私の想いはダイナマイト
執筆スピードそこそこ上がってます。高校の時よりはダメですけどね。
前回リアル愛花が登場した。ちなみにリアルじゃない愛花とは修羅がギャルゲーモードで私を見た時の名前である。
「よし、桐島とやら。まあ、せっかく来たんだ。ゆっくりして行けよ。ほらソファあるぜ」
そしてこの初対面でも遠慮のない少年は新生だ。ぱっと見金髪ピアスで不良っぽい。ただ不良っぽいだけで不良ではない。
そして新生に言われた通り桐島という少女はソファにかける。私と差別化するためにこの女の子は桐島と呼ぶことにしよう。
「でだ。ここまで来てもらったはいいものの、うちは超越者しか入部できないことになっているんだ。桐島の人として非凡なところを見せてくれないか?」
この部活ってひどいよね。入りたいと思ったら非凡なところを見せなくちゃいけないんだから。だいたい普通の人は普通なんだから非凡なことなんてできないって。部員が欲しいくせになんでこんな条件つけるかなぁ。はぁ、また部員三人に逆戻りだね。
「非凡なところですか。まあ、いろいろあるのですが…特にこれ一つというのはお金ですわ」
なんの真似をするんでしょうかねえ…ってマネーって言ったのね。金にがめついなんて人として普通なことだし。
「ほぉ、金か。金をたくさん持っているってことか?」
「はい」
「へぇ、でも俺は金をたくさん持ってるだけじゃ非凡だとは思わないぜ。まあ、今すぐ100万円をぽんと出せるくらいの凄さがないと魅力がないな」
ぽん
真ん中の机に諭吉の束が置かれた。
「100万円ですわ」
「お前は俺たちの仲間だ。これからどんどん頼ってくれ」
私なら死んでも仲間になりたくない奴らと仲間になってしまったね桐島さん。
「待ってくれ」
そこに静止の声を掛ける者がいた。修羅だ。
「なんだよ。お腹でも痛いのか」
「腹痛ではない。お前たち一旦考えてみろ。こいつの名前は愛花だぞ。赤髪とかぶるじゃないか」
「被ってないよね。私の名前アンコだよね」
「俺の信じる愛花はどっちなんだ。その疑問が溶けるまでこいつの入部は許可できない」
「だから私はアンコだって言ってるじゃない」
「それもそうだなぁ」
「私ここにいるよ。ねえ皆私を見てよ。そもそもタイトル読んでよ」
うーんと男2人は悩み出す。そんなに重大なことじゃない気がするんだけど。
「そうだ!修羅の三次元に慣れるためのモデルの人間の名前が愛花なだけだからいっそのことアンコから桐島にモデルチェンジすればいいんだ。まあ、ぶっちゃけ桐島の方がハイスペックだし」
「ふふふ、恐縮ですわ」
ぬ、桐島の方がハイスペックとな。他のところはどうでもいい。でも、ここだけは譲れないものがあるんじゃない。私が桐島に勝ってるところなんてたくさんあるのよ。
例えば容姿。あっちは黒髪。私は赤髪。この時点で負け。
例えば経済力。あっちは100万円ぽん。私は100円チャリン。
胸の大きさとか!あっちはボイン。私は崖。コアなファンを呼び寄せる才能は勝ってるし…。
「新生。私が桐島さんに勝ってるところを考えて」
たまらず新生の助けを借りる。
「登校時間じゃね。三時間もかけてるやつなんてそうそういないって」
確かに!私の登校時間に勝てるものなどいないのだ。たとえそれが可愛くてボインで金持ちでも。……泣いていいかな。
「さぁ、修羅どうなんだ。桐島で練習すればいいじゃないか」
「そうだな…」
修羅は顎に手を当てしばらくうーん唸る。
「やはり、俺には桐島とやらを愛花として見れない。なぜなら俺にとっての愛花はこの赤髪だからだ。残念だがハイスペックなだけで揺れるような三流じゃないんでな。俺は愛花のダメなところも含めて好きなんだ」
愛花愛花ってどっちの愛花かわからなくなってくる。てか、地味に私のことダメって言ったよね。後でお仕置きしよ。
「まあ、桐島も俺がモードに入ったときに新たな名を与えられるかもしれん。その時を待ってくれ」
と、偉そうに締める修羅。
「じゃあ、こっちのリアル愛花さんは桐島って呼ぶこと統一するか。そゆわけでよろしくな桐島」
「ふふふ、桐島ですわ」
「まあ、最初のうちはなにやってんだこいつらって思う時があると思うからそういう時はこの赤髪のアンコに聞いてくれ。同性だし話しやすいだろ」
「ふふふ、よろしくお願いいたしますわ」
桐島の手が伸び握手を求めて来た。私はそれに応えその手を握り返す。
はわぁ、握手なんて何年ぶりだろうか。極端に人との交流が少ない私にとって普通の人にとってボディタッチによるコミニケーションはあまり経験がないのだ。
「桐島さん。これからよろしく」
「桐島でよろしいですわ」
「じゃあ、桐島よろしくね」
「はい、よろしくお願いいたしますわ」
呼び捨てで人を呼ぶなんて何年ぶりだろうか。興奮しすぎて今日はなかなか眠れなさそうだ。
「では、ちょっとアンコ。実はわたくしアンコとガールズトークがしたいのですが」
ガールズトーク!あの選ばれしガールだけが許されるあの行為をこんな場所でするというのですか。恐るべし金持ち少女。
「う、うん。がーるずとーくね。いいわよ」
ガールズトークの発音が定まらない…。
まあ、そんなわけで私達は部室をでて廊下で2人対面して立つ。
「あの、お尋ねしますが、アンコは修羅とどのような関係なのでしょうか」
はぁ?修羅?修羅と私の関係といえばギャルゲモードのリアルヒロインが私だ。だからどう答えるのがいいのかな。
「んー、私は修羅のヒロインになったり他人になったりする関係かな」
なに言ってるかわからないだろう。でも、それが成立してしまうのがこの部活の恐ろしいところなんです。
「ええ!ではお二人は、その…付き合っていらっしゃるのですか」
「いや、それはない。だって修羅は私のこと恋愛対象として見てないだろうし」
そう言うと桐島はほっとしたような表情になった。それにしても近くで見るとなおさら可愛いなこの娘。肩まである黒髪はさらさらしてて綺麗だし、顔立ちも柔和な感じで安心感を与えてくれる。おっぱいも大きいし。しかし、黒髪は許せない。私も黒髪に生まれて来たかった。
「つかぬ事をお聞きしますが世界で最も強い力とはなんだと思いますか?」
私がくだらないことを考えていると桐島がつかぬ事を聞いてきた。
最も強い力。うーん…。
「わからないのであれば答えを…」
「権力じゃない」
「あ、あぁ。まあ、そうですねぇ。では、2番目は?」
「うーん…」
「なんと2番目はですね…」
「財力かな」
「えぇ…。まあ、お金は大切ですものね。三番目となるとですね。なんと…」
「流石に三番目は分かるよ。軍事力でしょ。やっぱり最後は純粋な力が強いと思う」
「まあ、最終的には武力に頼りますものね…。でも、これら三つを遥かに超越した力があるのです」
「そ、それは…」
「愛の力ですわ」
愛!愛の力ってなに?
「ふふふ、驚いていらっしゃるようですね。愛の力など権力や財力に劣ると思っているのですね。では、愛の力がどれほどすごいのかお教えしましょう!」
すごくテンションが上がってらっしゃる。しかもめちゃ話す気満々だし。私は手で次をうながした。
「これはある友人の話ですわ。その友人はどっかのイケメンに一目惚れしました。そしてそのイケメンに好かれる自分になろうとしてその人の好きな娘の名前を自分につけたのです。背後に大きな組織を据え、莫大な金を見せびらかしつつ、まあ、兵器なんかもチラ見せしながらですね」
結局三大力じゃないですか。てか、名前変えるのに全力すぎるでしょ。
「そして!実はその友人とは私のことで、イケメンとは修羅のことなのです」
「えぇ〜」
修羅に一目惚れって…。
いや、修羅は確かにかっこいいけど、あの変態ぶりは尋常ではない。確かあのPVを流して修羅のキモさが多少皆に伝わったらしく言いよって来る女の子は減ったらしい。
「でも、修羅は結構変態よ。桐島の思ってる1.8倍キモいわよ」
「そこです!」
ずびしっ!っと私の方にむかって指差してきた。
「見ての通りわたくしは金持ちで可愛くて最高の女の子です。しかし、それゆえに!言いよって来る男共が多いのです。執拗に迫って来る男などカス同然です。そう私にとって男とは馬糞。いえ、それ以下です!」
あれ?同じようなこと言った奴がこの部室の中にいたなぁ?誰だっけ。
「さて、そこで現れたのが修羅だったのです。あのPVを見た時ただのイケメンだと思っておりました。しかし、彼は自分の好きな二次元女子を叫び、自分の股間にカメラをぶつけるなど変態行為ばかり。イケメンなのにこの残念な感じ!たまらずわたくしその場で少し果ててしまいましたの」
「え」
ええー!まさか修羅の変態なところがいいの。
「あの変態度合いは度を越しています。まともじゃない感じがたまらなく愛おしいのです」
「じゃあ、桐島は変態な人が好きなの?」
「いえ、そうではありません。ただ独特の価値観というものを持った方が好きなのです。修羅みたいな」
それ変態のことだよね。
「というわけでこの部活の同性の仲間として私の恋を応援してくださらない?こんなこと話せるのこの変人の集まりの部活の女の子だけですもの」
「まあ、確かにね…」
でも私は変人じゃないよ。でも今これを言っても説得力がなさそうだから伏せておく。
「では、わたくし部室に戻りますわ」
「ああ、私も行くよ」
なんともカオスな会話もようやく終了して部室に戻る。確かに恋バナでガールズトークの内容としては完璧だったのに何かが足りないのよね。いや、逆に変態部分が余計についてるから違和感があるのか。
「桐島、お前の名前を今決めたぞ」
部室に入るなりいきなり修羅がこう言った。確か私の時も一瞬で決めてたしこういう時の発想力はすごいと思う。
「お前の名前は絵里奈だ。身長は176センチ体重74キロ。スリーサイズは上から34-45-72だ」
「私の時より体型良くなったけどそれでも人として危ないわよ。あんたの人間観察能力はどうなってるの」
「理想を求めた結果だ」
「あんたの理想は人外にあるのね…」
てか、二次元のキャラでもそんなめちゃくちゃなやついないでしょうに。
「ありがとうございます修羅。わたくしに名前をつけてくださるなんて感激です。一生大切にいたしますわ」
重いよ。一生大切にするような素敵な名前でもないでしょ。
「ま、これで四人男女比きっちり半々の俺が理想とする部活ができたな。じゃ、今日は解散するか」
その新生の言葉で私達は各々自由に帰宅した。
〜次の日〜
「いやぁ、やっぱりこの部活にも金持ちキャラが欲しいと思ってたところなんだよなぁ」
「そ、そうね」
今日の放課後も部活だ。てか、桐島は金持ちだったわね。変態好きの変態っていうキャラが強すぎてすっかり忘れていた。
ちなみにその好かれている修羅は部室の端で携帯ゲーム機でピコピコしている。一応エチケットとしてイヤホンをしているがなんか腹立つのでイヤホンを引き抜きたい。もう、
修羅はそこにいるだけで罪みたいな感じに私の中でなりつつある。
「アンコ修羅のイヤホンを引き抜きたいと思ってるならやめておいた方がいいぞ」
「え、なんでよ」
「あのイヤホン三万円こすらしいからな。しかもやってるゲームもエロいし何かあった時俺でも擁護できん」
「あんたが擁護する気があるのにびっくりよ」
「馬鹿にすんなよ。俺は擁護の塊だからな」
「その割りには擁護されたことあんまりないけど」
「擁護してない俺を擁護していいか?」
「意味わかんないし」
そんな感じで新生と楽しく?会話する。すると部室の扉がガラッと開いた。無論新入部員の桐島だ。
「おー、リアル愛花」
「ふふふ、新生。わたくしは最早愛花ではございませんわ」
こいつらみたいに超越した存在スーパー愛花になるのかな。…ありそう。
「わたくしの名前は今日から桐島 絵里奈ですわ」
行動はえーよ。
Q普通の友達を作るにはどうすればいいですか?
A写真部に入らないことです。
私は最初の選択から間違っていたのだった。
新キャラどうでしたか。個人的にはなんか動かしづらいので微妙かもしれないです。あのキャラが好きって方がいたごめんなさい。多分出番は少ないと思われます…。