところ普通の物語ならスルーしていい部分じゃない。そこもなあなあで話を進行しなさいよね」


「なんの話してんだよ。まあ、下着は買うかうちのを借りるかすればいいな」


「いやよ。男物のパンツ履くなんて。しかも新生の…。ごめん吐き気が…」


「なんだよ失礼なやつだな。女物に決まってんだろバカにしてんのか」


え…。


私は若干引く。


「いや、人の趣味はそれぞれだしね。そ、尊重が大事と言うか。私はいいと思うよ。いや、全然思ってないけど」


「どっちだよ。なんか勘違いしてるようだから言うけど別に俺の下着じゃなくて姉ちゃんの下着だから。しかも姉ちゃん可愛いから」


「私より?」


「どっこいどっこいかな」


なるほど新生の姉ちゃんは相当可愛いと読む。


「ほらでもブラジャーのサイズとかさぁ」


「なんだよ女の下着の話なんて話しづらいからもうしたくねんだよ。話広げてんじゃねえよ」


「いや、だって私の胸結構あれよ。小さいわよ」


「大丈夫だ。姉ちゃんもおっぱいは小さかった」


「それなら心配ないわね」


着替えの問題は解決した。宿も完璧。後は…。


「同居人が一番危険ね」


「泊めてやるのにひでえ言われようだ」


「まあ、ベランダで寝かせればいいか」


「家主ベランダでてめえはベッドでぬくぬくかよこの野郎!」


「じゃあ譲歩して私の隣で」


「しゃあ!天国ゲット!」


そう、私の隣は聖なる領域。はいそこの誰か。聖なるを他の漢字に変換しない。


「ところで今何時よ。そろそろいく時間じゃない?」


「いや、まだ午後の四時ちょい過ぎくらいだぜ。焦んなよ。どんだけ山が自分を呼んでんだよ」


「呼んでないわよ。運動は嫌いじゃないけどわざわざ夜に登らなくてもいいじゃない」


「何言ってんだ。山は昼に登るものだろ」


「だから昼に登るべきじゃない」


「馬鹿だなぁ。お前とはあって間もないけどだいたい俺の性格わかるだろ。昼に登るのが普通なら夜に登るのは非凡なわけだ。俺が求めるのはつまらない普通や平凡じゃない。そう、異常で非凡な非日常だ」


私もとんだ変人に絡まれたものだ。付き合い始めてまだ短いけどこいつの思考パターンは極めて単純だ。取り敢えず普通とは逆のことをする。それで何を得るのかは考えない、そんな感じだろう。

もしかしたら彼にはそうならなければいけない重大な過去があるのかもしれない。でもそんなことは私には関係ないことだ。


「ねえ、私喉が渇いた。何か飲み物ない?」


「水とお茶とオレンジジュースとコーラとカルピスがあるけどどれがいい?ちなみに一番安いのは水だ」


「じゃあカルピスをちょいだい。濃ゆめでお願い」


「一番高いカルピスでしかも濃ゆめかよ。遠慮ねえな」


そう言いつつも渋々作り始める。


「あのさ。女がカルピス飲んでると興奮するよな」


…。私はなにも答えられなかった。


その後山に登る定刻になるまで私はカルピスに手をつけることができなかった。




〜山〜


とうとう19時30分になって山の前に到着する。もう気分的にはエベレストを頂上まで登った気分だ。もう、何と言うか新生と一緒にいると疲れる。終いにはカルピスがどうたらとか言うし、下ネタはどう反応したらいいかわからないので困る。


「どうだ?そのジャージちょっとでかいか?」


新生に言われて改めて自分の格好を確認する。今私は新生から借りた赤色のジャージを着ている。


「ううんそんなことない。むしろびっくりするくらいフィットする。新生ってそんなに大きくないから助かったわ」


「ふん!なんだよ馬鹿にしやがって。俺が小さいんじゃねえ。てめえがでかいんだっつの」


「あれ?意外。その小ささは非凡だと思うけど」


「身長が低い金髪はガキの背伸びだと思われんだろうが!」


背丈がコンプレックス。意外とそういうところ気にしてると。普通の悩みも一応はあるようだ。


「ったく。ほら見えるな。これが今日登る山だ」


目の前には山がある。ああ、本当に今から登るのか。うう、登りたくないよう。


「そんなしょげた顔すんなって。ぶっちゃけ高校生が単独で行動できるのは11時までだからな。それまでにはちゃんと下山できる山を選んでいる。お前の運動能力は定かじゃないけどよほどダメじゃない限りは楽に登れるさ」


いい顔で新生は親指を立てて来る。私にはあなたの顔が悪魔に見えます。金髪の悪魔ってちょっとシュール…でもないか。アスモデウスとか金髪のイメージがある。


「私お腹痛くなってきちゃった」


「そんなもん知るか。よし、登山開始だ!」


私こんなことに付き合ってあげるなんてめちゃくちゃお人好しだわ。

もう、自分でこんなことを言ってないとやってられない。


こうやって計画通りに進めばこんな夜に登っても安全な山登りが始まった。

でも私の勘が告げているどうせ計画通りに進まないと。


さて、今回彼女たちがやったことをまとめてみると友達の家に行ったです。はい、全然進んでませんね。僕の作品はいつも進みが早いと言われたりしますが今回に限ってはめちゃくちゃスローです。僕の構成ではもう山に登ってたんですけどまさかの茶番が盛り上がりすぎてこんなことになってしまいました。多分この話はコメディーの日常系なので茶番で進みがスローになるなんてことがさらにあると思います。その時は「こいつまたキャラ使って楽しんでんな」と温かい目で見てくださると嬉しいです。

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